181 バーベキュー
俺達は次から次へと現れるトレント達と戦いながら森の奥へと進む。
警戒しながら進む事もあり、時間は掛かるが取り囲まれる事がなくなったので、割りと早めにトレント達を倒して行く。
ゴブリンキングのゴブマルも先頭に立ち、警戒&討伐をこなしていた。
袈裟懸けと剣聖ルイがゴブマルから、敵の発見を聞くと走り出して、競う様に殲滅して行くので、俺の出番はほぼ無い。
倒したトレントをアイテムボックスに収納していくだけだ。
俺とジャイアントハーフの聖騎士リンは、のんびり歩いて森林浴を楽しむ余裕すらある。
「空気が旨いなぁ」
「そうですね。緑が目を癒します」
敵がトレントって言うのも良い。血が出ないので、血生臭くならないからね。
材木を収納している気分だ。
ゴブリン達は、トレントの相手が難しいので、今やリンの周りを一緒に歩くだけだ。
あまり役に立ってるとは言えない。
まあ、コボルト達は左右と後ろを、匂い探知と音探知で警戒しているのだが、ゴブマルの探知はかなり広範囲なので、コボルト達が発見する前に教えてくれるので、尚更そう感じるのかも知れない。
その点キラービーソルジャーのビーワンとビーツーは、色々役に立っている。
果実の木があれば、もいで持って来てくれたり、トレントの魔石を持って来てくれたりする。
果実は俺が魔王のブーツで宙を歩いて取って来ても良いんだけどね。
「そろそろ、飯にするか?」
「そうですね」
「ああ、ノワがいないけど食事はどうする? バーベキューがいいか?」
「ノワには及びませんが、私も作れます。ですが、タクミ様がバーベキューが良いのであれば、食材は私が切りましょう」
「おう、宜しく頼むよ。袈裟懸け! ルイ! 食事にするぞぉ」
「クア!」
「承知しました!」
袈裟懸けとルイが前方から走って戻って来た。
「ちょっと、木が多すぎるから切るか」
俺はアイテムボックスから聖剣を出すと、しゃがんで周りの木を聖剣で横に払い、斬り倒した。
ちょうど切り株が椅子の高さなる。
「流石、タクミ様!」
リンが褒める。
「え! 何ですか! その切れ味は?」
「クア!!」
驚くルイと袈裟懸け。
「『凄い!!』と袈裟懸けも驚いているでござる」
とゴブマルが袈裟懸けの言葉を通訳した。
「聖剣だからね」
「せ、セイケン!! ……。」
絶句のルイ。
リンに食材を渡すと、リンはバーベキューの準備をし始めたので、俺は木材を薪サイズ切って、火力を調整しマグマの杖で火をつけた。生乾きの木材だが、火力が強いので、燃える事は燃える。
煙がもくもくと出始めたら、ゴブマルが慌てて、何やら見た事の無い魔法で煙を消した。
誰も俺を注意しないが、ちょっとやらかしちまったのは分かった。
「ゴブマル、済まん。そしてありがとう」
「何も問題はありません。敵が集まってくれるので、まとめて倒しましょう。」
うはっ、やっぱり集まるんだ。臭いもしたしな。
「私の為に敵を集めていただき、感謝申し上げます」
むっ、ルイのフォローは皮肉にしか聞こえんぞ。俺はルイをジト目で見るとルイは慌てて、否定するが……。
「いえいえ、そ、そんな意味で言ったのではなく、良い意味で、そう良い意味でです。」
あぁ、ルイは「良い意味で」って言えば、何でも誤魔化せると思ってやがるな。
こんな人いるよなぁ。
「クア! クアクア」
袈裟懸けは何を言ってるか分からんから、まあいいか。ゴブマルもあえて通訳しない様だし。
焚き火って良いよねぇ。火を見てると落ち着くって言うか、魅入っちゃうよ。
リンが食材を焼き始めた。
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