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悪逆無道の異世界冒険記  作者: ボルトコボルト
162/192

162 冒険者達のその後

城壁都市リシオジに戻った俺達。


俺とジャイアントハーフの聖騎士リンと、ブラックジャガー獣人のノワの3人。


城門の前に避難していたマイーヤ村の住民達は、落胆し暗い表情だった。


「騎士隊がゴブリンに負けて、帰って来たんだってなぁ」

「俺達はいつまで、ここにいなきゃ駄目なんだろう」

「俺の家どうなってるのかな?」

「早く帰りたいよう」


自分達の村がゴブリンに占領されて、討伐しに行った騎士隊と冒険者達が敗退して、逃げ帰って来たからね。


心配なんだろうな。


もう既にゴブリン達はマイーヤ村から、撤退しているけどね。


俺達はそんなマイーヤ村の住民達を横目に通り過ぎて、城門に到着した。


そして城門を潜ると街中に入り、冒険者ギルドを目指す。


冒険者ギルドには、ルイが待っているはずだ。


冒険者ギルドの中は騒がしく、負傷した冒険者達が沢山いた。


「いてててて」

「全く骨折り損だぜ」

「くっそー、ゴブリンの奴らめ」

「いつの間にあんなに増えやがったんだぁ」

「あのゴブリンキング見たか?」

「あんなのがいるなんて知らなかったぞ」

「誰が調査したんだ」


冒険者達の愚痴を聞き流しルイを探す。


「ルイは2階にいる様ですねー」

ノワが教えてくれた。


「2階って言うと、ギルド長の執務室か?」


「そうですー」


俺達は受付嬢に言伝をして、ルイを呼び出して貰うようにお願いした。


すると、受付嬢が戻って来て、ギルド長の執務室に来て欲しいと言われたので、受付嬢の案内で執務室に向かった。


執務室に入ると、ギルド長と剣聖ルイともう1人冒険者っぽい男がいた。


ルイは俯いていたが、俺が部屋に入ると顔をあげ微妙な顔をしていた。


ギルド長は満身創痍の状態でソファーに腰を掛けていて、もう1人の男も怪我を負っている様だ。


「タクミ様、助かりました。情報をいただいたお陰で、冒険者は死者が少なく撤退する事が出来ました」


ギルド長は開口一番御礼を述べた。


「いや、仲間のルイの為だからねぇ、そのついでだし……」


「あ!ご紹介します。今回のゴブリン討伐において、冒険者チームの副隊長を務めた、Aランク冒険者のカシズオーです」


「俺はカシズオーです。タクミさんの事はギルド長からも聞いています。この度はありがとうございました」


「タクミです。この度は何と言って良いか……、残念でしたね」


俺はリンに振り向き、ルイ達の回復を指示した。


「リン、ルイ達を回復してあげて」


「畏まりました」


リンはギルド長達を範囲指定の回復魔法で、一気に回復させた。


「おお!こんなに一気に回復するなんて、凄い回復魔法ですな」

「ありがとうございます、これ程の回復魔法の使い手は初めて見ました!」


ギルド長は俺とリンに頭を下げてお願いして来た。


「タクミ様、申し訳御座いませんが、ギルド内には負傷した冒険者達が、沢山おります。報酬をお支払いしますので、リンさんに治療していただけないでしょうか?」


「リン、いける?」


「タクミ様の命令であれば、全員治療します」


「魔力量とか問題無いの?」


「全く問題御座いません」


「おお!そうか、それではお願いするよ」


「畏まりました」


リンは部屋から出て行った。


俺はルイを向いて告げた。

「さあ、ルイ、帰るぞ」


「は、はい……」

ルイはよろよろと立ち上がる。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

カクヨム様にて先行掲載中、

続きが気になる方はどうぞ。

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