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悪逆無道の異世界冒険記  作者: ボルトコボルト
144/192

144 受付嬢カスザ

城壁都市リシオジの冒険者ギルドで受付嬢カスザさんにこの国の情報を聞いた。


「ルイさん、ギルドからの緊急依頼をします。どうかマイーヤ村の救援に向かってください。現在Cランク以上の冒険者はみんな向かって貰ってますので、お願いします。Aランク冒険者に現地に入って貰えば心強いです。」


「え!そ、それは・・・。」

剣聖ルイは俺の顔色を窺う。


「はぁ、ルイ、断りたいなら、断って良いぞ。」


「しかし、Aランク冒険者はギルドからの緊急依頼を断るとペナルティがあるのだ・・・。」


受付のカスザさんもうんうんと頷く。


「カスザさん、Eランク冒険者のタクミのパーティーについて、各ギルドに通知が入ってるはずですが、見てませんか?」


「はぁ?」

胡散臭そうに俺を見るカスザさん。


「取り敢えず確認してください。その上で、Eランク冒険者のタクミのパーティーの一員であるルイに、緊急依頼を強制発動するなら、その旨をギルド長に相談後、再度言ってください。」


「はぁ?」


「その時は冒険者ギルドが俺に敵対したと判断します。俺達は『癒しの宿』に泊まってますので、そちらに連絡してください。」


そう言うと俺は受付に背を向け、入口の扉に向かって歩き出した。


ルイとジャイアントハーフの聖騎士リンと、ブラックジャガー獣人のノワも俺の後に付いて歩き出した。


「ちょっと、ちょっと、私は緊急依頼をルイさんに伝えましたからねぇ!」

俺の背中に致命的な一言を叫ぶカスザさん。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


冒険者ギルドを出てルイが俺に話し掛ける。

「すいません。私の所為でなんか面倒になったみたいで・・・。」


「良いよ、大丈夫。いつもの事だし。」


「そうそう、気にしないでー。いざとなったら、ギルド潰しちゃおー。」


ノワがフォロー?してるけど・・・。

フォローになってるか?


「そんな過激な。」


「いや、タクミ様はもっと過激だからねー。」


「そんな事無いだろう。」


「あははは。」

と笑うノワ。

解せん。


「取り敢えずギルドで依頼を見てこなかったから、常設依頼でありそうな薬草でも採取しておくぞ。」


と言う事で、一度宿に戻り馬車を出して、近隣に薬草を採取しに行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


冒険者ギルドにて受付嬢カスザさんが、タクミに関するアンタッチャブルの緊急通知を見つけて、顔を青くして震えていた。


「あわわわ、どうしよう・・・。」


意を決して、受付奥の階段を登り、ギルド長の執務室へ、恐る恐る入った。


「ギルド長おおおおお、大変な事をしちゃいましたあああああ!」


泣きながらギルド長に報告するカスザ。

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