135 国王フギ・マヒロシ殺害
マヒロシ王国国王の執務室にて、俺はフギ国王と対峙する。
「国王個人に恨みは無いが、覚悟して貰おうか。」
「ま、待て!」
宰相が慌てて俺の前に身を投げ出し、両手を横に伸ばして国王を庇う。
その時、天井から俺に矢が放たれた。
シュッ!
ジャイアントハーフの聖騎士リンが 、結界を張っており矢を弾く。
「タクミ様には指一本触れさせません!」
カツッ!
ブラックジャガー獣人のノワが、天井に投げナイフを投げた。
「タクミ様に何をする!」
ドカッ!ガタガタン!!!
天井から国王警護の暗部が落ちて来た。
剣聖ルイはノワに先を越されて、ちょっと悔しそうだ。
そして、フギ国王の首が落ちた・・・。
俺が時を止めて、聖剣で首を斬った。
部屋には国王と、天井に潜んでいた護衛の暗部の遺体が転がり、ヤナゴ宰相が青い顔で震えながら立っている。
宰相は、身を挺して国王を庇おうとした忠義の老人だ。
俺は宰相に話し掛けた。
「ヤナゴさん、国王は神に召された。第一王子が後を継ぐと思うが、第一王子の居場所を教えて欲しい。第一王子の考えを知りたい。」
「な、な、何を言う。その様な事を教えるはずがなかろう!」
「ふむ、そう言うだろうね。」
俺は顎に手をやり考える。
どうしよっかな?
「あ、私が第一王子の居場所を分かりますよー。」
そう言ってノワが手を上げた。
手はあげなくても良いんだけどね。
俺は時を止め、ヤナゴ宰相を雷の杖で気絶させた後、時を動かしノワを見る。
ドサッ!
倒れる宰相。
「流石ノワだ、案内してくれ。」
「はーい。」
ノワを先頭に執務室を出ると、第二王子キオーガの騎士イカサが待っていた。
「タクミ様、キオーガ王子の元にご案内致します。」
「ちょっと待て、第一王子の元に行ってからだ。」
「第一王子のカオーサ様が、今どちらにおいでになるかは存じ上げませんが・・・。」
「大丈夫だ。うちのノワが知ってるそうだ。」
ノワがサムズアップをしながら、ウィンクした。
「同行致します。」
イカサも俺達の後について一緒に歩く。
俺達が王城の通路を歩いていると、前方から第三王子レクと騎士2人が歩いて来た。
レクは俺に気が付くと駆け寄って来た。
「兄貴ぃ!王城に来てくれたのか。」
「レクに会いに来た訳では無いぞ。」
レクは俺の後ろにいるイカサを目にする。
「イカサ!何故タクミ兄貴と一緒にいる? まさか、兄貴はキオーガに用があったのか。」
イカサは無言で会釈するだけ。
「いやいや、俺は国王と第一王子に会いに来たんだよ。」
「どういう事ですか?」
「まあ、歩きながら話そう。」
レクも俺達に加わり、ノワを先頭に歩き出した。ノワの次に俺とレクが並んで歩く。
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