013 【テンプレ論破】元Sランクのババア、自分たちの不祥事を棚に上げて逆ギレするも、元引きこもりのロジハラで無事死亡へ
魔王の手甲をはめた俺の鉄拳による「数百倍の激痛」に耐えかね、元Sランクの伝説(笑)であるエルフのギルドマスターは、幼児のようにワンワンと泣き叫びながら「何でも言うことを聞くのじゃあ!」と命乞いをしてきた。
「……ほう。言質(証拠)は取ったぞ、ババア」
俺は悪魔のような冷酷な笑みを浮かべ、ようやくその拳をピタリと止めてやった。
これ以上のレベリングは必要ないし、何より「何でも言うことを聞く奴隷(手駒)」を確保した方が、ネトゲの効率的にも今後の旅の利便性的にも圧倒的に美味いからだ。
「……うぅ、ひぃん……。お、お主、妾にいったいどんな無理難題を要求するつもりなんじゃ……?」
エルフのババアは、切り落とされた両腕の激痛に顔を涙と鼻水でグシャグシャに歪め、這いつくばった状態から恐る恐るこちらを見上げてきた。
そして、周囲で石のように硬直していたギルドの職員たちに必死で目配せし、俺にボコボコにされて気絶しているサブマスターたち3人の治療(ポーションの手配)を小声で指示した。……らしい。俺の『神眼』は、そんなババアの小細工も見逃さないが、今はあえて黙って泳がせてやる。
「『先ずは』、俺たち3人の冒険者登録を今すぐ、最高最優先の特級扱いでやってもらおうか」
「へっ……? ぼ、冒険者登録……? 腕まで落としておいて、そんなちっぽけな事で良いのかのぅ……?」
ババアが呆然とした声をあげる。
「『先ずは』と言っただろ、耳が腐ってんのかババア。まぁ、元々は普通に冒険者登録をしに並んでただけだからな」
「えええええっ!? 登録しに来ただけなのに、何でギルドの首脳陣が全滅するような大惨事になっておるのじゃ!!」
「ハッ、そんなの俺に聞くなよ。全ては、そこのゴミが原因だ」
俺は、リンの胸を触った罪で両手をグチャグシャに踏み潰され、床でピクピクと震えているCランク冒険者の髪の毛をガシィッ! と力任せに掴み、無理やり顔を上げさせた。
「なぁ! おい、レイジ(ゴミクズ)くん。そうだろ? 正直に白状しろよ。お前が何をしたか、このババアに教えてやれよ」
「ひっ、は、はいぃっ……! その通りです……っ、俺が調子に乗って新入りに絡んで……そこの綺麗な女の人の胸を、無理やり触りましたぁぁああっ……!!」
男は失禁せんばかりの恐怖でガタガタと震えながら、涙目で平伏した。
その謝罪を聞いた瞬間、エルフのババアの目が限界まで見開かれ、隣に直立しているリンの姿を凝視して絶叫した。
「リ、リン・パーシヴァルじゃとォォオオオッ!!?」
「ギルドマスター様、お久しぶりです」
リンは何でもないことのように、優雅にペコリと頭を下げた。
「な、何故……王都聖騎士長であるお主ほどの女傑がここに居て、この状況を止めさせなんだのじゃ!!」
「「「せ、聖騎士長ぉぉおおおッ!!!?」」」
「待て、そう言えば見たことあるぞ……!」
「嘘だろ、あのオークをもワンパンで即死させるっていう、鬼の聖騎士長リン・パーシヴァルかよ!!」
ババアの叫び声に、周囲で見ていた野次馬の冒険者たちが一斉にザワザワと騒ぎ出し、パニックを起こした。
「聖騎士長は昨日でやめました。今はタクミ様の忠実な従者です。タクミ様に仇を為す不届きな輩は、私の目の前で全員殺されても自業自得ですので、止める理由がありません」
リンは冷徹なプラチナ色の瞳で周囲を一瞥し、当然のように言い放った。
「はぁ……お主、いつの間にそんな男の『狂信者』になったんじゃ……。それにしても、お前(セクハラ男)はとんでもない女傑に絡んだものじゃな。その上、胸まで触るとは大馬鹿の極みじゃ! リンは一人で盗賊50人を殲滅して全員の首を撥ねた、国最高の物理盾『鬼の聖騎士長』じゃぞぃ!!」
「えええええっ!? ひ、ひぃぃ……す、すいませんでしたぁぁぁああああっ!!」
両手を潰された男は、自分が触った相手の正体を知り、驚愕と絶望のあまり床に頭をガンガンと叩きつけて平謝りし始めた。
「でさぁ、ババア。そいつの両手を正当防衛で潰したら、そこにいるそいつの仲間(Cランクパーティーの残党)が、剣と魔法を抜いて俺を『明確に斬り殺そう』としてきたんだよ」
俺はぐったりとして職員に介抱されている、両肩を壊された元剣士と後頭部をボコられた元魔術師を指差す。
「おい、てめえ。剣を振り上げて俺を斬り殺そうとしたよな? 間違いないよな?」
「は、はいぃぃ……っ! すみません、すみません! 殺そうとしました! もう二度としません、冒険者も辞めます、だから助けてくださいいぃぃっ!」
「お前も、いきなり俺の顔面に魔法を向けて発動しようとしたよな? ああ?」
「ひっ、ひいいいいいいっ!! そ、そうです……! ごめんなさい、ごめんなさい……っ! もう一生魔法は使いません、魔導書も捨てます、許してくださいぃぃっ……!!」
完全に心をへし折られた冒険者たちは、肩や頭の痛みを堪えながら、土下座の姿勢のまま涙と鼻水で床を濡らして全力で泣きながら謝罪した。
「……ギルド内での攻撃魔法の使用は、即座に死刑もあり得る大御法度じゃぞぃ……」
エルフのババアが、冷たい目でその魔術師を睨みつける。だが、
「お前が言うな!! お前はさっき、俺に向けて『数千発の風の刃』を発動して、ギルドを半壊させて俺を殺そうとしただろーが!!」
俺は間髪入れずにエルフを指差し、ドスの利いた声で睨み返した。
「うっ……! ま、まあ……それは、そうじゃのぅ……」
ギルドの最高ルールを自分が一番派手に破っていたことを指摘され、ババアは気まずそうに目を泳がせる。ダブスタの極みだ。
「こいつらは殺しても良かったが、俺の慈悲で『心をへし折る程度』にしてやったんだよ。なのにさぁ、事情も理由も何も聞きやしないで、そこに転がってる血達磨のジジイが、いきなり俺の顔面に本気の拳を殴り掛かってきたわけ」
俺は、床でピクピクしているサブマスター(元Aランク)を冷たく見下ろした。
「なぁ、サブマスさんよぉ。お前、問答無用でいきなり俺に殴り掛かってきたよな?」
「……フッ、その通りだ……。小僧の言う通り、理由を聞かなかったのは俺の軽率だった……。まずは目の前の暴力を止めるため、お前を殴り倒そうとしたことに、一切の弁解の余地は無い……」
さすがは元Aランクのサブマスター。全身血達磨になりながらも、なんとか上半身をガバッと起こし、覚悟の決まった口調で自分の非をはっきりと認めて答えた。
「おいババア、聞いたか? このギルドは何なんだ? 挨拶代わりにすぐ暴力か? 治安悪すぎだろ、全員前科持ちか?」
「それこそ、お主(略奪者)が言うなァァアアッ!!」
エルフのババアは腕を落とされてHPが1割未満のくせに、まだ反論する元気だけはあるようだ。
「はぁ? 俺は降りかかる火の粉を『正当防衛』で払っただけだぞ? ババアの方こそさぁ、2階から降りてくるなり、ただ見てるだけで何もしてない無関係の野次馬冒険者たちを、衝撃波でまとめて派手に吹き飛ばしてただろ。そっちの暴力の方が、どう考えても『理不尽な悪』だろうが」
「うっ……それは……っ……」
俺の完璧すぎる正論の直撃を受け、元Sランクのギルドマスターは、今度こそぐうの音も出なくなって口をパクパクと開閉させるだけの人形と化した。
さあ、外堀は完璧に埋まった。
ギルド首脳陣の罪状をすべて確定(論破)させたところで、ここからこの泣きべそエルフをどう料理してやろうか。




