表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪逆無道の異世界冒険記  作者: ボルトコボルト
118/192

118 悪魔討伐なんてしないよ

第二王女ラナの目的が悪魔討伐と知り抗議する、Bランク冒険者パーティー『栄光の大剣』の冒険者達。


「悪魔の討伐なんて聞いていません!悪魔は騎士隊の総力を持って倒すモノです。Bランクとは言え冒険者5人では、到底敵いません。我々に死ねとおっしゃるのですか!」


『栄光の大剣』リーダーのタスイは、強くラナに抗議する。


「騎士隊が後で来るのですよね?」

カトヨナがラナに問う。


「騎士隊は来ません。」

否定するラナ。


「そんなぁ。」

絶望の表情を浮かべるカトヨナ。


「騎士隊は最近建国したばかりのサトウ国との、戦争の準備で出動出来ないよ。」

俺がカトヨナに説明してやった。


「戦争?」


「タクミは、そこまで知っていたのですね。」

ラナは俺を訝しげに見詰めた。


「いいか、この国は、悪魔が出現しているかも知れない情報を掴んでいながら放置して、攻めても来ない国と体面を保つ為に戦争の準備をしてるんだ。」


「ほ、本当ですか?」

と『栄光の大剣』の冒険者達。


「その為に私が来てるのよ。悪魔を何とか退治出来れば王国は大丈夫よ。」


ラナは冒険者達に説明してるが、冒険者達に戦えって事だから、不安を煽るだけなんだよなぁ。


「あんた馬鹿か?王女1人と冒険者5人で、悪魔を倒せる訳無いだろう!」


俺が無礼な事を言っても、もはや誰も注意をしなくなっていた。


「だからデーモンスレイヤーのタクミが必要なのよ!貴方が、悪魔を討伐しなさい。」

ラナが俺に命令した。


「ヤだよ。自分の国の騎士で対応すればいいでしょ。」


「この村の村民が、殺されても良いって言うのぉ!」

ラナの台詞にビクッとする村長。


「問題をすり替えるな!国民の命を守る為に国軍を出さないで、他人任せにしてどうする。俺が悪魔を倒すとだな、結果的に戦争の片棒を担ぐ事になるだろう。俺に悪魔を討伐させておいて、しなくても良い戦争を起こし、大勢の人を殺すつもりなんだろう?」


「しょうが無いじゃない。それしか方法がないもの。」


「はぁ、それしかないって・・・。ラナは悪魔討伐に命をかけるんだろう?同じ命をかけるなら、戦争を中止させて騎士に悪魔討伐をさせる事に命をかけろ!」


「あんたなんかに、私の行動をとやかく言われたくないわ!」


「このまま進むと、戦争に負ければ王家は滅亡。例え戦争に勝っても、兵は疲弊しているから、悪魔が現れれば国が滅びるぞ。」


「えええええええ!!」

「マジかぁ。」

「ヤベぇじゃん。」

「こんなところで、護衛なんてしてる場合じゃないわ。」


『栄光の大剣』の冒険者達は嘆く。


「依頼は護衛だけのはずです。悪魔討伐は含まれていません。依頼の変更はお受け出来かねます。」

マイコもラナに食って掛かる。


無言でマイコを睨むラナ。


「おいおい、マイコさん、先程俺に『王女に声を掛けて貰ったら二つ返事で従え』って言ってたよな。従わないといけないんじゃないの?自分の都合で変えるなよ。」


「な、何を言うのよ!私達の命が掛かってんのよぉ!」


「どうせ詳しい内容を聞かず、王女のお願いだから浮かれて依頼を受けたんでしょ。護衛対象が悪魔に向かえば、戦わざるを得ないんじゃないの?依頼内容の変更では無いでしょう。」


「だ、だったら、どうすれば良いのよぉ!」


「大人しく悪魔から王女を護衛するか、護衛の為に王女を眠らせてでも無理矢理王都に連れ帰るか、依頼達成を諦めて逃げ出すかじゃないかなぁ。」


「そ、そんな事出来ないわよぉ!」


「知らんよ。俺達はそう言う事で村を出るから、もう絡まないでくれ。行くぞ!」


俺はノワとリンとルイを伴い、村を出て行く。


呆然としている村長と『栄光の大剣』の冒険者達は動けず、憤慨して言葉の出ないラナは俺達の後ろ姿を睨んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] >呆然としている村長と『栄光の大剣』の冒険者達は動けず、憤慨して言葉の出ないラナは俺達の後ろ姿を睨んでいた。  タクミ視点での説明文だと思うんですが、タクミが振り返る 素振りを見せな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ