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悪逆無道の異世界冒険記  作者: ボルトコボルト
105/192

105 王都

俺達は王都に着いた。


王都は高い石壁に囲まれた城壁都市だ。


そして広大な敷地を持つ。


王都の城壁が見えてから地竜の馬車で暫く進むが、門が見えて来ない。


「ノワ、方向は間違って無いよね?」


「はい。間違い無いですー。」


「そっかぁ。」


心配になるほど、城壁が続く。


「そろそろ門が見えてきますよー。」


「どれどれ?」


ブラックジャガー獣人であるノワの声に、馬車から身を乗り出して見ると、馬車の列が並んでいた。


「混んでるなぁ。」


「そうですねー。あっ!リンさん、馬車の後ろに並ばなくても良いですよー。」


ノワが御者をしているジャイアントハーフの聖騎士リンに話し掛けた。


「ん? 貴族用の門からは、入れないよねぇ?」


「冒険者用の門もあるんですよー。王都では冒険者を優遇しているので、冒険者証を見せるだけで通り抜けられるから、早く入れますよー。」


「分かった。」


俺は2人の会話を黙って聞きながら、商人達の馬車の列を見ていた。


門に到着すると、門番が二人槍を持って門の両側に立っている。


俺達は馬車から降りて、冒険者証を門番に見せた。


「ん! ちょっと待て!」


「何でしょうか?」


リンが門番に確認する。


「Eランク冒険者のタクミ・・・、女性二人と・・・、地竜の馬車。」

「レク王子の通達の人じゃないか?」


門番二人はヒソヒソ話し始めた。


「冒険者証は確認したんだろ?中に入るぞ。」


俺は馬車に乗ろうとする。


「おいおい、ちょっと待ってろ!」


門番の一人が慌てて俺の腕を掴む。


「離せ!」


俺は門番の手を振り解く。


「ん! Eランク冒険者の若造が大人しくしてろ!」


門番が俺の頭に拳骨を落とすが・・・。


バシッ!


俺は左手で門番の拳を掴み、握り潰す。


バキバキバキッ!!


「ンギャアアアアア!」


お!魔王の手甲を着けてるから、相当痛がってるな。


門番の悲鳴に他の門の門番も駆け寄って来た。


「どうしたぁ!」


俺に拳を握られ、悶絶する門番を見て剣を抜いて構えた。


「狼藉者ぉ!」


俺は手を握っていた門番を、後から来た門番に投げ飛ばす。


「何だ? 剣を抜いたと言う事は、俺を殺すつもりだね。と言う事は殺されても文句を言うなよ。」


「きさまぁ!王国の門前で狼藉をはたらく者は極刑だ。」


「ほう、俺に喧嘩を売ってるんだな。」


俺は右手を握り、拳の右側で門を強く叩いた。


空手の横鉄槌と言う技だ。俺は『拳神』のスキルを持っているので、怒りに任せて拳を振っただけなのに、スキルに補正された様だ。


開いた足が踏み込まれ、腰の回転の延長で腕が回る、曲げた肘を伸ばす力も加わる、身体全身の力が拳に乗る。


そして魔王の手甲は攻撃力を増加させる。


その結果。


ズガガガアアアアアアアアン!!!


吹き飛ぶ鋼鉄の巨大な門。


舞い上がる土煙。


驚愕の門番と門前に並ぶ者達。

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