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悪逆無道の異世界冒険記  作者: ボルトコボルト
103/192

103 ヨイ町にドラゴンが来た2

冒険者ケマヌが馬から降りて、俺達の元に駆け寄って来た。


「はぁ、はぁ、この前は申し訳なかった。」


「ん?ドラゴンの鱗を返す気になったのか?」


「いやいや、そう言う訳では・・・ごにょごにょ・・・そんな事より!大変なんだ!ヨイ町にドラゴンに襲われそうなんだ!」


「それで?」


あれ?反応が可笑しいぞって言う顔をしているケマヌ。


「町の住民が危ない、是非助けて貰いたい!お願いします。」


頭を下げて見えない様に、ニヤリと笑うケマヌ。


「やだね。あの町で良い思い出は無いし、お前みたいに、また分け前渡せって言う輩が現れるだろうからね。皆殺された後でゆっくり倒すよ。」


「え?何の罪も無い住民が殺されるかも知れないんだぞ!ドラゴンを倒せば名誉と大金が確実に手に入るぜ!」


「お前が助ければ良いじゃん。ドラゴンにダメージぐらい入れられるんだろう?分け前要求したくらいだし。」


「いや、俺では無理だ。」


「無理だから逃げて来たのか?」


「逃げた訳じゃ無い!ドラゴンを倒して貰う為に、タクミさんを捜しに来たんだ。」


「何だか馴れ馴れしいなぁ、お前と話す事など無いぞ。俺はヨイ町を助ける気は全く無い!だからお前は直ぐに町に戻って、住民の為にドラゴンと戦って来い!」


「う・・・。」


そこにもう1人冒険者が馬に乗って駆けて来た。


「タクミ様、ヨイ町にドラゴンが、現れました。是非お力を貸・・・。ん?ケマヌ!何故お前がここにいる!」


「タクミさんにドラゴンの討伐をお願いしに来た。」


「馬鹿か!お前はタクミ様に嫌われているんだぞ!お前が頼めば、上手くいく可能性が低くなるだろうがあああ!サッサと町に戻って防衛に加われ!」


「う・・・。」


「そうそう。俺もサッサと帰れっていてるんだけどね。これ以上ここにいるなら、ぶっ飛ばす!」


俺はケマヌを睨んで威圧を放った。


「はひぃ、あぁぁぁぁ。」

怯えて後退るケマヌ。


「サッサと帰れ!!!」


「はひぃぃぃぃ。」


ケマヌは乗ってきた馬に向かって逃げた。


「私はBランク冒険者のトムロと申します。ケマヌから話を聞いていると思いますが、助けてください。」


「断る。ヨイ町が滅ぼされてから、ドラゴンを倒す事にした。これ以上ここに居るならお前もぶっ飛ばす!」


「は、はい。すいません。もう帰ります。気が変わったら助けてください。」


トムロは馬に乗って町に戻る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


トムロが馬に乗って町に向かうと、トボトボゆっくり馬を歩かせているケマヌがいた。


「何チンタラ歩いている!早く町に戻るぞ!一緒に来い!」


「は、はい。」


ケマヌはもう逃げられない事を悟った。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  ケマヌの振り見て我が振り直せ。  教訓的な意味で得る物が多い作品ですね。  学校図書に加えても良いかもしれません。  (作品テーマは悪逆無道だけど)
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