101 ヨイ伯爵次男モスク
俺は時を止め聖剣で、ヨイ伯爵の衛兵達十数人の首を斬り落とした。
それを見て腰を抜かし呆然とするヨイ伯爵次男モスクとトナル商会のキーア。
「俺を殺そうとしたんだ、お仕置きしないとな。」
俺はモスクに近付く。
「ひぃ、来るなああああ。」
俺は魔王の手甲を装備した右手拳を握り締め、左手でモスクの髪の毛を掴み持ち上げる。
「た、たしゅけて、ゆ、ゆるひて・・・。」
「いいか、これ以上俺を追うな。俺の前にこの町のお前らの配下が顔を見せたら、この町を滅ぼすぞ!」
「は、はひぃ・・・はひぃ。」
俺はモスクの右肩を殴り粉々に砕いた。
ガコッ!
「うぎゃあああああああああ!ひぃぃぃぃ。痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃ・・・。」
ドゴッ!!ドシャッ!!バゴンッ!!
そして、左肩、右膝、左膝も同様に砕いていった。
ドゴッ、ドゴッ、ドゴッ、ドゴッ・・・。
そして死なない程度に軽く殴り続ける。
痛みに慣れていない貴族のモスクは苦痛に泣き叫ぶ。
「いだあああああああああああ!」
モスクの金髪はいつの間にか真っ白に変わっていた。
変形した顔は面影が無く、ぐったりしている。
そして、キーアの首の後ろを掴み引き起こす。
「キーア!お前の密告で俺は殺されそうになり、こいつらは死んだ。」
「ひ、ひぃぃぃぃ。はひぃ。」
「俺達の事は忘れろ、誰にも言うなよ。」
「はひぃ、はひぃ、はひぃ・・・。」
キーアは何度も頷く。
「さあ、行くか。」
ジャイアントハーフの聖騎士リンは、地竜を馬車に繋げて出発に準備をした。
俺とブラックジャガー獣人のノワは馬車に乗り込み、リンは御者席に乗る。
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ヨイ町に剣聖ルイ達が到着した。
ルイは衛兵の詰所に、タクミを襲ったCランク冒険者パーティーの『至高の剣』の冒険者達をつき出す。
「何だか衛兵隊の人数が少ないわね。」
「そうなんだ。今朝事件があって、16人亡くなってなぁ。」
「え?襲撃でもあったの?」
「詳しくは話せん。」
「ふ~ん。まあ 、聞かなくてもいいわ。」
なんて話をしていると・・・。
「ドラゴンだあああああ!」
「ドラゴンが来たあああああああ!」
「ヤバい!皆逃げろおおおお。」
叫ぶ声が聞こえる。
ルイは声の方を見ると、遠くにドラゴンの影が空を飛んで向かって来るのが見えた。
「この町にドラゴンスレイヤーがいるかも知れない!彼に頼めば何とかなるかも!」
ルイが衛兵に言う。
「どんな人だ!名前は何と言う。」
「名前はタクミ、黒髪黒眼の少年で、地竜の馬車に乗り女性2人と一緒にいる。」
「ダメだ!その少年を衛兵が襲って殺された。そして少年達は今朝町を去った。」
「ええええええ!ドラゴンスレイヤーを襲ったのおおおおお!」




