さよなら日本!そしてはじめまして異世界!
僕は今デパートから帰ろうとしていた。
此処ら辺は車通りがそこそこ多く、車のスピードも速く道路に飛び出したらどうなるかは簡単に分かる…のだがまだ小さい6歳位の女の子がいきなり道路に飛び出していった。
勿論車は来ている。
周りの人は声を上げるだけで助けに行こうとはしない。
今から走って助けに行ったところで確実に助かりはしないだろう…いや上手くやれば幼女だけは助かるかもしれないが助けに行った人は死ぬだろう。
誰も助けには行かないだろう。
当たり前だ誰だって自分のことが大切なんだからな僕も...。
しかし考えていることとは別に体が動いていた。
視界の隅に映る車。あともう少し、あともう少しで幼女に届く。手の平に服が当たった感覚がした瞬間に急いで幼女を押す。
幼女は驚いたような目でこちらを見てくる。
あぁ良かった彼女だけでも...そう考えていた瞬間に体に激しい衝撃が走る。
辺り一面に鮮血が散ったときにはもう僕の意識はなかった。
「そんな訳で零斗さんは死んでしまいました」
「は、はぁ…。」
僕は今美人な神様……美神さんと話していた。
「本当に神様って居るんですねぇ...」
僕がそう呟く。だってよくあるファンタジー小説だといるけど本当にいるとは思ってなかったし!
「はい私以外にも沢山いますよ。それでは少し失礼します」
美神な女神様はそう答えると椅子から立ち上がり僕の後ろに立つ。
「え、えっとどうしたんですか?」
僕が戸惑いながらそう聞くと
「今から貴方には元いた世界で新しい命として人生を歩んでもらうために記憶をリセットします。」
えぇ…そこは異世界転生みたいな流れなんじゃないんですか…。そんなことを考えていると
「顔に全部出てますよ」
と女神様に注意されてしまった。
「大体ですね、死んだ人を異世界に毎回転生させていたらどんどんバランスが崩れてしまうじゃないですか」
呆れ気味に女神様は言う。で、でも一人の命を助けたわけだし…。
「考えている事全部顔に出てますよ」
これは喋らなくても伝わるのでは?とそこじゃなくて笑
まああまり女神様を困らせてもなぁ。仕方ないか。
「分かりましたではお願いします女神様」
と僕が言うといきなり目の前の女神様の顔が真っ赤になる。
「女神だなんてそんな褒めても何も出ませんよ?!」
お?この反応はイケるのでは?
「全部顔に出てます。」
女神様が呆れたようにこちらを見てくる。あちゃー顔に出てたか。
「仕方ないですね。幼い子供の命を救ったわけですし、特別ですよ?どんな世界が良いんですか?」
「え?!マジですか?!転生させてくれるんですか!!」
「今回のみですからね?」
よっしゃあ!!思わずガッツポーズをする。けどどんな世界がいいか?か勿論
「魔獣とかモンスターとかが居てギルドとかがあって魔法とかがある世界がいいです!!」
「え…っとでは転生を始めますね」
僕の勢いにたじろぎながらも女神様はなにやら転生の準備を始める。僕の背中に触れなにかの儀式を始める。
「それではご武運をお祈りします。」
瞬間目の前が真っ白になり目を閉じる。
次に目を開けたときにはそこには辺り一面に草原が広がっていた。