???
少女は、濡れた足でペタペタと歩いていた。
「お姉ちゃん達ったら、全っ然ダメね……」
少女は呟く。
少女の歩く道の両脇には、人が入る程の円柱形の水槽が並べられている。
水槽は青みがかった液体で満たされていて、その中に、何本ものケーブルで繋がれた少女がプカプカと浮いている。
水槽に浮かべられた少女は、今目の前を歩いていった少女と同じ姿をしていた。
しかし少女はそんなこと気にかける素振りも見せず、その水槽を、破壊した。
どうやって破壊したのかはおそらく本人でもわからない。
ただ「いらない」と少女が感じた瞬間、水槽は音をたてて破裂するように割れるのだ。
ケーブルで水槽に浮いていた少女は、そのまま人形のようにその場に倒れ、二度と起き上がることはなかった。
「つまんないの……」
少女はハッとしたように振り返ると、道の両脇に破壊された水槽と、その中で倒れている、少女と同じ姿をした人形たち。
そして、道の中央で、少女の方を向いてかしづく男性。
「ねえ、あなた知ってる?私は誰なの?」
少女の問いに、男性は用意されていた答えを述べる。
「全ての罪を食らいし、真なる悪魔。そしてその王となる存在」
「ふーん……」
少女は何か考え事をしながらかしづく男性に歩み寄る。
「あなた、《いらない》」
少女が呟いたその刹那、かしずいていた男性は、突然魂を抜かれたようにその場に倒れ込み、やがて黒い霧となって消えてしまった。
かつて《傲慢》ないしは《ルシファー》と呼ばれていた彼でさえ、真なる悪魔には到底及ばなかった。しかしそれが彼の望む全てであり、全てが彼の想定通りの結果となった。
少女は、自分が何者なのかおおよそ理解したようだった。
しかしその正体を知るものをついさっき《いらない》と言ってしまったがために、現段階では、少女の正体を知る者はいなくなってしまった。
ただひとつ、わかることがあるとすれば、少女の豊満な胸元には13という数字が刻まれ、青白い光を放っていることと、その少女は、緩いウェーブのかかった金髪をしているということだけだった。
この話はまだ終わらなさそうですね……




