6-3-B 悪魔祓いと死神
今日は、協会本部にある禁書庫に来ています。無駄に広く、紙と埃の匂いがするのですが、灯りが一切なく、持ってきていたランタン型の懐中電灯だけが頼みの綱でした。
ちなみに、残念ながら小次郎も一緒です。
しかし今回に限っては、小次郎に感謝をしなくてはいけません。なぜなら、今私がいる場所は禁書庫。読んで字の如く、禁止書物のある場所なのです。
そんなところに、祓魔力剥奪レベルの前科のある一介の構成員が入ることなどできないのですが、小次郎の人脈と、私のファンクラブのおかげで、こうして禁書庫で調べ物ができているわけです。
小次郎の煎れてくれたコーヒー、に角砂糖とミルクをたくさん入れた飲み物を飲みながら、持参したノートに調べてわかったことをまとめていきます。
今回私が調べたかったのは2つ。
死神という存在に関するより詳しいデータと、エクソシストとの関係性についてです。
なぜなら、死神という言葉を口にしたとたん、お偉いさんたちがあたふたし始めたからです。
それは、死神という存在を初めて認識したというよりも、存在をわかっていたうえで、その出現に驚いているというように感じたからです。
書庫で目当ての本を探すのは意外と簡単でした。
リュフワ家のメイド時代に培った技が、まさかこんなところで役に立つとは思ってもみませんでしたが、どうして高いところにばかり収納されているのでしょうか。非常に迷惑です。
ですが、手に入れた事実は、目を見張るものでした。
死神というのは、その仕事柄から自ら名乗っているだけで、本質は《魔法使い》に近いものだということと、そしてそれが、エクソシストにも当てはまるということです。
古来より、人ならざる力を持つ者は存在していました。
その者は、神より役職を授かり、それをまっとうする。
邪馬台国の女王《卑弥呼》
オルレアンの乙女《ジャンヌ・ダルク》
名を変え、姿を変え、いつの世にも存在していたそうです。
その中で《死神》という役職を授かったのが悠輝などを含む《死神連盟》
その中で《悪魔祓い》という役職を授かったのが私たち《悪魔祓い協会》
どちらも人が増えていくにつれて組織を作るようになり、今の形になったようです。
そしてわかったことは、もう一つ。
《神》の存在。
人ならざる力を持つ者に役職を与えるための存在。
さらにこの神は、現世に降りてきて、人々の感情や動向を見物しているのだとか。
頼んでもいないのに仕事をさせられて、後は見てるから頑張ってね。なんて、随分身勝手な神ですね。
協会のデータベースに《神》の可能性のある人物のリストがありました。どうやって調べたのでしょうか。こういうのを見ると、協会の恐ろしさが改めてわかります。
リストを眺めていくうちに、一つ、知った名前を見つけました。
《鳴神一茂》悠輝の数少ない友人の名前です。




