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エクソシストは死神の夢を見るかforZERO  作者: サトウイツキ
僕が見た夢、少女が見た世界
21/82

2-8 シュバリエ・ジェシカ・ド・リュフワ

今回は少し短いです

ライアンはおばさまを連れて離れを出て行った。

「俺にはまだやることがある」そう言って詳しい話は何もしてくれなかった。


離れにはジェシカとリュネット、それから厨房で様子を伺っていた使用人達が残されていた。


リュネットには、ついさっき起きたことがいまだに信じられないというふうに、ポカンとしていた。


ジェシカは、リュネットの方に行こうとしたのだが、足下にあった拳銃につまづき転んだ。

びしゃっ!という音がして、両手を宙に投げ出すように頭から床に倒れた。

「ううぅ…」と小さく唸りながら起き上がるジェシカを見ながら、リュネットは言った。


「今思ったんだけど、もしかして私が当主?」


「そう、かもね」


おでこをさすりながらジェシカは言う。


「じゃ、じゃあ、なにしてもいいんだよね?」


「なにしても、は、困ると思うけど、その辺どうなのかな?」


ジェシカは使用人達に言った。まだ状況を全部理解できていないうえに、突然話をふられたのであたふたする使用人達。

そのうち、ジェシカほどではないが小柄なメイドが出てきて、「痛いの以外なら、なんなりと」と言った。


真意は定かではないが、リュネットは愛されているんだなと感じた。


「えっと、じゃあ、まず最初に、ジェシカ!」


「私?」


「ジェシカは今日からうちの子よ!あ、でも、姓は今のままがいいわよね。じゃあ、名前の後ろに家名だけつけましょう!シュバリエ・ジェシカ・ド・リュフワって名乗るの!」


「シュバリエ・ジェシカ・ド・リュフワ…」


「いや?」


「ううん。ありがとう。大切にする」


そのときジェシカは笑っていた。

自分で抑えていたのもあり、感情をあまり表に出さないジェシカだったが、このときばかりは、そんなものどこかにいってしまっていて、自然にこぼれた笑顔だった。


リュネットはしばらくジェシカの笑顔に見とれていたが、「それからね、それからね!」と、新しいルールやイベントをまくしたてた。テンションが上がっていたせいなのか、もともとなのか、意味不明なものも少なからずあったので、内容については省かせてもらう。


とにかく、このときリュネットはリュフワ家の当主になった訳だし、これがきっかけでジェシカはエクソシストになったのだった。


しかし、運命の歯車は狂ったまま。いびつに動き続けているのだった。

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