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エクソシストは死神の夢を見るかforZERO  作者: サトウイツキ
出逢い
12/82

1-12 黒いスーツは突然に

「よお。同業者」


空から現れたその人は、黒いスーツを着た男の人で、金髪だった。スーツも着崩していて、全体的にチャラチャラしていた。

会社員、というよりは、ホストを思わせるような姿だった。

そして、右手に身の丈ほどある巨大な鎌を持っていた。


「まったく。めんどうばかりかけさせやがって」


ゆっくりと地面に着地すると、その辺に鎌を投げ捨てた。投げられた鎌は空中で燃えるように消えて無くなった。

ホストみたいなその人は、ジェシカさんを見て呆れたような顔をしたあと、


お姫様抱っこした。


唖然とする僕に「お前は自分で歩け」という視線を送って来たので、とりあえず立ち上がった。


その人が地面を強く踏むと、扉が現れ、開いた。その向こう側は真っ暗闇だった。


「来い」


色々聞きたい事はあるけど、今はこの人についていくしか無さそうだ。



◇◇◇



病院に呼び出されたのは、それから一週間以上後の事だった。


ぼくは、貧血で倒れて病院に搬送された。ということになっていた。

肩にあったはずの傷はきれいさっぱりなくなっていて、黒い物体も無かった。


ただの貧血なので、その日のうちに帰してもらえたが、この一週間気が気でなかった。


ジェシカさんやエクソシスト協会からの連絡は一切なかったし、中村さんも学校に来ていなかったからだ。

よくない想像が僕の頭をよぎる中、メールがあった。


「お話したいことがあります」


たったこれだけだったけど、すぐにわかった。


僕が貧血で運び込まれた病院に向かうと、あのときとは違うしっかりとスーツを着た、秘書風の女の人が今回の件について詳しく教えてくれた。最初から最後まで、およそすべてを。


本人と話がしたい。そう言った僕を女の人は病室に連れて行ってくれた。



◇◇◇



病室は個室で、奥に窓があった。

大きなベッドと、それに連結できるように設計されたテーブル。部屋の隅には小さなテレビが置かれた台があるだけの、殺風景な部屋だった。

ジェシカさんは、そこにいた。


「どこまで、聞いたんですか」


「たぶん全部」


ジェシカさんは髪を下ろしていた。無造作に散らばった白い髪は、シーツの白に溶けるようにして垂れていた。


「全部聞いた。でもちゃんと、ジェシカさんの口から説明してほしい」


気づけば言葉になっていた。本人の口から聞いたって、なにか変わる訳でもないのに。


「そうですね。きちんと私の口から説明します



最初から、あなたを利用してたんですよ。差滋悠輝さん」

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