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第16話「伝説のドラゴンスレイヤー(2)」

「なんで…………俺まで」

 どうしてこうなった感をたっぷり込めてハガネスはつぶやいた。

 酒場から逃げたあと、どさくさに紛れて出場受付をさせられてしまった。まずセツが受付を済ませ、次にノリノリのビビ、ルーファスは強引に、ハガネスは3人が登録を済ませたんだから次はおまえの番だぞ的に、気づけば出場決定。

 そして、当日参加組の受付が終了した。

 すぐに予選A組のバトルロイヤルがはじまる。当日参加組は予選D組と最終組のE組だ。その後、短い休憩を挟んで本戦がはじまる。当日参加組は、ほぼ連戦となるため、過酷な戦いが強いられることになる。

 大会の流れや傾向を見つつ、今後の対策を話し合うため、4人は観客席で話し合うことにした。

 席に座らされたハガネス。

「どうして俺まで……」

 とか言いつつも、なんだかんだで一緒にいる。もしかしたら、ルーファスと同じで、押しに弱いタイプなのかもしれない。

 予選がはじまると客席のボルテージが一気に上がった。

 歓声がまるで津波のように客席を呑み込む。

 会場にはいくつかの巨大スクリーンが設置されており、注目の戦いが映し出される。巨大スクリーンには、戦いのようすがさらに分割されて表示されており、人数が減ってくると分割数が少なくなって、最終的には大画面に1つの戦いが映し出されるようになる。

 バトルロイヤルの勝敗は獲得ポイントによって決まる。参加者は体の見える場所に配布されたシールを張り、それをほかの参加者から奪うことによって枚数がそのままポイント数になる。シールは張った本人が剥がす、もしくは気絶すると剥がせるようになっている。シールを失った者はその場で退場、一度剥がれたシールは二度と張り直すことはできない。

 予選がはじまった途端、何人かの出場者が集中的に狙われはじめた。優勝候補たちだ。バトルロイヤルでは、示し合わせたように強い者が寄って集って狙われる。

 それを知ったセツはハガネスに顔を向けた。

「予選ではあなたが狙われる集中して狙われる可能性が高いですね」

「…………」

 ハガネスは固い表情をしてなにも返さない。

 予選を見ているだけで青い顔をしているルーファス。

「無名選手の僕はあんまり狙われなくて済むかな(はじまってすぐにギブアップしよう。そのためにはまずセツから必死に逃げて、見えないところでシールを投げ捨てなきゃ)」

 ルーファスの敵は味方の中にいるらしい。

 身を乗り出してビビは観戦に熱を上げている。

「ねぇねぇ、A組に前大会の優勝者がいるんだって! しかもその人、3大会連続優勝してるらしいよ! オッズ低かったけど200ラウル賭けちゃった!!」

 ここでセツは冷静にツッコミ。

「あなた優勝する気ないでしょう?」

「ん、なんで? あたしヤル気満々だよー!」

「だったらなんで他人に賭けるんですか……はぁ」

 セツは溜息を落とした。

 ハッとしたビビ。

「そっか、あとで自分にも賭けてこよう!」

 ビビちゃん優勝する気も満々。

 ちなみに予選の賭は、単勝や複勝、連勝式など、幅広く扱っている。中でも的中困難なのが、組予選通過者計10名をポイント獲得数の多い順で当てる連勝単式である。

 ちなみに大会非公認の賭け屋[ブックメーカー]では、予選通過10名の連勝単式からさらに、獲得ポイント数まで当てるという独自の賭けも行っている。

 セツは優勝者当てのオッズを思い出していた。

「1番人気はオッズが低かったですが、それ以降の人気がバラけているようだったのはそのせいですか」

 優勝者は真っ先にバトルロイヤルで狙われる。本戦に出場できても、予選の総攻撃でだいぶ体力も消耗させられ、怪我も負ってしまうかも知れない。そのハンデがある条件で3大会連続優勝というのは、不動の1番人気というのもうなずける。それ以下の者は、予選の集中攻撃によって蹴落とされ、2位以降の順位の毎回大きく変動す要因になっている。そのために賭の予想も困難になる。

 賭けの予想は難しくなるが、参加者には優勝のチャンスが与えられる。うまくつぶし合ってくれれば、予選突破も夢ではない……かもしれない。

 でもルーファスは負ける気満々!

「(セツからも逃げなきゃいけないけど、ビビにもわざと負けるとこ見せたくないなぁ。二人から逃げるとなると至難の業だし、あとでバレてもマズイからうまくやらないと)」

 ひとりで作戦会議中だった。

 全員参加の会議も同時進行だ。セツが話している。

「予選は全員通過を目指します。本戦ではわたくしたち3人は最低でも1勝を勝ち取り、優勝候補と当たってしまった場合は、全力で相手の体力を削ること。そして、ハガネスさんの優勝確率を高めます。あくまでわたくし3人は、ハガネスさんの剣となり、盾となり、そして踏み台です。それが優勝への最善の方法だと思います」

「え~、アタシ優勝する気満々なんだけどー?」

 うん、ビビちゃんはそのままがんばればいいと思う!

 さらにセツが話を続ける。

「予選ではバラけるよりも、固まった方が有利だと思います」

「……げ」

 ルーファスが漏らした。いきなりセツから逃げる作戦が困難になりそうだ。

 まだセツの話は続いている。

「問題はハガネスさんともいっしょにいるべきかということで、ハガネスさんが集中して狙われた場合、わたくしたちもそれに巻き込まれる可能性があります。しかし、ハガネスさんがそれでも余裕のようであれば、わたくしたちのこともまとめて守ってもらい、逆に安全ということになります。どうですかハガネスさん、わたくしたちも守って戦えますか?」

「…………」

 ハガネスはなにも答えなかった。

 そこへビビが身を乗り出してきた。

「ちょ~強いんだからだいじょぶだよ! ドラゴンに比べたら人間の群れなんてアリの大群みたいなものだし、ひとりでやってくれるよ生ける伝説ハガネスは!」

 他人事なのに自信満々。

 ハガネスは否定も肯定もしなかった。無言なのは自信の表れか?

 ここでルーファスがボソッと。

「キングカリフンアントっていう全長3メティート(約3.6メートル)を越える世界最大のアリがいるけどね」

 そんなアリの大群はヤバイ。ルーファスにとって、戦わなきゃいけない参加者たちは、みんなヤバイ相手だ。実力者から見れば小物、ルーファスから見ればみんな大物。

 会場のモニターの分割数が減ってきている。ルーファスたちが話している間も、1人、また1人と敗者が退場していく。

 人数が減ってきても未だ集中攻撃を受けている者がいる。画面がその戦いを大きく映し出した。優勝候補1番人気の剣士だ。

 その姿を見たビビが唖然とした。

「銀行強盗……百歩譲ってプロレスラー」

 マスクが。

 ルーファスもはじめて知ったようだ。

「あれが前大会優勝者? 覆面戦士とは聞いてたけど(あのマスクはない。しかも、僕より貧弱そうな体付きなんだけど)」

 デスマスクを被った小柄な剣士。体系もごつい感じではなくスマートだ。しかし、強い。

 まずスピードが尋常ではない。敵の攻撃をかわしながら、一瞬にして敵の懐や背後に回り込む。そして自分よりも2倍以上ありそうな巨人を一撃で仕留めるパワー。

 あれがルーファスたちが倒すべきライバルだ。優勝する気ならば勝たねばならない。

「……ムリ」

 ルーファスがつぶいた。

 予選ですら勝つ気がなかったルーファスが、覆面剣士の戦いを見て完全にあきらめた。

 隣のビビは真面目な表情になっていた。覆面剣士の戦いを見て、浮ついた気持ちが引き締まったのだろうか。

「覆面で顔を隠してるのって……やっぱりブサイクだからなのかな?」

 ということを悩んでいるだけだった。

 ハガネスは覆面剣士の戦いから目を離さない。出場すれば優勝間違いないとウワサされる伝説の男も、覆面剣士の実力を無視できないと言ったところか。

 ――そして、A組予選が戦いの幕を閉じた。長い戦いを勝ち抜いた中には、もちろん優勝候補1番人気の覆面剣士がいた。


 自分たちが出場する最終予選E組の試合が近づくにつれて、ルーファスの体調が悪化してきた。

 じっといていられずルーファスは一人で出歩くことにした。

「うう……(おなか痛い)」

 もうすでにトイレには何回か駆け込んだ。

「うう……(胃も痛い)」

 常備している胃薬も飲んだ。

「うう……(逃げたい)」

 今はひとりだ。周りにセツもビビもいない。今なら逃げられる!

 ルーファス逃亡!

 別に正面ゲートから逃げても問題ないが、小心&罪悪感でコソコソ逃走。

 窓から外に出て、会場裏にある茂みに逃げ込む。

 茂みはそのまま森に繋がり、その敷地は自然公園になっている。

 人気のない森。

「ホゲェェェェェェ~~~」

 不気味な呻き声が響いてきた。

 ビクッとルーファスは体を凍らせた。

 自然公園に管理されてはいるが、自然と名がつくだけあって、自然な状態が保たれている。カワイイ小動物から、大型の獣まで、バリエーションも豊富だ。

 なにかいる!

 ルーファスの近くになにかいる!

 謎の呻き声を発する生物がいるのだ!

 ルーファスは逃げることもできる、その場から動けなくなってしまった。

 ガサガサッ、ガサガサッ!

 茂みが揺れた。

 なにが出てきた!

 幽鬼のような影が茂みから出てきた。

 ……目が合った。獣のような鋭い眼。どこか荒んだ瞳だ。

 ルーファスは唖然としながら口を開く。

「あ、こんにちは」

「…………」

 ハガネスだった。

 向かい合ったままハガネスは動かない。

「…………」

「…………」

 二人とも無言。

 ハガネスが口に手を当てた。

「ホゲェェェェェェ~~~」

 嗚呼、大地に還元されていく。

 あの謎の呻き声は、ハガネスは内容物をリターンしている音だったらしい。

「……あの、大丈夫ですか?」

「問題……うぇぇ、うげっ、ううっぷ」

 ぜんぜんダメそうだ。

 しかし、ハガネスは平静を装うとする。

「問題ない……少し……酒を飲み過ぎただけだ」

 ここにビビがいたら疑問に思うだろう。

 ハガネスはあの酒場からずっとルーファスたちに同行させられている。ここで独りになる前に……とも考えられるが、酒の臭いがまったくしない。

 あえて臭うとしたら【自主規制】のかほり。

 同族、同じ種類の者同士は互いを嗅ぎ分けることができる。

 ルーファスは察した。

「本番前になると体調崩すタイプですか?」

「…………」

 無言になるハガネス。

 もともと無口っぽい感じだが、この無言はいつもと違う。

「…………」

「…………」

 お互い無言。

 無口なドラゴンスレイヤー。そのキャラが崩壊を迎える。

「な、ななななな、なにを言ってるんだ、まるで俺がプレッシャーに弱いみたいな……そんなことはない、おまえも俺の伝説を知っているだろう!」

「ドラゴンをその身一つと剣だけで倒したって云われてますよね」

「そうだ、俺がひとたび背中の大剣を抜けば、大地が震え上がり地震が起こると云われている。ゆえに俺は〈地鳴りの大狼〉と謳われているんだ」

「本物の〈地鳴りの大狼〉ですよね?」

「……そうだ、そう呼ばれている」

「(あやしい)」

 湿度の高い生暖かい視線でルーファスはハガネスを見つめた。

 まさか目の前にいる〈地鳴りの大狼〉は偽物か?

「本当に本当の本物の〈地鳴りの大狼〉ですよね? ドラゴン倒したんですよね?」

「そう呼ばれて、そう語られている」

 なんだか微妙な言い回し。

 さらに追求する。

「ドラゴンは倒したんですよね? 語られてるとかそういうのじゃなくて、実際に戦って止めを刺したんですよね?」

「ドラゴンは倒し……」

 そこで言葉が詰まった。代わりにルーファスが言葉を紡ぐ。

「てないんですか?」

「…………」

「質問を変えます。まさか弱いんですか?」

「ば、ばか言え! 俺は断じて弱くはない、それは本当だ、信じてくれ、俺は弱くはないんだ本当に!」

 焦りすぎ。

 湿度がさらに高くなったじと~っとした視線で、ルーファスはハガネスを見つめた。

「背中の剣も飾りですか?」

「この剣は伝説の宝剣だ。抜けば天と地を割ると云われている」

「云われている?」

「……この剣が正真正銘の本物だというのは事実だ」

 ハガネスは微妙な言い回しこそするものの、ウソは言っていないように思える。

 ではいったい、ハガネスはなにを隠しているのか?

 今までの周りの話とハガネス本人の話を要約するとこうだ。

 〈地鳴りの大狼〉と呼ばれている。

 超巨大なドラゴンを1人で肉体と大剣のみで倒したと語れている。

 断じて弱くはない。

 背中の大剣は伝説の宝剣であり、抜けば天と地を割ると云われている。

 ちなみに名前はハガネス。

 全部、言葉に過ぎない。言葉だけでは事実と認められない。剣を抜いた姿も、戦っている姿も見てない。ルーファスが見たのは【自主規制】していた姿。

「本当のこと言ってくれませんか? もうすぐ予選はじまりますし、もしもウソをついているなら、全部バレますよ、観客全員に前で(予選前に逃げれば別だけど。あ、ここにいたってことは僕と同じで逃げる気だったんじゃ?)」

「あんたに俺の気持ちがわかるか、俺の苦しみがわかるもんか……」

 ハガネスは荒んだ眼をしてルーファスから顔を背けた。

「まさか逃げる気だったんじゃないですよね?」

「逃げる気ならこんなところで吐いてない」

「(逃げる気ならプレッシャーもないから吐かないってことか。そう言えば)大会に出るの渋ってましたよね? 出る気がなかったら、なんでここに来たんですか?」

「はじめは出場するつもりだったんだ……でも、いつもこうなんだ。周りに過度な期待をされて、絶対優勝なんて言われてる。そんな俺がもしも……」

 ハガネスは頭を抱えて地面にあぐらを掻いてしまった。

「やっぱり弱いんじゃ?」

「それは違う! 本当だ、腕には自信がある。厳しい修行もしてきた……地獄のような日々だった」

 そして、過去を思い出すように遠い目をして、ハガネスが語りはじめた。

「俺の両親は親父が伝説の戦士、母は伝説の武闘家だった。生まれたときから俺は過度の期待されていた。おれは両親や周りの期待に応えようと懸命に励んだ。親父と母の修業は本当に辛かった。それでも俺は堪え、強くなった。自分でいうのもなんだが、腕には本当に自信があるんだ。それでも周りの期待ってやつは、遥か先にあったんだ。あんたにわかるか、俺の気持ちが?」

「ちょっと違うかもしれないけど、私の父はそりゃもう優秀な魔導士で、今もこの国の防衛大臣をしてたりするんだけど、生まれてきた私は落ち零れで……がんばってるつもりだったんだけど、期待に応えられないって気づいたときからはもう……。うちの一族ってみんな赤系統の髪の色をしてるんだけど、私だけこんなんだし、どうせもう期待もなにもされてないだろうし……はぁ」

 どんよりとルーファスは重い空気を背負った。

 ハガネスがつぶやく。

「……そうか」

 二人とも重い空気で押しつぶされそうな顔をしている。

 そして、しばらくしてハガネスが再び口を開く。

「俺は逃げたんだ。期待を背負って生きていくのが嫌になって、親元からとにかく逃げ出した。独りで旅に出て各地を廻った。そんな旅の途中だった、俺があのドラゴンと出会ったのは。クラスで言えばマスタードラゴン、実力から言えば〈精霊竜〉クラスだった。だが、俺が会ったときには、もうろくも酷く、ゆえに破壊者となってしまったらしい。彼は言ったんだ『自分を殺してくれと』、自分がぼけていると自分でわかるうちに、これ以上ぼけてこの地を破壊する前に(お前のように力のある者を待っていたとも言われた)」

「じゃあドラゴンを倒したって言うのは本当だったんだ」

「止めを刺したのは事実でも、戦って勝ったわけじゃない(それでも我を忘れた彼に抵抗されて重傷を負ったが)。ドラゴンを仕留めたって部分だけに尾ヒレがついて、話が膨らんで、俺が伝説の両親を持つ素性が知られ、背中の宝剣のことも知られると、さらに話は膨れ上がっていった。そうなってくると、期待されるってレベルじゃない。神のように崇拝する者まで出てきて、俺は人前で剣を抜くことすらできなくなった。これまでいくつもの大会に足を運んだが、周りの期待を裏切ってしまうと思うと出場できなかった。優勝するだけじゃ期待を裏切る、大会で伝説のひとつもつくらなきゃ、期待には応えられないんだ」

 肩を落とすハガネス。

 いつになくルーファスは真剣な眼差しをしていた。

「期待を裏切ったらいけないんですか?」

「……なに?」

「ひとの期待を裏切るのは僕だってイヤですよ。でもそれでなにもできなくなったら意味ないですよ。僕もいつか父と和解して認めてもらいたいとは思ってますけど、自分なりにやってみてその結果を受け入れて、少しでも前に進んでいくことにしたんです(……その結果、ちょっと自堕落な感じなってるところもあるけど)」

 茂みからぴょこっと桃色のツインテールが飛び出してきた。

「あたし思うんだけど、別に負けちゃってもいいんじゃない? ハガネスに勝ったひとが次に伝説になるだけの話で、世の中なにも変わんないと思うけど。てゆか、覆面被ったらいいよ、顔隠して出場したらいいじゃん?」

 いきなり出てきたビビにルーファスとハガネスは唖然。

「いつからそこにいたの?」

 と、ルーファスが口をあんぐりさせながら尋ねた。

「ハガネスがゲロったあたりから」

 ゲロって、ゲロって今まで伏せられてたのに、アッサリ言いやがった!

 とりあえず、かなりはじめのほうからビビはいたらしい。

 ハガネスは重い腰を上げた。

「もう本名で登録してしまったから、今さら顔を隠したところでどうにもならない」

「今まで身なりを変えて偽名で大会に出場とか考えなかったの?」

 ビビの質問に度肝を抜かれたハガネス。

「か、考えもしなかった……!」

 コソッとビビがルーファスに耳打ちをする。

「このひとバカなの?」

「そんな質問されても困るよ」

 二人の姿をハガネスはほそ~い目で見ている。

「聞こえてるぞ」

「「えっ!?」」

 同時に驚くビビとルーファス。

 遠くからアナウンスが聞こえてくる。

《E組予選開始まであと5分です。参加者の方は早急に第1ゲート前にお集まりください。時間内に集合場所に現れなかった場合失格になります》

 ビビがルーファスの腕を引く。

「早く早く!」

「あ、うん」

 ルーファスは返事をしながらハガネスに顔を向けた。

 うなずぐハガネス。

「もう覚悟は決めた、あとは悔いが残らぬよう戦うのみだ」

 3人は集合場所に急いだ。

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