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第13話「パンツに願いを(4)」

 ベッドで目覚めたルーファス。

「はっ……ここは!?」

 ちょっと薬品臭い。

「保健室か」

 廊下で倒れたはずなのに、いつの間にか保健室のベッドで寝ていた。

「(だれか運んでくれたのかな。親切なひともいるんだなぁ)」

 その親切なひとはここにはいないらしい。

 保健室にはだれもいなかった。

 ベッドから起き上がって、辺りを見回して目に付いたのは、ホワイトボードだった。

 ――妖精を見つけに行ってきます。

 と、今日の予定に書かれていた。

「(保健室の先生まで……放課後で本当によかった)」

 もしも生徒が多くいる時間だったら、騒動はもっと大きくなっていた。

 その騒動の発端はルーファスだ。

「お腹痛い」

 責任感でお腹が痛くなってきた。

「(もうちょっとベッド寝てようかな)」

 責任放棄!

 ルーファスがベッドで横になっていると、物音が聞こえてきた。

 ドドドドドドド!

 ドーン!

 ドガガガ!

 ピロロロロ!

 ズドン!

 きっとどこかで派手な追いかけっこが展開されているのだろう。

 そんなことには構わず、寝続けようとするルーファス。

 ドッカーン!

 爆発音と共に部屋が揺れ、ベッドが跳ね上がった。

「な、なに!?」

 驚くルーファス。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!

 天井が崩れ落ちてきた。

 砂煙が舞い上がり視界を覆う。

「ホワイトブレス!」

 猛吹雪が崩れた天井辺や砂煙を呑み込んだ。

「な、なんなのあのバカ女!」

 叫び声が聞こえた。ララの声だ。

 上の階から落ちてきたララを追ってカーシャが姿を見せた。

 そして、ルーファスはベッドの下に姿を消した。

 遣りたい放題のカーシャからララは必死に逃げているらしい。

 そして、ルーファスもカーシャから逃げた。

 ベッドの下に身を潜めてカーシャに気づかれないようにする。ここで顔を合わせたら、渦中に巻き込まれるのは間違いないのだ。

 保健室を飛び出して逃げるララ。

 その背中にまたもカーシャが魔法をぶっ放す。

「ホワイトブレス!」

 保健室もろとも一瞬して凍り付く。

 だが、ララには逃げられてしまった。

「チッ」

 カーシャは舌打ちして保健室を出て行った。

 ベッドの下から身を震わせて這い出してきたルーファス。

「ハックション!」

 鼻水ブー。

 いろんな意味でルーファスは震えが止まらなかった。

「やりすぎなんだよ……カーシャは」

 保健室が氷河期になってしまったせいで、ここにはいられなくなってしまった。

 仕方がなくルーファスも保健室から出た。

 ルーファスはどっと溜息を落とした。

「はぁ……(早くだれか願い事叶えて終わってくれないかな)」

 このままずっと追いかけっこが続くと思うとゾッとする。

「(もう帰っちゃおうかな)」

 追試はとっくにあきらめたので、そのほうがいいかもしれない。

 でも気がかりなのは……。

「(どんな契約だったのかな?)」

 ファウストと交わしてしまった悪魔の契約。

「(先生は悪魔じゃないから魂を要求してくることはないと思うけど)」

 悪魔の契約のことを考えると憂鬱になる。

「(やっぱり妖精探ししようかな)」

 優柔不断なルーファス。

 でも足は校舎の外へと向かっていた。

 中庭が見通せる廊下を通ったとき、ルーファスの足がふと止まった。

 なにやら騒がしい。

 中庭に群がる生徒たち。

 追いかけっこをしている雰囲気じゃないが、いったいなんの集まりだろうか?

 気になったルーファスは中庭に足を運んだ。

 人混みを掻き分けてその中心に向かう。

 声が飛び交う。

「押すなよ!」

「触った奴はさっさとどっか行けよ」

「やった、これで1人目のお尻触れた!」

 生徒たちが群がっていたのはリリだった。

 なんとリリは亀甲縛りにされて身動きを封じられ、さらに白目を剥いて、ついにで泡まで吐いて気絶していたのだ。

 今がチャンスと生徒たちはリリに群がり、ペタペタ、もしくはペシペシとお尻に触っていく。すっかりリリのお尻はお猿のように真っ赤になっている。

 とりあえずルーファスも人混みを掻き分けて、リリのお尻に触ることにした。

 赤いふんどしでキュッと締められた小振りなお尻に触れる。ちょっとひんやりして気持ちいい。そして、ちょっと硬い。

 止まっていた鼻血がツーっと出た。

 慌ててルーファスは鼻を押さえてその場から離れた。

 べつに男のケツを触って欲情したわけじゃない。

 そう、ルーファスは二人のお尻の感触を思い出してしまったのだ。

 ビビのお尻は小柄な身体の割には大きくて揉みごたえがあった。

 ユーリのお尻は小振りだったがとても柔らかかった。

「って、なに思い出してるんだよ!」

 セルフツッコミ。

 ルーファスは煩悩を消し去るため、今見たばかりの赤ふんのケツを懸命に思い出した。

「うう……なんか気分悪くなってきた」

 なにが楽しくて男が男のケツなんか妄想しなきゃいけないんだ!

 でも、そのおかげでルーファスの鼻血は止まった。

 青ざめた顔をしてルーファスは廊下に戻った。

 とりあえずラッキーにも、なんの努力も苦労もせずにリリの尻をゲットできた。

「(それでにしてもだれが縛り上げたんだろう?)」

 しかも、早い者勝ちの勝負なのに、みんなの目の触れる場所にリリを残していくなんて?

「(犯人は抜けてるひとか!)」

 間抜けのルーファスに抜けてるとか言われたおしまいだ。

 なんにしても、これで残すはララのお尻だけだ。

 ララの姿はさっき見たばかりだ。必死こいてカーシャから逃げていた。

 安易にリリのお尻に触ることができるようになったことで、追跡者たちの標的はララの集中するだろう。ここからが激戦だ。

「(やっぱり帰ろうかな)」

 戦う前に心が折れそうなルーファス。

「(でもあと半分なんだから、ラッキーでどうにか……ラッキーか)」

 ラッキーはラッキーでも、いつもルーファスはアンラッキーだ。

 ユーリがトボトボと肩を落として歩いてくる。

「どうしたのユーリ?」

「はぁ。カーシャさんには殺されかけるし、妖精は見失っちゃうし(ホントなんなのあのバカ女教師は)」

 ホント困ったもんですカーシャには。

 あれだけ派手な追いかけっこをしていれば、すぐに見つかりそうなものだが?

 今度はビビが駆け寄ってきた。

「ルーちゃん!」

 ビビの姿を見たユーリはちょっぴり頬を桜色にした。

「(ビビちゃん今日も可愛いなぁ、むふふ)」

 女の子の格好をしていて、女の子になりたいと願っているのに、じつはユーリちゃんソッチ系なのです。詳しくはマ界少年ユーリを読んでね!

 ビビはユーリの顔を覗き込んだ。

「え~っと、ユーリちゃんだっけ? こんにちわ!」

「アタシの名前ちゃんと覚えてくれたんですね、嬉しいです!(カーシャさんに頼んだ惚れ薬早くできないかなぁ、むふふ)」

 惚れ薬の話はマ界少年ユーリを読んでね!!

 ビビはルーファスに顔を向けた。

「あと女の子のお尻を触るだけでいいのに、見つからないんだけどルーちゃん知ってる?」

「保健室でカーシャに追いかけられてるの見たけど、そのあとはさっぱり」

 二人の間にユーリが割り込んできた。

「ビビちゃんはどんなお願い事をするんですか!」

 興味津々。

「え……それは、うん、ちょっとしたお願いだよ。ユーリちゃんは?」

「えっ……そ、それは(女の子になりたいなんて口が避けても言えない)か、彼氏ができますように、みたいな!」

「ユーリちゃん彼氏いないの?(あたしもいないけど)」

「ちょっと前までいたんですけど(思い出すだけでも腹立つ。あいつのせいで地元にいられなくなったんだし、マジムカツク)」

 く・わ・し・く・は、マ界少年ユーリを読め!(宣伝しつこすぎ)

 ブフォォォォォォォォン!

 廊下の角から噴き出してきた猛吹雪。

 これは!?

 いっしょに廊下の角から飛び出してきたララの姿!

 すぐ近くにいた男子生徒がララの飛び掛かろうとした。

「見つけた!」

 ほかの生徒たちも一斉にララに飛び掛かった。

 前からは生徒の群れ、後ろからはカーシャに追い詰められ、ララは冷や汗を流した。

「バカ雪女いつまで追ってくる気! リリは捕まっちゃったみたいだし、ウチが逃げ切らないと……」

 ほかの生徒たちに負けじとビビもララに飛び掛かっていた。

 ルーファスはおどおどして踏み切れず、その場から動けない。

 遅れてユーリもララに飛び掛かろうとしたが、嫌な感じがしてすぐに立ち止まった。

 ララの周りにマナフレアが集まっている。魔法を使うつもりだ!

 生徒たちをなぎ倒してビビがいちごパンツに手を伸ばした。

「これで願いが!(ルーちゃんの目を治して!)」

 あと少しでビビの手がいちごパンツに触れる瞬間、ララがニヤリと笑ったのだ。

 ユーリが叫ぶ。

「ビビちゃん逃げて!」

「えっ?」

 目を丸くしたビビ。

 だが、もう遅かった。

 ララが魔法を発動させる。

「デパンツ!」

 ララの手から放たれた謎の光を浴びたビビと生徒たちに異変が!

 パサっ、パサパサっと、床に落ちる大量のいちごパンツ。

 な、なんと光を浴びたビビや生徒たちがパンツに変えられてしまったのだ!

 さらにパンツに変えられても、意識は残っているらしく、しかもしゃべれちゃたtりもするらしい。

「うわっ、あたしパンツになっちゃった!?」

 ビビの声だ。

 みんな同じいちごパンツなので、声でだれなのか判断するしかない。

 ユーリはすぐにパンツビビを拾い上げた。

「ビビちゃんがパンツに変えられてしまうなんて……心配しないでください!」

「早く元に戻してよぉ!」

「アタシが大事にはいてあげますから!!」

 はくんかい!

 しかも、ユーリちゃん生えてますけど大丈夫ですか?

 カーシャの身体を包む冷気。

「あの妖精め好き勝手やりおって!」

 それはあんたでしょうが。

 魔法を唱えようとしていたカーシャの前に立ちはだかるファウスト。

「探しましたよカーシャ先生!」

 探す相手が変わってるし。

 またこの二人は派手にやるつもりだ。

 激突しようとしたカーシャとファウストの間に漆黒の翼が壁をつくった。

「おいたが過ぎるわ二人とも。これ以上、我が君の城を壊すことは万死に値する!」

 二人の間に割って入ったのは、学院長クロウリーの忠実なるエセルドレーダだった。

 エセルドレーダの鞭がしなった。

 この隙にララは逃げようとしていた。

「バカなヤツら」

 吐き捨ててララは廊下の角に消えてしまった。

 ユーリがパンツビビを頭に被ってルーファスに顔を向けた。

「なにぼさっとしてるんですか、追わないとビビちゃんも助けられませんよ!(そしてアタシの願いも叶えなきゃ!)」

 ララを追ってユーリが駆け出した。

 遅れてルーファスもユーリとララを追った。

 廊下に点々と落ちているいちごパンツ。ララが行く先々で生徒をパンツに変えているのだ。

 落ちているパンツを目印にララを追い続け、ようやく前方に浮かぶ影が見えてきた。

 ユーリが叫ぶ。

「待ちなさいパンチラ女! ビビちゃんを元に戻して!」

「元に戻して欲しいなら、ウチのお尻触って願えば~?」

「願い事とビビちゃんを元に戻すことは別問題です!」

 キッパリと言い切った!

 ちょっぴりショックなビビちゃん。

「別問題って……あたしがパンツのままでもいいの!?」

「よくはないですけど、万が一の戻らなくても大事にはいてあげますから!」

「はいてくれなくていいから、ルーちゃんもどうにかし……て……」

 ビビの声がか細く力を失っていく。

「どうしたのビビ!?」

 ルーファスが叫んだ。

「意識が……ぼーっと……」

 さらにビビの声が力を失っている。

 ララが笑った。

「きゃはは、デパンツでパンツに変えられたヤツは、ほっとくとホントのただのパンツになっちゃうんだもんね!」

 しゃべれないパンツはただのパンツだ!

 このままではビビはただのパンツになってしまう。人生最後がパンツになって終わりなんて酷すぎる。さらにその後、変質者の手に渡ったりなんかしたら、はかれたり、臭いを嗅がれちゃったりするのだ。

 恐ろしすぎる!!

 ルーファスの頭に過ぎった考え。

「(あっちの妖精はふんどしに変える魔法を使えるのかな。そんなの恐ろし過ぎる!)」

 たしかに恐ろしいが、今はそんなことを考えている場合じゃない。

 ユーリは迷っていた。

「(本物の女の子になりたいけど、パンツのビビちゃんじゃ可愛さ半減以下。大好きなビビちゃんのためなら仕方ない!)」

 なにを思ったのかユーリがルーファスを担いだ。

 この体勢は!?

 ルーファスミサイル発射!

「やっぱり~!」

 投げられたルーファスが叫んだ。

 本日2度目の発射だった。

 ユーリが叫ぶ。

「そのまま妖精のお尻を触って!」

 ぐんぐん加速するルーファスはララに向かって手を伸ばした。

「デパンツ!」

 ララから光が放たれた。

 パサッとパンツが床に落ちた。

「ぎゃああああ僕までパンツに!!」

 パンツにされてしまったルーファス。

 ユーリは冷めた目で見ていた。

「まあ、期待はしてませんでしたけど」

 ちょっとくらいは期待してあげてください。

 ララは余裕だ。

「じゃあね~」

 悠々と逃げていくララの後ろ姿をユーリは終えなかった。

「(迂闊に近付けばアタシまでパンツに。アタシまでパンツになったら。だれがビビちゃんをはいてあげるの!)」

 ちょっと問題がズレている。

 しかし、変質者にパンツが渡ってしまったらと考えると、だれがパンツを所有するかは大事な問題だ。

 ただ、ユーリちゃんは生えてますけど!!

 ユーリがララを追って走り出した。

「ビビちゃん、今戻してあげますから!(誰かに先を越されて願い事されたら、アタシがなんとしてもお願いしなきゃ!)」

 走るユーリの足下にパンツルーファスが落ちている。

 ベチョ。

「うぎゃ!」

 踏まれるのはお約束です。

 踏まれたパンツルーファスは、ユーリの靴に絡まって引きずられる。

「ぎゃあああ!」

「なに? あっ、なんでアタシの足にくっついてるんですか変態ですか!」

「ユーリが踏んづけたんじゃないか!」

「早く離れてくださいよ、痴漢で訴えますよ!」

「だからユーリが……(訴えたいのは僕のほうだよ)」

 そうこうしているうちに、ララの姿が見えてきた。

 悲鳴が次々とをあがっている。

 生徒たちが次々とパンツに変えられているのだ。

 ユーリは素早く靴を脱いで投げた!

 もちろんパンツルーファスごと。

「ぎゃあああ!」

 ルーファスの叫び声でララが飛んでくる靴に気づいた。

 そして振り向いた瞬間、ゴン!

 ララの顔面に靴がヒットした。

「マジいった~い! くっさいクツ投げたのだれ!」

「臭くないから!」

 すぐにユーリは否定した。

 ララの周りにマナフレアが集まる。

「クツのお返しに、あんたは男物ブリーフに変えてやるんだから!」

「そ、そんな恐ろしいことしたら訴えてやる!」

「デパンっあぅ!」

 急にララが変な声をあげた。

 ぷにぷに♪

「きゃっ!」

 小さく悲鳴をあげたララは慌てて自分のお尻を見た。

 そこにはなんと可愛らしい手がぷにぷにとしているではないか!?

「これで願い事叶えてくれるんだよね?(ふにふに)」

 その空色のドレスを確認してユーリが叫ぶ。

「愛しのローゼンクロイツ様!」

 なんと最後の最後で突如現れたローゼンクロイツ。

 ララは驚きを隠せない。

「まさかウチらケツタッチンが負けるなんて、1000年以上無敗だったのに!」

「ボクの願いは――」

「願いなんか叶えてやるもんか。死んじゃえば無効だもんね!」

 ララが殺気を放った瞬間、ローゼンクロイツの瞳に五芒星[ペンタグラム]が浮かび上がった。

「ライトチェーン!(ふにふに)」

 ローゼンクロイツが放った光の鎖がララを拘束する。

「きゃっ、離しなさいよばーか!」

 瞬時に縛られたララ――その縛り方は亀甲縛り!

 まさか!?

「七味唐辛子を切らしちゃったから買って来て(ふあふあ)」

 すごいマイペース。

 流れとか、周りのテンションとか無視して、願い事をさらっと言ったローゼンクロイツ。

 ララは唖然とした。

「どんな願い事でも叶うのに七味って……しかも買って来いってパシリ!? まあルールはルールだから、ゲームはあんたの勝ち。買って来てあげるからこの鎖解いて」

 顔を膨らませているララ。この結果に納得してないらしい。

 ユーリはショックを受けていた。

「まさかこれでビビちゃんは元に戻らない……」

 と言った瞬間、ユーリの頭にビビのお尻が落ちてきた。

「ふぎゃ!」

 ビビに押しつぶされたユーリが呻いた。

 廊下の向こうではルーファスも元の姿に戻っていた。

「あれっ、戻れたの? よかったぁ」

 ほっとするルーファスにララが顔を向けた。

「ゲームが終わったら元に戻るに決まってるでしょ、ばか」

 決まってるとか知りませんから!

 ララは七味唐辛子をローゼンクロイツに渡した。

「はい、これでいいんでしょ」

「仕事が早いね(ふにふに)」

 一瞬にして買って来たらしい。さすがどんな願いでも叶えると豪語してるだけのことはある。

 ララがあっかんべーをした。

「じゃあね、バイバイ死んじまえ!」

 こうしてララはパッと消えてしまった。

 大騒動も一件落着して、学院も静かになるだろう。

 だが!

 ジャラジャラと鳴る音が近付いてくる。

「ルーファス!」

「は、はい!」

 慌てて返事をしたルーファスの先にはファウストが立っていた。

「どうやら使役に失敗したようだな」

「あっ、そういえば試験の最中だった!?」

「追試不合格だ!」

 が~ん。

 ルーファスショック!

 見事、追試に不合格になったルーファスの顔に、ペタリと悪魔の契約書が張り付いた。

 悪魔の契約書によって、ルーファスはどーなってしまうのかッ!

 それはまた別のお話である。


 パンツに願いを おしまい

カーシャさん日記

「パンツの精」997/10/04(シルフ)

アホの子ファウストめ!

いつもいつも邪魔をしおって、アホ!

あと一歩で世界征服ができるとこだったのに。

腹が立ったのでルーファスの家に忍び込み、奴のパンツ全部に穴を開けてやった。

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