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4時限目 数学


 珍しく暇人は暇人じゃなくなった。



 

 

 授業中のことである。

 私は最強の睡魔と戦いながら、落ちそうになる頭を必死に支えていた。


(くうっ・・・・・・ヤバイ。ヤバイヤバイやば・・・・・・)


 はっ


 一瞬、意識が飛んでいた。頭を横に振ると、眠気が少し遠退いた気がする。

 あー、ヤバイ。睡魔 強すぎるだろ・・・・・・。誰か退治てくれ。頼むから、退治てくれ。私のノートがミミズののたくったような字で埋まる前に。


「――――――と、いうわけで、ユークリッドの互除法は使えるから。ちゃんと覚えておいてね~。はい、じゃあ次行こう。あ、これ消していい?」


 まー!まーまーまーまーちょ、待て、頼む、待て、待って~っ!!


 悲痛な(心の中の)叫びはアッサリ(当たり前だが)無視され、黒板の白い文字が消えていく。


 動け、私の右手!大丈夫、やれば出来る。間に合う。間に合う!睡魔よこんな時にまで出てくんなっ!頑張れ私!間に・・・・・・・・・間に合ったぁ!!


 ふぅ・・・。私は息を吐いた。なんとか全部写せた。睡魔もどこかに行ったようだ。良かった。助かった。


「じゃあ、応用だねー。教科書のー、えー、56ページ。あ、間違えた。54ページ!開いてね~。」


 ・・・・・・・・・ぐぅ、ツラい。睡魔が、また、来やがっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハッ。


 気付けば、黒板の半分以上を文字が埋め尽くしている。なっ・・・もう、こんなところまで進んでいたとは・・・・・・。不覚!


 と、そんなことを思いながら、私はシャーペンを握り直し、椅子に座り直し、頭を振って、ノートに向き直った。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐぅ。――――ハッ。


 あぁあ、銃声の一発でも響いたら、目も覚めようというのに。しかし、そんな妄想をしている暇もない。


 数学は授業スピードが速い。そして、嫌いだから眠気がヤバイ。


 妄想してると黒板の文字が消され、授業を聞いてると睡魔に襲われ、睡魔に襲われると妄想も出来ない。


 あぁ・・・・・・頭痛くなってきた。


 妄想するか寝るか、どちらかしたい。



 ――――――『授業を真面目に受ける』という選択肢は、元から持ち合わせていない、私であった。

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