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ハイパーファンタジア。

作者: ロミ
掲載日:2026/10/22

エッセイ?

 


「この子には虫(妖怪)がついとる、でも今だけだよ」


 遠い遠い古い記憶。


 今は亡き母方の祖母の言葉。


 それから私は自由になった。




 ◇◇◇




 私は田舎の過疎地域に生まれた。


 近くに幼稚園がなく、通わせれない事を危惧した両親が、県営アパートに引っ越したのが、私が4歳のころ。妹は3歳。


 ギリギリの生活をしたいた両親は、父が仕事から帰ってきた土曜の夜から、車で1時間かけて田舎に帰省。

 ご飯をいただき、一泊。

 日曜の夜に帰る時には、野菜と卵、祖父の家で作った食事をタッパーに積めて帰っていた。





「部屋が静かだね、ミヨはどこいった?見てない?」


「ああ~。ミヨはいつもの場所だよ」


 祖母の家の勝手口の壁は、群青色(やや紫を帯びた深い青色)の砂壁。


 私はそこにへばり付いている。


「また食べてる。やめなさいミヨ。壁は食べ物じゃないよ」

 母は、私の腕を引っ張るが、私は壁を食べるのを止めない。


「この子には虫がついている、今だけだよ。食べる壁がなくなったら食べなくなるさ」

 祖母の一言で、母は私のすきにさせた。


 私は、祖母の家に行くたびに、砂壁を食べていた。

 下の歯をたてて、下から上に削り取るように砂壁を食べる。

 深く掘り過ぎると、茶色い土壁になる。土壁は美味しくない。

 下の方の砂壁は、汚くて食べたくない。


 自分が立った状態で口がとどく範囲の砂壁を食べる。


 いつしか祖母の勝手口の砂壁は、横に帯のように削られた。


 そのうち食べる壁がなくなった。

 私がそう思った時、私は一切壁を食べなくなった。


 これは、私の古い記憶。


 確かに幼い時の私の記憶。

 でも、祖母の家の砂壁に削られた跡はない。


 食べた感触も、味も、匂いも、唇が邪魔で食べにくいかった事も、確かに私の記憶なのに現実は違う。


 こんな記憶が、私の中にはいくつもある。


 大人になった今も…不確かな記憶が増えている。







 ーーーーーーーーーーーーーーーー






 みなさん、並行世界という言葉を知っていますか?


 辞書では『現実の世界と次元が異なる、並んで存在する別の世界』と説明されています。

『パラレルワールド』『平行世界』とも呼ばれるそうです。


 大人になった私は、私の中になる不確かな記憶は、脳が作り出す並列世界だと考えるようになりました。


 私の記憶では実際にやったのに、やった事実がない。大人になっても不確かな記憶は続いている。


 祖母は、「この子には虫がついてる、今だけだよ」と言ったけど、今だけじゃなかったみたい、おばあちゃん。




 ◇◇◇






 妹が1年生になる年に、県営アパートから田舎へ引っ越した我が家は、祖母の家から歩いて5分のところに家を建てた。土地は祖母の土地。家は35年ローン、施工は大工の叔父さん。


 小学校は近い、2年生の3学期に転校した私は、馴染めた。問題なく馴染めた。

 以前通っていた小学校は1年生8クラス。かたや田舎は1クラス男女合わせて20人。全校生徒で100人くらい。転校してから小学校卒業までクラス替えなし。みんな、穏やかで、小さな事は気にしない人達だった。


 だから、気づかなかった。私が少し変わった子だと思われていたことに。



 中学生になった。中学校は4つの小学校が一つになり、1学年6クラスへ。

 別に学校は嫌じゃない。楽しい。友達もできた。


 でも、友達と時々話が合わない時がある。

 意見の食い違いじゃない。記憶が違うのだ。


 数日前、友達は、好きだった人と付き合えたと喜んでいた。

 でも、実際は、まだ告白していなかった。


 中学校で飼っていた兎は数日前に死んでいた。

 でも、実際は死んだはずの兎は生きていた。


 友達と話がかみ合わない。

「こめん、勘違いした」で、何度もごまかしたが、でも、どうもおかしい。


 小さいころ妹とよく喧嘩した。

 以前、妹は私のポテトチップスを全部食べた。だからお返しに、妹のポッキーを食べた。

 そしたら、妹は私のポテトチップスを食べていないと言う。

 妹との喧嘩はそういう喧嘩が多い。妹と私の記憶が違う。


 母が毎朝、中学校に登校する私に言うセリフ。

「ミヨはミヨ。他の人は他の人。いってらっしゃい」にこやかに手を振る母。

 母は、私が少し人と違うことに気づいていた?。






 ーーーーーーーーーーーーーーー







 さて、その後も、他の人と記憶の差異はあるが、私は問題なく生活して大人になりました。


 記憶は記憶。現実は現実。

 自分の中で折り合いをつけ、うまく立ち回り、他の人が不快にならなければいいのです。


 私が長年記憶と向き合い、出した結論が『並列世界』。

 自分でもぶっ飛んでる発想だと思う。


 でも、『虫がついてる』よりはあり得るのかな?。

 辞書では『並列世界』は検索できたが、『虫がついている』は検索できなかった。

 辞書に載るほど、並列世界が社会に浸透してる言葉なら、現実にあってもおかしくない。


 子供の頃だけならよかったが、大人になっても記憶の差異、続いているのです。

 少しパワーアップして。




 その前に祖母の話を少し。






 ◇◇◇






「中学校で何かあった?、ミヨ元気がないね」


「何もない」

 祖母は、私の顔をじっと見た。


「○○したとやろ、女の子なのに恥ずかしい。注意しなくちゃ」


「え!?なんで知ってるの」

 ○○は、今日起こったことで、生徒は知ってるけど、両親、祖母も知らないはず。妹はまだ小学生。

 こんな田舎に情報が飛んでくるはずない。学校から連絡?そんなしょうもない事で学校はわざわざ連絡しないだろう。


「なんとなく、そう思ったんだよ」


「・・・・慰めてもいいじゃない」


「慰めても、戻れないでしょ。同じ事をしないようにするんだね」


 祖母は、勘の鋭い人だった。とてもとても勘が鋭い人。

 家族も、近所でもそれが共通認識で、疑問に思ったことはなかった。


 祖母が「その子は虫がついてる。今だけだよ」

 と言えば、母はすぐに納得したし、壁を食べてる私を見ても何も言わなくなったほど。







 ーーーーーーーーーーーーー






 さて、○○してしまった私の記憶。

 祖母がとてもとても勘が鋭い記憶。


 本当に本当に現実で起きた記憶なのか?


 私は、現実だと思っている。


 その時の恥ずかしさも、申し訳なさも、学校行きたくなくて泣いて泣いて泣きまくた記憶も。

 布団の中で時間よ戻れ、事前にこんな事をしでかすとわかっていれば…。と何度思ったことか。

 次の日、頑張って学校行って、友達が何もなかったように接してくれた事も。

 とても感謝した事も。


 すべて覚えている。


 同級生に「中学の時、私○○したよね」と聞けは、記憶が本物かはっきりだろう。

 でも、恥ずかしい。もうなかったことにしたい。

 聞けない、いや聞かない。聞きたくない。同級生に思い出して欲しくない。


 まあ、昔の記憶なんて曖昧でもなんとかなるのさ、今、生活できているから大丈夫。

 これが大人の余裕。子供の時も特に悩んでなかったが…。




 大人になり、記憶に対して少しわかった事がある。


 並列世界は少しだけ違うのだ。現実と。

 私の知り合いは変わらない、家族も友達も一緒。

 でも、家の中の家具の配置が微妙に違う。道の角はスーパーだったはずなのにダイソーになってたり、

 真っ直ぐな道のはずなのに、ちょっとカーブがかかったたり、仕事場の同僚が増えてたり。


 だから、『並列世界』なのではないかと考えた。


 並列世界と現実世界の記憶を区別するために、私は家具の配置を変えない。住んでいる場所も変えない。職場も変えない。現実の環境(記憶)をできるだけ変えない。


 変えてしまうと、今の自分の記憶が現実なのか、疑わしくなるから。ちょっと不便。







 ◇◇◇





 不確かな記憶を持ったまま人と接する時はどうするのか?気になりますか?


【具体例1】


 この前、こんな事があった。


 同期と一緒に夕ご飯を食べに行くことになり、同期の車に乗せてもらうことになった。


「車変えたんだね、前は赤のホンダのフィットじゃなかったっけ、いいねこの車も」


「?。ずっと黒のアクアだよ。誰かの車と間違えてない?」


「そうだったかな、はははは」

 笑ってごまかした。




【具体例2】


 前月は、こんな事があった。


 以前、お土産をもらった知り合いと久しぶりに会う。


「この前は、ありがとうございました」

 にこやかに。相手の目を見て。何に対してのありがとうかは言わない。


「ああ~。あれ美味しかった?人気の土産だったんだ」


 この記憶は現実か~。


「うん、美味しかったよ。抹茶が一番美味しかった」


 みたいな感じだ。

 基本、私は聞き役に徹する。墓穴は掘りたくない。


 これが大人の世渡り上手さ。






 ーーーーーーーーーーーーーー





 ちょっと脱線してしまったが、

 パワーアップした記憶の話と、とてもとても勘の鋭い祖母の話。



 信じてもらえないかもしれないが、私は予知夢を見たことがある2回ほど。


 一回目は、就職するために上京する1か月前、不安で不安でしかたなく、眠りが浅くなっていた時。

 夢には、上京して関わるであろう人達と楽しく会話している情景と、男の人の名前が書いてある携帯が映し出された。その時の悲しい感情も一緒に。


 今までの記憶とは違う感覚。

 未来だと思った。


 上京して実際に合ってビックリした。

 予知しちゃったよ…と、

 携帯に名前が書いてあった男性とは付き合った。でも別れた。悲しい感情がこれだったのかと思った。


 2回目は、職場の上司と喧嘩した予知夢。

 私は感情を荒げる方じゃないが、夢の中で喧嘩していた。

 夢を見る前、先輩との仕事の考え方の違いで悩んでいて、浅い眠りだった。

 夢を見た時、今までの記憶とは違う。

 未来だとわかった。

 予知夢を見た後、喧嘩したくなかったので、喧嘩した場所へは極力近づかなかった。

 上司は1年後に寿退社でいなくなった。喧嘩はしなかった。


 どちらも、感情が揺さぶられて不安定な時、記憶が過去に飛んだらしい。


 信じられない~と思った、そこのあなた。

 並行世界を生きていると本気で思っている私は、脳は何でもありだと思っている。


 これが、パワーアップした記憶と、祖母の遺伝がなしうる技。




 次に、なぜ私が並列世界と予知夢を、信じているのか解説しよう。






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー







 題名にあるハイパーファンタジア。


 目を閉じてリンゴを思い浮かべた時、本物を見ている時みたいにはっきり想像できる。

 これがハイパーファンタジア


 世の中には、まったく映像が何も見えない人(アファンタジア)もいる。曖昧に見える人もいる。はっきり見える人(ハイパーファンタジア)もいる。

 でも、すべての人が大抵自分は普通だと思っている。


 これは脳の研究で明らかになった事実。


 これは最近YouTubeから得た情報。

 YouTubeにはコメント欄があるので読んでみた。


 見える、見えなのコメント欄に、違うコメントがちらほら。


 昔の思い出がカラーでよみがえる。幻覚のように風に吹かれて草木が揺れるとこまで見える。

 頭の中に鮮明な映像が見えすぎて目の前の景色が全く認識できなくなる。

 カメラの映像が頭の中で動く。匂いや味もついてくる。


 コメント欄を読んで、いろんな脳があるんだな~、私の感想。



 梅干しを想像しただけで唾液が出る。


『梅干しを想像して下さい』












 唾液が出ましたか?舌がもぞもぞ動きましたか?


 唾液が出た皆さん。

 舌がもぞもぞした皆さん。


 すでに、思い浮かべて体験している。


 そう、思い浮かべて体験している。大切なので2回言いました。


 想像は体験できる。記憶は体験した事。


 私の脳は、並行世界で体験した事を、現実世界に置き換えて脳の記憶倉庫に収納しているのではないか。




 他のYouTubeも見て見た。


 閃きに関する事。


 脳は何もしていない時に活性化する回路と、何かしている時に活性化する回路がある。

 普段シーソーのように逆に動く事が多いけど、うわの空の時には同時に動く。


 うわの空の脳は休んでない。同(・)時(・)に(・)動(・)く(・)な(・)ら(・)、(・)普(・)段(・)よ(・)り(・)脳(・)の(・)回(・)路(・)が(・)活(・)性(・)化(・)し(・)て(・)い(・)る(・)状(・)態(・)

 と、私は考えた。


 エジソンがやった閃き方法を、研究した人たちが導き出した結果。

 浅いまどろみ。布団に入って電気を消した直後に近い状態の時、一番閃きが舞い降りた。

 意識が緩んでいるでも消えていない瞬間が浅いまどろみ。


『意(・)識(・)が(・)緩(・)ん(・)で(・)い(・)る(・)、(・)で(・)も(・)消(・)え(・)て(・)は(・)い(・)な(・)い(・)隙(・)間(・)=(・)脳(・)の(・)回(・)路(・)が(・)一(・)番(・)活(・)性(・)化(・)し(・)て(・)い(・)る(・)状(・)態(・)』なのではないかと…私は考えた。

じゃあ、脳の力が一番強いタイミングなら、記憶を過去に飛ばせるはず。


 世の中の予知夢と言われる現象。

 浅い眠りや、目覚める間際に見ることが多い。

 私も、悩んでいて、眠りが浅い時に予知夢を見た。



 脳の中、脳の血管の形は遺伝する。これは研究が裏付けた事実。


 では、それ以外の脳の特徴は遺伝子しないのか?。する?しない?わからないが正解。


 とてもとても勘の鋭かった祖母。祖母は何を見ていたのだろう。何が見えていたのだろう。


 並列世界?予知夢?もっと違う何か?


 祖母が見ていた世界を聞いてみたい。

 今後、年を取る私は祖母の脳のようになるのか?


 でも、祖母に話を聞くことができたら、こう言いうだろう。

「まだ、虫(妖怪)取れてないね。もう取れんよ。一緒に暮らしなさい」







 おしまい。








私の中(脳)では、すべてが現実です。

二重人格でも、妄想癖もありません。医者いらずの健康です。普通に暮らしています。

こうなったら、ハイパーファンタジア極めてみたくないですか?。


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 ロミさん、こんにちは。 「ハイパーファンタジア。」拝読致しました。  イントロ。  虫? 妖怪? 今だけ?  なんでしょう?      ~ ・ ~  子供のためにお引越し。田舎あるある。  …
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