酒場にて
仲間を探すといえば酒場だ。
酒を酌み交わしてその人物の人となりを観察し、パーティーに入れてもいいかを確認する。
あとは酒の勢いだ。
「お、勇者様がいらっしゃったぜぇ!」
「マスター、酒くれ。あと除き魔じゃない魔法使いと辻斬りじゃない戦士とネクロマンサーじゃない聖女」
「ガハハハ、そんなのが簡単に見つかったら苦労しねぇぜ! ま、飲みな! 飲んでるうちに見つかるさ!」
「よし、頂こう」
取り敢えずジョッキ一杯を飲む。
それで周囲の強そうな奴を観察する。
最悪、除き魔くらいなら妥協できる。
いや、それはハードルを下げ過ぎか。
その時ドンッ、と俺の隣に座る奴がいた。
「勇者さんよぉ、俺様をパーティーに入れてくれやしねぇかい?」
「ふむ……」
その男は大柄な戦士らしき人物だ。
ひげが濃いため、ドワーフの血が入っているかもしれない。
頼もしいな。
「オッケー」
「えぇ……? マスター、どうなってんだ?」
「勇者様は酒によぇんだ」
「んな訳ないだろ。おらぁ勇者しゃまだぞ!」
「ほらな、呂律が回ってねぇ」
ゆうしゃしゃま。
しゃしゃま。
あん?
そうだ、戦士を見つけたんだ。
魔法使い、魔法使い……。
「めんどくせぇ! そこのお前、ちっこい女! お前勇者パーティー入れ!」
「コフッ……、わ、私ですか……?」
「そうだ! お前だ!」
「わ、私、き、吃音があって、え、詠唱を、か、噛んで、し、しまうんで、ですが……」
「犯罪者じゃなければいいや!」
聖女、聖女が一番難しい。
こんな酒場で飲んでる聖女にまともな奴がいるとは思えないからだ。
「ねぇ、勇者様。私とかどうでしょう……?」
「んあ? 売り込みか。ああ……、いいぜ! いけるだろ!」
地味っぽい女が自分を売り込んできた。
地雷臭がする。
まあいいか。
こうして新生勇者パーティーが誕生したのであった。
「あぁー……、頭いてぇ……。もう酒やめよう……」




