日曜日
幼い頃、日曜の朝、父とよく喫茶店に行った。そこでオレンジジュースとハムサンドを注文した。運ばれて来たハムサンドにはポテトチップスが数枚ついていて、それを摘まむのが楽しみだった。母が厳しい人でスナック類がお菓子になることは多くはなかったから、こんな時に食べられるのが特別な感じがして嬉しかったのだ。父と話しをした記憶はない。父は寡黙な人で注文したコーヒーをブラックで啜っていたに違いない。なにせ、私にとってはオレンジジュースとハムサンド、そしてポテトチップスが興味の中心になっていたのだから。
日曜の午後、父に車に乗せられると、そこいらをドライブした。すると決まってラーメン家の横のアイスクリーム屋でチョコクリームのアイスを買ってもらった。母には内緒だと言われた。父がこんなことを言うのは珍しかった。だから、よく覚えている。
そんなことを思い出したのは、今日が日曜日で父の月命日だったからかもしれない。