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火と氷の未来で、君と世界を救うということ  作者: 星見航
第17章:ポルトガル・新大航海時代【2030年1月2日】
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第235話:星の大地計画

挿絵(By みてみん)


星の大地(ティエーラ)……計画(エストラル)?」

 わたしは、その全く馴染みのない言葉を反芻する。


「それって、国際宇宙ステーションのことですか?それとも、月面移住計画まで視野に入っているんででしょうか?」

 隣で話を聞いていた星が、身を乗り出してくる。


「もちろんだ。だが、それだけじゃない」

 シルバが頷く。


 なんだか、話が壮大すぎる方向に進み始めてきた。


「で、でも、それって、間に合うんですか?」

 氷河が地球を覆い始めるまで、あと10年もないのだ。

 いくら宇宙技術が進歩しているとは、それまでに、いきなり宇宙への移民が実現するとは到底思えない。


「普通にやれば、無理だろうな」

 シルバが認める。


「じゃ、どうやって……」

 わたしの問いに、シルバが、ニヤリと笑った。


「それは、自らの眼で確かめてみるといい」


 **********

 2030年1月3日


 翌朝。

 わたしと星、ミゲーラ、そしてアレクの4人は、リスボンの空港に舞い戻っていた。


「まさか、こんな展開になるなんてね……」

 わたしが呟く。


 シルバが言う。

「なに、大した距離じゃない。こいつを使えば、1時間で到着する」


 朝の光を浴びて、銀色に輝くプライベートジェットを、親指で指す。


「ボンバルディア・グローバルの最新鋭機ですよね。最高速度がマッハを超えるっていう……」

 星が目を輝かせる。


 というより、「星の大地計画」を聞いて以来、星の目はきらめきっぱなしだ。

 メカとロボット好きの彼にとって、その技術の粋を集めた宇宙コロニーみたいな話は、大好物なのだろう。


「ちょうど次の実験が、3日後にあの場所で行われる。俺とアレクは、先に現地に入って実験の準備をしてくるから、それまで君たちは、赤の都市と青の街でも観てくるといい」


 そう、わたし、星、そしてミゲーラの三人に言う。


 ――赤の都市と、青の街?

 明らかに通称だけど、一体どこなんだろうか?


 わたしが星の方を見ると、彼はにっこりと笑い返す。

「そこに降り立てば、すぐに分かると思うよ」


「出発だ」

 シルバに促され、わたしはボンバルディアに乗り込む。


 そういう彼は、自ら操縦席へと乗り込む。


 海軍で戦艦を指揮してたとはいえ、まさか飛行機(ジェット)までも、彼自身が操縦できるなんて、思ってもみなかった。やっぱり、新たな大航海時代を創ろうとする男は、常人とは運動神経が違うんだろう。


 機内のスクリーンが目的地を告げ、ようやくわたしはその場所を知る。

「To Morocco(モロッコへ)


こうして、わたしたちのモロッコへの旅は、突如始まりを告げた。


挿絵(By みてみん)

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