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火と氷の未来で、君と世界を救うということ  作者: 星見航
第17章:ポルトガル・新大航海時代【2030年1月2日】
227/291

第227話:EU宇宙開拓軍

挿絵(By みてみん)


「大航海時代、ポルトガル(この国)は、ヨーロッパと新世界を繋ぐ扉だった。だからこそ、多くの英雄たちがこの地に集まったんだ」


 燃えるような瞳でシルバが言う。

「俺はこの場所を、”新たなる始まりの地”にして見せる」


 チアゴの大統領の言葉を思い出す。

(シルバ)は、宇宙の新秩序を作りたいと考えているんだ」


 正直、そう聞いたときは全くイメージが湧かなった。

 スケールが大きすぎて、とても現実的だとは思えなかったからだ。


 そんな気持ちを代弁してか、星がストレートに尋ねる。

「一体どうやって?」


 たしかにポルトガルが大航海時代を切り拓いていったのは、歴史の事実だ。

 けれど、今とはなっては、人口1000万人の小さな国にすぎない。人口だけでいえば、かつて支配していたブラジルの二十分の一なのだから。


 彼はきっぱりと言い切った。

第一歩(ファーストステップ)は、EU宇宙開拓軍の創設だよ。俺は、その総督になるつもりだ」


 **********


「EUの、宇宙開拓軍?」

 突拍子もない発想に、わたしは思わずオウムのように問い返す。


 けれど、星は何かをひらめいたようだ。

「それは、”EU Space Strategy(EU) for Securit(宇宙防衛戦略)y and Defence”の延長戦上ですか?」


 ――う、宇宙防衛戦略?


 馴染みがなさすぎる単語の登場に、サラにこっそり尋ねる。

「ロシアーウクライナ戦争を発端に立てられた、宇宙の軍事化対応や、宇宙資産の保護なんかを目的としたEUの宇宙戦略だよ。23年11月にEU理事会に承認されているんだ」


 シルバは笑う。

「あれは、あくまでも地球目線での議論だよ。まあ、あれが、俺の計画を加速させてくれはしたがな」


 そこまで話すと、彼は、周囲を見渡した。

 遠巻きに、(シルバ)を見つめているファンが集まってきているようだった。


 かつてサッカーの代表選手にも選ばれ、今では、世界が注目する宇宙産業の雄である彼は、一般の人たちにまでその顔が知れ渡っているらしい。


「ここは人目が多すぎるようだ。詳しいことは、別の場所で話そう」


おもむろに彼はスマホを取り出し、ポルトガル語で何かを話した。

どうやら、運転手か誰かに電話をしたらしい。


電話を切ると、彼は言った。

「絶対に邪魔が入らない場所に案内しよう」


挿絵(By みてみん)

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