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火と氷の未来で、君と世界を救うということ  作者: 星見航
第15章:南米・とある文明の誕生と消滅【2029年12月26日】
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第186話:ナスカの地上絵

挿絵(By みてみん)


 ペルーの首都・リマのホルヘ・チャベス国際空港から、約1時間半ほど飛んだところだろうか。

 窓の外を見ていた星が、突然訊ねてきた。


「リン、宇宙人っていると思う?」

「は!?」


 ――一体何を言い出すのだろう?


 一瞬そう思ったが、星やカイの突拍子もない質問には既に慣れっこだ。

 天才たちの思考回路は、考えてもどうせ分からないので、最近は素直に回答することにしている。


「まあ、宇宙は広いし、そりゃどこかにいると思うけど……」

 わたしは、宇宙人モノの傑作漫画、『レベルE』を思い出しながら答える。


 いない、ということはもちろん証明できない。

「ただ、わたしは一度も見たことないからなぁ……。星は?」


「生命体が生まれる確率は数十億から数兆分の一、って言われている。けど、世界には観測可能な範囲だけでも、20(がい)近い星が存在しているんだ」


「20……(がい)?」

 聞いたこともない単位だ。


「万、億、兆と続いて、その後が(けい)、そして(がい)になる。つまり、垓は兆の1億倍ってことなんだ。1兆分の1の確立で生命が生まれたとした場合、1億種類くらいの地球外生命体がいてもおかしくない」


 つまり、めちゃめちゃ確率が低くても、圧倒的に惑星数が多いので、いる確率の方が高いということか。


「でも、その生命体とやらが、地球に来られるかは、別問題だ。彼らが地球に来たという確かな痕跡は見つかっていない。けど……」


 ……けど?


 星が、窓の外を指差す。

「あの地上絵を、宇宙人が描いたと言う人達も存在するんだ」


「え!?」

 わたしは思わず窓の外を、食い入るように見つめる。


 そこには、今まで見たどんな絵よりも巨大な絵が、まるで大地を覆い尽くすように広がっていた。

「あのナスカの地上絵は、最も古いものは2000年以上前に描かれたと言われているんだ」


 セスナが高度を下げ、次第にその全貌が目に入ってくる。

 数百メートルはあろうかという巨大な鳥の絵だけでなく、猿・犬・蜘蛛などの動物や昆虫、木や花などの植物などが縦横無尽に描かれている。


「あれって……」


 中でも、特に目を引いたのは、横長な頭と大きな目をした、直立する人型の絵だった。

 ただ、その風貌は、まるで……。


「ほ、ほんとに宇宙人みたい……」

「そう、見えるよね。ま、本当に宇宙人かどうかはさておき、”人間ではない何か”なのは確実だと思う。他にも、精霊のような人型の存在も描かれているからね」


「でも、どうして、こんな巨大なものを……」

 モアイを見た時と全く同じ言葉が口から漏れ出る。


「当時の人たちの信仰心を表しているという説が有力だ。ただ、一部の人たちは、”人類を生み出した、宇宙人たちと交信するため”って言ってたりするけどね」


挿絵(By みてみん)

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