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火と氷の未来で、君と世界を救うということ  作者: 星見航
第14章:ポリネシア・始源の島にて【2029年12月25日】
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第174話:敵と味方

挿絵(By みてみん)


「"人種間の違い"、というのが、今ほど気にならなくなるかもしれないね。今は、まず初めに『何人(なにじん)か』を気にしがちだけど、その前に『人間かどうか?』と考えるようになるだろうから」


 ――た、確かにそうかもしれない。


 わたしはあらためてヒナを見る。

 五感を総動員すれば、確かに”匂い”や”気配”みたいなものが人間と違うと分かる。


 でも、普段、東京で暮らしていたら、わざわざ他人の匂いや気配になんて気にもとめない。

 ましてや、直接会わずに、オンラインだけでやりとりしたら、まず間違いなく人間だと思ってしまうんだろう。


 星が少し寂し気に言う。

「人は”何かに属する”ことで生き残ってきた種族だからね。属するというのは、”自分たちとその他”に分けることに他ならない。そして、その分類が『敵と味方』になったとき、不幸が訪れるんだ」


 ――そもそも一体、どうして、敵味方に分けなきゃいけないんだろう。


「共通の敵を作ることで、味方の団結が強まるという側面もあるからね」


  確かに、”宇宙人が攻めてきたら、それまで争っていたはずの地球人たちが急に団結して撃退する” っていうストーリーは、SFの世界ではもはや定番だ。


「でもそうなると、今度は『全人類 対 AI 』っていう戦いになっちゃうのかな……」


 わたしがぼそっと呟くと、創さんがわたしとヒナの二人の肩に手を置く。


「歴史を学ぶことで、人は成長できると僕は信じているよ」

 そう言ってにっこり笑う。


「次の目的地は、まさにそれを考えるのにぴったりの場所なんだ」


 そういえば、さっき創さんは、この後、『()()()()()()()()、南米大陸に飛ぶつもり』だと言っていた。


 ――ある島って、一体……。


 星がスマホの映像を見せてくれる。

「彼らが待つ場所だよ」


「彼ら?」

 そこに映っていたのは、見覚えのある石造りの”巨人たちの顔”だった。


 ――これって、モアイ像?

 たしか、これがあるのって……。


 創さんが頷く。

「ああ、このポリネシアと、南米大陸の中継点、イースター島が次の目的地だ。かつてこの島で起こった悲劇が、僕たちの未来に大きな示唆を与えてくれるだろう」


挿絵(By みてみん)

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