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カツ丼のカツって揚げる意味あるんか?

私は生卵(半熟も不可)アレルギーなので、カツ丼が食べれません。

⚫「卵焼きと目玉焼きってちがうよね」


〇「違いますね」


⚫「何が違うの?」


〇「卵といて焼くのが卵焼きで、そのまま焼くのが目玉焼き」


⚫「同じ『焼いた卵』でも溶いてから焼くのと、そのまま焼くのでは違うと」


〇「まぁ食感とかね。いろいろ…」


●「はい。出ました。食感」


〇「え?なに?なに?」


●「食感問題は日本の食を語るうえで欠かせない大きな問題ですよね」


〇「全然流れがつかめないですけどそうなんですか?」


●「かつ丼のカツってあげる意味あるんかな?って話に帰結します」


〇「その決着本当に大丈夫?まぁ聞きましょうか」


●「トンカツってサクサクでおいしいですよね?」


〇「カツ丼じゃないんかい。まぁ、おいしいですね」


●「トンテキがあるのにトンカツがあるということは、アイデンティティは衣ですよね」


〇「誘導尋問っぽいけど…まぁ特に今のところ異論はないかなぁ」


●「カツ丼って卵でとじてあるよね?」


〇「比較的そのイメージですね」


⚫「とじられたカツはサクサクかい?」


〇「比較的しっとりしてますね」


⚫「ほら!」


〇「え?」


⚫「整理するからちゃんと聞いてて下さいよ」


〇「は、はぁ」


⚫「トンカツはサクサクで美味しくて、そのカツたる所以は衣である」


〇「はあ」


⚫「カツ丼のトンカツはしっとりしている」


〇「あぁ・・・そゆこと?」


⚫「そうした場合、カツ丼のカツってあげる意味あるの?ていう国家レベルで議論すべき喫緊の話題」


〇「あなた以外誰も差し迫ってないのよ」


⚫「でも、あげる意味ある?」


〇「あるでしょう。テキのまま丼にしてもまた、別の食べ物やし、あの衣にしみたタレがうまいというか・・・」


⚫「論点をずらすな!私は食感を軸に論理展開している」


〇「論理展開は自由だけど、食べ物の好き嫌いは感覚でしかないしさ・・・」


⚫「議論から逃げるな!脳みそを回転させろ」


〇「なんかムカついてきたな。ならばね」


⚫「来たまえよ」


〇「成り立ちとして、トンカツがあってバリエーションとしてカツ丼も出来たと考えましょう」


⚫「トンカツ先で、カツ丼後だと」


〇「そう。だから、発想としてトンカツを利用してカツ丼を生み出すしかない。トンカツありきなのは仕方ない。あげたぶたを利用するしかない」


⚫「トンカツスタートである以上そもそもトンカツでないとだめだと。あげるしかないと。」


〇「そうです」



⚫「仮に成り立ちがそうであったとして、時代は進む。移り変わる。今カツ丼のカツをあげているのは思考停止でしかない」


〇「ほう」


⚫「肉じゃがは、ビーフシチューを再現しようとした甘煮がルーツと言われている」


〇「また料理増えたよ。卵・カツで次肉じゃが?」


⚫「今、肉じゃがを作る時に、一旦ビーフシチューに似せてから、肉じゃがに変化させて調理を完成させる人。いますか?」


〇「いないでしょうね」


⚫「そうでしょう?肉じゃが作るなら、肉じゃがとして、より効率よく、より美味しく作ろうとするはずです」


〇「・・・」


⚫「で、あれば。甘くタレの染みたしっとりした衣のようなものをサクサクを経由せず、調理出来る素材、手法を確立させるべきだ。日本国民は」


〇「最後の主語がでかいな。まあ、でもそれは面倒臭いからないです」


⚫「めんどくさい?」



〇「カツ丼の衣を新規開発するコストに対して、見返りが全然見合わない」


⚫「文化は見返りじゃな・・・」


〇「商売は見返りです!」


⚫「っ・・・」


〇「まあ、開発出来たとして、カツ系で卵とじる料理にどれほどのバリエーションが?」


⚫「く・・・」


〇「最後です。あなた、年間にカツ丼どれくらい食べますか?あなたの好きな主語を借りるなら、日本国民は年間どれほどのカツ丼を食すでしょう?」


⚫「数の問題じゃない!世界を進めるのは、利を超えた情熱だ!」


〇「情熱!?笑止。その思想なき情熱の先にどれほどの屍が並んだか。君は歴史を直視できていない。カツ丼のためだけの衣が商売として成り立つ分けがない。ならば。そこの思考にカロリーを使うのは愚の骨頂と言わざるを得ない」


⚫「もういい。この話あきた。そもそもカツ丼嫌いですしね」


〇「ハシゴに向けてミサイル発射した?外すとかのレベル越えてますからね」


⚫「であなた、間違い電話だったんですよね?切りますよ」


〇「そうですけど、かけられた側が変な人パターン珍しいですよ。それでは失礼します」





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