小説とは
小説は難しい。
小説とは一体なんなのか。
どうして自分はここまで活字に引き込まれたのか。
今もこうして自身の感情を書き殴っていられるのはなぜか。
単に自分が口下手で文字のある空間が心を落ち着けられる空間だからかもしれない。
読めば読むほどひきずり込まれる世界。
なんでひきずり込まれるのか。
映画のように、鮮やかなコマの移し方もできなければ、多彩なエフェクトや音をつけることは、小説にはできない。
漫画のように、線で表現された美術的な主張は、小説にはできない。
なのに、小説は読んだ者を彼らの世界にひきずり込もうとする。
小説には一体なんの力があるのかがわからない。
読めば読むほど、のめり込んでいく自分がいる。
それでも、活字がやめられない。
文字だけの世界、文章はパズルなのではないか。
一文読んで、自身に染み込ませると同時に次を期待させる。
まるで、パズルの1ピースのようだ。
1ピース、盤にはめるとピースに空いている穴に、他のピースの突起を重ねたくなる。
同じかもしれない。
文は、伝える役割と同時に、次へ誘導するためのものかもしれない。
ただ、主張しただけで読者に届かないと、書いている側に価値は生まれない。
連鎖的に興味を引き立てる文章こそが、自分が求めているものかもしれない
楽しめるように。きっと、そう思っている間はダメだと分かっていても、止まらない。