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曲がり角

作者: 森田 亮介

「あの角曲がったらどうなるのだろう?」

 もしかしたら、あの曲がり角の先には何も無いのかもしれない。

 例えば、宇宙が広がっているのかもしれない。

 例えば、無味無臭で何処までも終わりがない真っ白な世界が出迎えてくれるかもしれない。

 馬鹿馬鹿しいと思われるかもしれないが、子供の頃から抱く疑問なのだ。

 だから、急いで角を曲がってみるが曲がる前の景色が繋がっているだけで特に何でもない日常の続きある。

 だが、僕は疑う。

 もしかしたら、僕が曲がった一瞬で世界は広がり景色が彩り僕を騙しているのかもしれない。

 さらに、視界に入っていない世界は全部嘘なのかもしれない。

 そこのいるはずの人間も動物も景色も本当はなにもない。

 「実は僕ひとりしかこの世に存在していないのではないか?」

 沸々と湧き上がる疑問。

 それを証明することはできないが、否定も出来ない。

 僕以外が生きている。

 僕の知らないところで人が生きて行動している。

 それが不思議でしょうがない。

 この部屋にいる僕の空間は存在している。しかし、扉の向こうはどうなっているのか?

 時々、全部が嘘なのかもしれないと思い扉を開ける。

 期待は裏切られ、扉の向こうには現実と真実があるだけだった。

 僕は現実から逃げたいのだろうか?

 いっそのこと世界が上書きされてゼロからスタートできないのだろうかと子供じみたことを心の奥そこで考えているのだろうか?

 そんなことはあり得ないと首を振る。

 好奇心が僕の背中を押す。

 きっと、あの曲がり角の先には未知なるものがあるはず。

 だから、焦らずじっくり僕は曲がろうと思う。

 何処までも真っ白な世界。

 広大で終わりが無い世界。

 曲がり角の先には夢がある。

 僕の知らない世界がある。

 恐怖以上の好奇心が足を歩ませる。

 曲がり角にはそんな魅力がある。

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