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37.5 ここまでの人物とメカニック紹介・下巻

 = 学校のおともだち =

(登場順)


 ・辻 葉子  つじ ようこ

 小学六年生の女の子。紅利の友達。羊雲王の投影者。

 巻き角型の義脳「ホーンブレイン」を持つセミ・バイオニキスという強化体質。

 強めにウェーブがかったふわふわロングヘアーと、頭の両側の羊のような巻き角が特徴。

 巻き角にふわふわの髪の質も含めて、自他ともに羊の印象を持っている。


 とてもマイページな性格で、大抵の語尾を伸ばすのんびりした喋り方をする。

 一方で学年中で学業成績は学校内で1、2を争う。ただし体育は苦手。


 胎児期に脳障碍を患い、その治療として人工子宮内でホーンブレインの定植をうけたことで現在の体質で産まれることとなった。

 なお通常のセミ・バイオニキスは普通よりは頭が良い・学習効率が高い程度なのに対し、彼女は明らかに天才的な学習能力を持っている。


 島の事件でガイア財団=ギガントということを見抜いたり、ヴィートの仕掛けた戦術を見極めたりもするが、実際にそれが自分に襲い掛かるところまでは想定できない程度にはのんびりさん。

 ・羊雲王

 空に浮かぶ眠り羊の本体と、それを取り巻く大量の羊毛雲からなる巨人。

 正しい命名則からすれば羊雲妃。

 接触すると過剰な情報を流し込まれて、人によっては混乱や昏倒を起こす。



 ・高原 美宇  たかはら みう

 小学六年生の女の子。紅利の友達。鳥船妃の投影者。

 肉体に重いハンディキャップを抱えているため、神経接続された小型のラジコン飛行船が外で活動するための体。

 ただラジコン飛行船と肉体を結ぶ回線は医療用の量子通信であり、何があっても回線が維持されることから様々なヒントになることも。


 噂話大好きで、自身の飛行能力、望遠撮影能力を生かして、学校中から情報を集めてくる。

 特殊なサイボーグ、シェル・ポッドへの改造を受け、宇宙船船長になるのが夢。

 ・鳥船妃

 翼の生えた船の巨人。

 完全飛行能力を持ち、空からハガネに襲い掛かった。



 ・夏木 正司  なつき しょうじ

 小学六年生の男の子。クラスメイトの目立たない組。巨人、馬頭王の投影者。

 アレルギー体質で小児喘息のために、フルフェイスの呼吸補助マスクを着けている。

 ・馬頭王

 名前どおり馬の頭の巨人。

 夏木の健康への憧れから、フィジカル面がやたら強烈。

 無人島でも疑似個体が出現した。



 ・軽子坂 真梨  かるこざか まり

 小学六年生の女の子。クラスメイトの活発女子組。童話妃の投影者

 警察中間管理職の娘で、眼鏡にお下げという分かりやすい委員長デザインだったが、巨人破壊のダメージで精神構造が変化、スポーツ向きな姿へ変貌していった。

 都市制圧事件の際はDドライブを手にするも、やはり精神構造の変化からか巨人を出すことはできなくなっていた。

 ・童話妃

 童話に出てくるお姫様のような姿をした巨人本体と、その子供役の陶製人形たち。

 人形たちは遊びのルール違反を行うと狂暴な破片となって襲い掛かる性質を持っていた。



 ・大寒 徹雄  おおさむ てつお

 小学六年生の男の子。クラスメイトの目立たない組。昆虫王の投影者。

 借り上げ頭の虫大好き少年。学校でも休み時間は虫を探しに出ている。

 都市に相次ぐ巨人事件から疎開の予定があったが、疎開先が謎の災害に見舞われて逆に彼の部屋が叔父の疎開先になってしまった。この時代では珍しくない事である。

 ・昆虫王

 様々な昆虫の能力を備えた巨人。

 カブトムシの角・トンボの翅・カマキリの腕・バッタの脚をもち、それらの攻撃力を活用してくる強力な巨人。



 ・枝山 真一  えだやま しんいち

 小学五年生の男の子。悪夢王の投影者。

 長年、父親から虐待を受けており、その精神状態が異常巨人を生み出した。

 ・悪夢王

 モチーフのない、痛みの混沌と、本能的な生存への渇望の塊である巨人。

 圧倒的破壊力を誇り、大きな被害を出した。

 一方でアイアン・スピナーを編み出す切欠になった重要な巨人とも言える。


 他の巨人においても、投影者のトラウマが生み出す悪夢王形質とでも呼べるものが含まれることがあり、その危険性は通常の巨人の比ではない。



 ・面矢場 映治 つらやば えいじ

 小学六年生の男の子。クラスの目立たない組。偽神王の投影者。

 何処のクラスにもいる怪獣・軍事マニア。眼鏡少年。

 ・偽神王

 宇宙から来た巨神種族U・メンシェへの憧れが作り出してしまったニセモノ巨人。

 無人島でも疑似個体が出現している。



 ・甘粕 大  あまかす まさる

 小学六年生の男の子。クラスメイトの文化組。料理王の投影者。

 少し気取った喋り方をする。

 料理を食べるのも作るのも好きで体格は縦にも横にも大きくなった。

 人付き合いは良いのだが、好む味の方向性の違いから、辛とは対立している。

 ・料理王

 ハンディミキサーを凶器として構える料理人の姿をした巨人。

 このミキサーなどから砂糖状の粒子をばらまき、料理王付近にいる者すべてに「甘味」を感じさせる。



 ・辛 麗娥  しん れいが

 小学六年生の女の子。クラスメイトの文化組。調理妃の投影者。

 町の中華食堂の看板娘で大陸系。

 長身で名前に恥じない切れ長の目のアジアン美人さん。元気で明朗快活、ちょっと我が強いのは玉に瑕。

 獣人の父親があまり辛味は得意ではないため、何とか父親に辛味料理を美味しく食べてもらうべく、日夜料理研究をしている。

 ・調理妃

 麺棒を凶器として構える料理人の姿をした巨人。

 料理王同様に、麺棒から唐辛子色の粒子をばらまき、付近にいる者に「辛味」を感じさせる。

 辛味とはつまり痛覚であり、それを広域にばらまく、非常に危険な巨人だった。



 ・流 修斗  ながれ しゅうと

 小学六年生の男の子。クラスメイトのスポーツ組。球蹴王の投影者。

 サッカー大好き少年で、身につける物はサッカーボールの六角形柄ばかり。


 なお、サッカー大好きなのにサッカー自体は下手。少なくとも実戦形式でない。

 一方で家は空手道場をやっており、そこで親に鍛えられたため運動神経自体はよく、キックの威力は十分なのとリフティングだけは上手い。

 元々持っていた格闘技能はとても高く、ちゃんと鍛えれば全国クラスだったのだが、好き嫌いというのはあるのである。

 格闘の心得同士の丸とは長年のライバルで、また小鳥遊ともよくつるんでいる。

 ・球蹴王

 角が生えたサッカーボール頭のサッカー選手姿の巨人。1

 ……なのだが、実際に存在の核となっているのは、携えているサッカーボールの方。



 ・稲葉 備斗 いなば びっと

 小学六年生の男の子。クラスの目立たない組。陸鮫妃の投影者……ではない。プリンセスが乗り逃げした第二のサメ巨人、事後命名では土鮫(すなざめ)王の投影者。

 兎獣人の男の子、真っ白い髪、長いまつげ、真っ赤な瞳、ウサミミと小さなウサシッポが可愛らしい。目鼻立ちも整っていて美少年。

 この名前と姿を持ちながら、何の因果かサメ大好き少年。


 紅利の幼馴染の一人。

 都市制圧事件では勇気を見せて巨人投影に立候補するが、その恐怖を見抜いた奈良が横から掻っ攫っていった。

 ・陸鮫妃、土鮫王

 サメの形態を真似した巨人二体。

 巨人の時空間特性から、地面を泳ぐという怪現象を起こせる。

 ・UGシャーク

 無人島からの脱出大計画にて、クラスメイト全員のPSIエネルギーをアトラスで変換して作り出された、大型の疑似土鮫王。

 予定通りにクラスメイト全員を乗せて無人島を脱出。

 更に異常な威力を発揮したアイアン・スピナーにより、突破不能と思われていた巨人障壁を破壊にまで至った。



 ・伊豆 木衛  いず きのえ

 小学六年生の男の子。クラスの目立たない組。双生王の投影者。

 自身が双子の産まれそこない(バニシングツイン)という話を親にされて育った加減で、見た目双子の央介達に興味を持っていた。

 普段から「もう一人自分が居たら?」「木斗(きのと)という双子が居たら?」という一人二役ロールプレイをしていることがある。

 ・双生王

 木衛の投影した二体セットの巨人。

 所持していた「反射鏡」により空間を歪曲させ、MRBSを撃ち返してくるという反撃を行ってきた。



 ・熊内 ナーリャ  くまうち Nadia

 小学六年生の女の子。クラスのジャージ女子組。魔女妃の投影者。

 ヒグマ獣人、おっとりしていて気は優しくて力持ちな夢見る乙女な子だが、見た目は服を着たリアル熊。

 獣人の呪いが解除された場合の姿は、北方系の銀髪高身長美少女なのだが。

 体格のせいか、年齢に対して声は大人の女性みたいな響き。


 お姫様ドレスに憧れるが、流石に本人も似合わないと思っていてあずき色ジャージしか着られない。

 ドレスや魔法少女に憧れるのは、都市伝説の魔法少女に幾度か助けられたことがあるから。

 その魔法少女が傍に居ることにはうっすら気付いている。


 母親のリーリャは昔、遠方の獣人闘技場で数えるほどしか負けた事のないスター戦士……というよりは暴虐のヒール・チャンピオンとして君臨していた。

 しかし時代が変わって闘技場がバイオレンス&スナッフ路線からの健全化変遷もあって居場所を失う。

 その後、流れ流れて中部地方の山奥で人目を避けるように林業に就いて、しかし若い夫に見初められて結婚に至った。

 ナーリャは彼女が高齢になってから授かった大切な一人娘である。

 ・魔女妃 

 ナーリャの投影した巨人。出現時は少女らしい姿の巨人だったが、そこからクマイチゴの花実をあしらったテディベアモチーフの魔法少女形態に変身。

 ファンシーな外見に反して、戦闘スタイルはバイオレンスでパワフル。

 唱える呪文は「ベアベリー・ベアベリー・クマクマサクマ・コノクマナリヤ」



 ・木下 木花  きのした このはな

 小学六年生の女の子、クラスのジャージ女子組。魔法少女コノハナサクヤ。

 つっけんどんで言葉に遠慮がなくドライな性格だが、それは魔法少女としての経験を積んだ結果の自他を守るための姿勢。

 普段の黒縁眼鏡に三つ編みお下げでそばかすの野暮ったい外見は目立たないための偽装……というわけではなく、こちらは楽な恰好をしているだけ。

 最近は魔法少女としての活動すらジャージで済ませることが多い。

『悪縁避け』の魔法によって巨人関連の物を遠ざけているため、巨人は出ない。


 央介が転校してきた時点で、『遠見』や『占い』などによって彼の概要を理解し、町の事件を解決する魔法少女としての活動を行おうとしていた。

 しかし何の因果かハガネは魔法を阻害する“鉄”の属性を宿していたために、支援をしきれないまま。

 それでもステインレス・ハガネ暴走の際は事前に紅利に強力な護符を持たせ、それ経由で二人を救う活躍を見せる。


 ナーリャとは同じジャージ女子組という以上に仲が良い。

 しかしナーリャが自身の正体を察していることは気付いていない。


 ESPを持つあきらには幾度か魔法少女だと気付かれかけて、そのたびに『物忘れ』の魔法に多大な魔法代償を支払っており、積年の恨みを募らせている。


 パートナーのエルフ、クシーとは長年の相棒で、友達以上恋人未満。


 ・山桜の魔法少女コノハナサクヤ

 深紅と深緑の衣をまとい、山桜の枝杖を手にした魔法少女。木下の別の一面。

 空飛ぶホウキにはサーフボードよろしく立ち乗りする。


 神奈津川市では昔から魔法絡み事件が発生しており、小学3年生の時に叔母から魔法少女の引継ぎ以来にそれらを解決してきた。

 過去には巨大な事件にも巻き込まれたことがあるようで覚悟も決まっている。

 能力人格立場どれもヒーローとしてすでに完成されており、央介からは“先輩”とでも言える。

 呪文は「チェリブロッサチェリブロッサ、サクハナサクラ、コノハナサクヤ」



 ・ピュイ・クシー

 長年、木下のパートナーを務めてきた未知の人種“エルフ”の少年。

 通常時は妖精らしい虫羽ある人姿をしており木下の持つぬいぐるみバッグに隠れて行動を共にしている。

 冗談好きでいたずらっ子、一方で冷静に情報を分析できる隠れ知性派。

 以前は感情的に動きがちな木下の抑え役をしていたのが、木下の成長で愚痴聞きの役割の方が多くなったようだ。



 ・小鳥遊 一  たかなし はじめ

 小学六年生の男の子。ハヤブサ鳥人。飛隼王の投影者。

 クラスメイトのスポーツ組。

 いつでも冷静。身のこなしは速く、頭の回転も速い少年。

 整った顔立ちもあって学校内で女子からの人気がとても高い。

 フェンシングの心得があり、更には鳥人である両親から教わった飛行戦術も体得している。


 両親は軍所属。そのためハガネ関連で帰宅が遅い日が多くなっており、幼い弟妹が不安がっていた。

 それもあってハガネ、央介には反感を覚えてのケンカ組。

 更に央介の実力のありやなしやを確かめるべく決闘を挑むに至った。


 父親がミミズク獣人、母親がハヤブサ獣人で、小鳥遊の扱う直線的な技は母親由来、搦め手は父親由来である。



 ・飛隼王

 小鳥遊が投影した巨人。鳥と戦闘機の中間の姿で完全飛行タイプ。2

 超音速飛行から一瞬で速度ゼロの急停止をしたり、慣性法則を無視した飛行を可能としている。

 とにかく飛行能力が目立つのだが、戦術面でも優秀で小技を多用。

 内部に収納したスティーラーズを弾丸代わりに投げ付けてミサイルやデコイとして転用するずる賢さを持つ。

 これは小鳥遊側の戦闘テクニック由来。


 地上の相手にはその飛行能力もあって攻撃を寄せ付けなかったのだが、同じく飛行巨人である辰のミヅチが急遽投入。

 ミヅチの助けもあって空を行動範囲としたハガネ・アゲハとの空中格闘戦の末に、三体の夢幻巨人の連携攻撃の前に撃破された。



 ・日々野 静  ひびの せい

 小学六年生の男の子。クラスメイトのやんちゃ組。車騎王の投影者。

 数百年前の高名な競走馬・種牡馬のDNAモデルを有するサラブレッドのウマ獣人。

 クラス内で身長は最も高い方だが、これは足の関節構造が人間と違う形(踵がなく、超つま先立ち)のため。

 名前に反して本来はとても喧嘩っ早い気質なのだが、今年のクラス分けによりボス猿の狭山が君臨することになった加減で、そうそう騒動は起こさなくなっている。


 馬の本能ゆえかスピード大好きで、そこからのバイク大好き。特にハーレー系の米国製重ガスエンジンバイクを好む。

 いわゆる、どこのクラスにも一人は居るカー&バイクカタログを持ち込んでる系の男子。

 なお、周囲には秘密にしているが可愛い犬猫も大好きで自宅には猫を3匹飼っている。でもネズミ系はダメ。


 流石のウマ獣人とあって競走競技では学年2位。1位は奈良。

 その速度を生み出す引き締まった下半身はウマ獣人全般のもので、これは男女問わず魅力的と言われている。

 両親は観光主体の牧場の従業員、特にウマ獣人である母親は牧場の馬と感覚対話ができるため、これらの業種で引く手あまたである。


 ・車騎王

 日々野が投影した巨人。

 ガスエンジンバイクのハンドル部から人の上半身が生えた姿の巨人。夢曰くバイクケンタウロス。

 日々野の巨人適合の低さもあって等身大のバイク程度の大きさしかなく、出現も不安定。


 ギガントによって表出させられてから、要塞都市で開催されたバイクレースのコースを巡回し続けていた。

 本来はそこからスティーラーズが融合することで戦闘可能な状態にまで変換されるところだったのだが、この巨人自体がもつロジカル特異現象“走行方向への相対速度で上回るもの以外は接触不能”により、都市軍側が騒動を察知するまでの無事を守り抜いていた。


 要塞都市での高速追跡劇の末、ハガネのアイアン・スピナーによる差し切りを受けて撃破された。



 ・丸 鬼若  まる おにわか

 小学六年生の男の子。クラスメイトのスポーツ組。排土王の投影者。

 やや細身で長身の柔道少年、この時代の全日本小学生柔道でトップ8に入る程度の腕前。柔道耳!

 サッカー少年の流、ハヤブサ鳥人の小鳥遊とは互いに認め合うライバル関係。


 父親は都市軍の工兵で、ハガネと巨人の戦闘が始まってから残業続きになり、帰りを待つ母親が一時期体調を崩したことからハガネ相手に疑念を抱えるようになっていた。

 そのことから無人島ではケンカ組。

 島から帰ってから、ハガネに関する話を親とした結果、責任の所在について説教を受ける。

 更に央介自身と格闘勝負をしたことで、その姿勢に曲がった部分が無いと判断し、和解に至った。


 柔道の技、丸投げは技の最中に『投げ投げられる双方の姿が巻き取られきって丸くなる』事からつけられた名前であり、別名を巴投げ、車投げ。

 鬼若は剛力忠心の破戒僧、武蔵坊弁慶の幼名である勇ましい名前からとなっている。


 ・排土王

 軍の重作業車両から人の上半身が生えた巨人。3

 両腕はフレキシブルなクレーンアームとなっており、ワイヤー接続の手首を遠く飛ばすことで間合い無視での組付きを可能にしている。


 柔よく剛を制し、剛よく柔を断つという丸の柔道理想と、過去の彼の実戦での後悔・憧れが反映されており、異常に重心が低く、攻めれば投げられ、守れば引き抜かれる。

 バタフライ・キッスすら弾く超硬度ドーザーブレードによる攻防一体の体当たりも併せ、堅牢を形にしたような巨人。


 都市の重機連結構造へアウトリガー固定を行ってからの必殺技、タイバンザン返しは丸自身が得意としている技。

 欠点は、柔剛問わずに都市の地面や構造物依存だったことで、地面下からのアイアン・スピナーによって撃破された。

 しかし、そこには丸の『父親が手掛けた都市設備』という信頼が見て取れる。



 ・南枝 優奈  なんし ゆな

 小学六年生の女の子。クラスメイトの目立たない組。犯人怪人巨人の投影者。

 イヌ獣人(ボーダーコリー種)の女の子で、推理小説を含めて物語全般が大好き。

 なので探偵少女というよりは読書少女と言った方が正しい。


 どれほどの読書家かというと、図書館の本は150%読んだと豪語している。

 これはつまり全ての本を読んだ上で二周目も半ば、という事のようだ。

 現在、彼女の中で第三次の探偵マイブームが発生しており、鹿撃ち帽――俗にホームズ帽と呼ばれる――を持ち歩いている。


 ウサギ獣人の稲葉とは家も近い幼馴染で、彼は昔から南枝が始める物語なりきりごっこの相棒役を長く勤めている。

 また、実は学級委員長である。

 英才として信頼される辻や、風紀に厳しい軽子坂、ガキ大将の狭山が目立ってしまいがちだが、クラスを纏める力は案外ある。


 ・怪人犯人巨人  はんにんかいじんきょじん ※軍の戦闘コードではない。

 南枝の投影した巨人。

 怪しげな仮面にマント、黒ずくめの体というのは南枝が読んだ探偵・怪奇フィクションの怪人や犯人の寄せ集め。


 ほぼロジカルに振り切った巨人で、『決定的な証拠』を発見しない限り実体を現さず、探偵役に与えられる手錠で捕縛されるまではありとあらゆる攻撃影響を無効化するという割ととんでもない特殊能力を持っていた。

 一方でその能力故にスティーラーズに融合されることもなく敵対もせずに済んだとも。


 名探偵南枝によって表出させられ逮捕された所に、央介のツッコミ一撃によって崩壊した。



 ・遙 美安花  はるか みあか

 小学六年生の女の子、普通の体質。幽霊妃の投影者

 ジャージ組の一人でリーダー格、同じくジャージ組の瞬とは仲が良い。

 身長は高めで服装はジャージ、性格と髪形はボーイッシュで一人称はボク。女子からの人気が高い。


 活動的に振舞っており周囲からも頼られてもいるが、内面としては弱気な部分を抱えている。

 オカルティックなものを好むのも、非現実に浸りたいという動機があるのかもしれない。


 両親が男性の人工子宮産まれで、女の子育てにとても苦心している。

 それでも結果が王子様系女子なので悪くはないのではなかろうか。


 余談だが、幼い頃に犬に追い詰められていた仔狸を助けたという経験がある。


 ・幽霊妃

 遙の投影した巨人。

「学校全体の怪談」とでもいうべき不安定な形態だったのだが、央介らの検証によって遙が認識していた一つ一つの現象が否定されてしまう。

 その結果、最終的に残った「屋上を赤く照らす、死を呼ぶ人工衛星」としての形態に全出力が終結、衛星軌道から攻撃を開始した。


 大型ミサイルで衛星軌道に殴り込んだ巨人隊との戦闘の末、アイアン・ダブル・スピナーにより撃破。

 特異現象は周囲の分析困難環境を引き起こすこと。



 ・瞬 龍伍  しゅん りゅうご

 小学六年生の男の子、普通の体質? 幽霊王の投影者。

 ジャージ組の一人で、遙と仲が良い。

 小動物的な雰囲気にジャージの余り袖や、かむろ纏めの髪飾り(葉っぱ型)も可愛らしい、しかし男の子。女の子以上に可愛らしい男の子。

 やや受動的な性格なのだが、遙への恋慕が彼に動機と勇気を与えている。


 苦手なものは犬で、近寄る事すら無理。犬もまた彼に近づくと酷く吠える。

 また獣人ではないはずだが狸の尻尾があり、どういう加減なのか耳が獣のものに変わることもある。

 ……もう、お分かりですね?


 幽霊妃の攻撃から遙を庇って、負傷。

 このことが小鳥遊の決意を促すことになった。


 ・幽霊王

 瞬の投影した巨人

 遙の巨人を絶えず護衛し続ける小さな星型の巨人。

 特異現象らしいものは持っていないが形態の自由変化が可能で、衛星型になったのも幽霊妃に合わせてのこと。


 幽霊妃の隙の大きい攻撃の合間をこの巨人が補っている。

 接近時までは存在が確認されていなかったために、その不意打ちによってアゲハを重力圏へ落下させるに至った。

 守り続けていた幽霊妃と共にアイアン・ダブル・スピナーで撃破。



 ・朝原 永良  あさはら えいら

 小学六年生の女の子。クラスメイトの活発女子組。原始妃の投影者で、そこから恐竜巨人群の発生原因。

 気の強い日焼けスポーツ女子であり、恐竜大好きっ子。

 自室は恐竜ぬいぐるみとフィギュア、グッズがずらりと並んでいる。


 恐竜と並んでお祭りも大好きで、祭りの日にもなると謎の踊り大会を開催して周囲を巻き込んでいる。

 とにかくエネルギッシュな子。


 両親は地下要塞部にある士官向け割烹の板前と女将。

 その加減か普段のおてんば娘のイメージとは真逆に、和服の着付け技能を持っている。


 ・暴竜王&原始妃

 朝原が投影した巨人。前者は巨大で羽飾りを纏ったティラノサウルス、後者は人間サイズで原始人の女戦士というような姿。

 スティーラーズに制御された原始妃は、本体と目されていた暴竜王の羽飾りに潜んで不意打ちを狙っていた。


 原始妃の咆哮は人間全てが持つ内なる原始を呼び覚まし、猛獣の溢れる領域を作り出す性質を持つ。

 そのままなら雑な思念それぞれに猛獣型巨人が生まれる所を、朝原の好みゆえに恐竜型に矯正される。

 領域を生み出す力もさることながら、小型で機動性が高く、破壊力は通常巨人以上。

 特に相棒としている暴竜王を即刻復活させる能力を持っており、そのコンビネーション行動はとても危険。


 恐竜復元の領域発生に大きく隙が生じることを見抜かれ、恐竜排除から連続してのハガネ・アゲハ・ミヅチによる連携攻撃により撃破。



 =その他の人物=


 ・三沢先生 みさわ

 29歳、女性。独身。央介、紅利らの担任。小学生教諭3年目。

 最近、交際中の男性からプロポーズされた。


 ・通信先A

 女性、オペレーターの一般兵。

 央介らに作戦などの状況説明してる方。

 眼鏡にロングヘアのお姉さん。

 スポーツオタクで特に好きなのはサッカー。だからといって弟のサッカー下手を矯正できるわけではない。


 ・通信先B

 男性、技術士官。

 相手巨人の分析などをしている方。

 大神や上太郎と掛け合いしながら現象解析してるのもこの人。

 屋内でも常時軍帽をかぶっていたが、それはバイオニキスとしての角を隠すため。

 曰く「角なんて格好悪くないですか?」……個人の価値観次第である。


 ・通信先C

 女性、作戦士官。

 巨人に命名をしている人、とても真面目で堅物な才媛。

 一見普通の人だが、ボブヘアーで猫耳を隠しているネコ獣人。

 驚いた時には顔は無表情でも伏せていた猫耳が飛び出る。

 祭りの夜には央介らを最高の花火閲覧スポットへと引率した。



 ・まもるくん偽央介号の担当

 女性。警察官。気配りのできる人。

 ・まもるくん偽佐介号の担当

 男性。警察官。真面目な人。

 ・まもるくん偽夢号の担当

 女性。警察官。新人。

 央介らの状況変化もあって揃って御役御免となった。お疲れ様。



 ・ミシェル=ブロウニング

 米陸軍の巨人機械化歩兵実験小隊を率いる中佐。親も軍人。

 刈りこんだ金髪だが純粋白人というわけではなく、アフリカ系も1/4以上入っているらしい。


 真面目でまっすぐで悪い人ではないが、USA!ジャスティス!なタイプの人で、その枠に当てはまらない他の国の道徳に関しては強く当たりがち。

 独身で二人の子持ち。上の子は9歳だが央介より身長が上。


 実験小隊の屯する基地がヴィート率いるギガント戦闘部隊に強襲を受ける。

 その最中、軍規に背いてでも襲撃などに関する機密情報を神奈津川へと転送。

 法律などより、央介ら小さな子供達を守らなければならないという一人の親の行動だった。


 現在は前述の違法行為から軍法廷の監視下に置かれているが、表向きには襲撃事件での重傷から集中治療中ということになっている。



 ・大神 風香 おおかみ ふうか

 20代の犬獣人女性(父親似の雑種モデル)。大神夫妻の次子で次女。一児の母。

 軍大出の予備役で、家事手伝い。

 内縁の夫との正式な結婚を父親に差し止められ、実家に戻ってきている。


 明朗快活で元気なお姉さんママの一方で、正式な軍事教練を受けているために銃器の取り扱いも手際よく、その身のこなしは獣人の体もあって正確で素早い。

 大神姉妹全員に言えるが、強度のファザコン。


 内縁の夫は人間男性で、アキタ県の海岸要塞都市に勤務。

 結婚許可の条件である佐官昇任を目指して実直に取り組んでいる模様。

 息子の名前は『志狼』。大神姓でなくなることを予定して狼の一字をつけたもの。

 同時に近年の獣人家庭はむしろ動物を意識した名を付けるのが流行しており、その流れでもある。

 これは前世代の獣人に好まれた『古風な人間らしい名前』流行の反動とも、獣人が社会で地位を確立している現状の肯定ともとれる。




 = ギガント、叡智を食らう闇の組織 =


 ・クリスタル=エルダース Dr.エルダース

 ガイア財団の盟主として世界に名だたる天才科学者。144歳の男性。普通の体質のはず。

 その一方でギガントの創設者でもある。

 タテガミの様な白髪。あと顔から突き出るほどの眉毛が立派。

 超老齢だが背中は曲がらず、手に持っている杖は杖というよりは機械の操作端末。


 Dマテリアル技術を盗用し、独自研究。

 最終的には補佐体を完全にコピーし、佑介やDダミードライブを作り出し、尖兵として投入してきた。

 更に、人間との連携を必要としない補佐体、タイプ・ブランク――シロ型系列を開発し、新たな魔の手を央介達へ伸ばしてきている。



 ・長手  ながて

 ・足高  あしだか

 ギガントの末端工作員。

 高校から大学生ぐらい。


 頭脳担当で目端が利くが、短絡的で怒りっぽいチビの方が長手。

 肉体担当でのんびりしていて人がいいのに悪党しているのっぽの方が足高。

 目先の利益と名誉だけに釣られてギガントの工作員をしている。

 収監されていたところをプリンセスに助けられてからは彼女の小間使いのようになって働くようになっていた。


 ・プリンセス=エル=エルダース

 ギガントのプリンセス。年齢は央介らと同じぐらい。

 一見、真っ白いお姫様ドレス姿の可憐な金髪少女だが、自身をスポーツ科学の結晶であると自負しており、その言葉通りに身体能力は異常の一言。


 Dr.エルダースの実の娘であり、ギガントのスポーツ科学実験体であるのと同時に、ギガントの高位工作員でもある。

 ただし脳筋なところが散見され、そこまで危険な人物とも言い難い。


 ・アトラス

 プリンセスが持ち込んだギガント製の飛行機械。Dブースターというカテゴリに属する。

 挙動自体はAI制御のため一人でも操縦可能だが、戦闘目的としては2人以上の操縦者が居ることが望ましい。

 UFO的な飛行能力を持ち、搭載している各種兵装はダイダラボッチに劣らない。

 なお、普段は真っ赤なレトロ自動車に擬装して町中に潜んでいる。


 特筆すべきは、触手状のケーブルを展開して巨人に取りつき、その制御を奪い取るドミネート・ドライブが可能。

 また、事前にどういう巨人が現れるか、というのをDアナライザーという機器で分析できるようになっており、巨人の異常現象を生かした戦いを挑んでくる。



 ・佑介  ゆうすけ

 エルダースによって完全にコピーされた佐介。

 記憶から能力まで全て、複製時点の佐介そのもの。

 ただし、複製されてから独自の経験を重ねだしたため、現在の佐介とは人格面においてどんどん離れていっている。


 ハガネとの戦後、損傷した右腕は再生が不可能になっており、歪な機械質の腕を接続された。

 現在はこれによってシロ型からエネルギーを受け取ることで状態を維持している。


 ・クロガネ

 赤いDドライブ、Dダミードライブを用いて作り上げられた、疑似夢幻巨人。

 元々の外見は左右反転、赤青反転のハガネだったのだが、佑介の改造変化を受けて異形の右腕を持つようになった。

 これじゃコピペ左右反転でコストダウンできないじゃないか。

 この右腕は佑介にとって「ハガネでない異物」という認識のためか、切り離しての攻撃などハガネとは異質な攻撃が可能になっている。


 クロガネの技は、ハガネ(央介)に可能なことはほぼ可能。

 ただし、技名の接頭がアイアンからスティールに置き換わっている。


 南米連邦の基地においてヴィートの襲撃を妨害。

 これはエルダースの「したいようにすればいい」という指示から。

 またそれがヴィートの凍結攻撃への対抗策のヒントを央介らに与えた。



 ・シロ型(Type-blank 01)

 Dr.エルダースに作り出された佑介の補佐体。

 大型の機械に張り付くように、少年の上半身が接続された姿をしている。

 正確には上半身だけだから少年か少女か不明。

 しかし柔和な表情と長い髪、佑介への反応はむしろ女性的っぽくもある。


 佑介を至上の存在として考えるように作られており、暴力を振るわれることすら至福の事と感じている。

 彼の人格と言えるものは、ほとんどそれだけで出来上がっており、佑介様佑介様の一点張り。

 なお、央介も尊重の対象ではある。


 本来は機械的にPSIエネルギーを作ることが目的の実験機かつ、佑介のバックアップ担当。

 一度敗北してからの佑介の不安定化もあって、そちらへのエネルギー分配を行うようにも改造された。


 外部で行動する際は、アトラスと同系列の銀色のDブースターに接続された姿になっている。

 この姿においての自衛軍から付けられたコードは「シルバーデビル」。


 タイプという名前のとおり、複数体の生産計画があり、それは思わぬ場所で央介達に牙を剥いてきた。


 ・シルバーデビル

 シロ型がアトラス型を経由して投影した白銀の巨人。

 ローブを纏った下半身の無い亡霊、といった姿。

 ローブから覗く顔面部は西洋兜のような形をしている。


 見た目通りに浮遊して行動が可能。

 更にその状態からPKサイコキネシスシステムとして、ファイアー、サンダーといったPSIエネルギーを伴った各種現象攻撃を投射してくる。


 クロガネがMRBSで無力化出来るようになっている現在は、むしろ危険なのはこちら側。

 しかし佑介至上主義のために、そもそも能動的に戦闘を挑んでこないとも言える。



 ・島のコアシステム(Type-blank 02)

 シロ型の2号機。

 誰かを補佐するという存在意義を持たないためか、確固たる自意識を持たない補佐体。

 核融合炉と接続された金属カプセルの中には1号機とよく似た姿があったのだが、製造者のエルダースぐらいしか知る者はいない。

 下された命令通りに島のバリアを形成し続けていたが、その破壊によるフィードバックから大きくダメージを受け、機能を停止した。

 JETTER OKの調査隊に回収されたという噂もある。



 ・量産型補佐体(Type-nigreos) 自衛軍の戦闘コード:スティーラーズ

 佑介をベースに開発された量産型の補佐体。

 顔や背格好は央介そっくりだが、戦闘装甲を身に纏っている。

 特定の主を持たない補佐体。独自の数字言語を口にすることがある。


 内蔵電源式でPSIエネルギー発生時間に限界はあるものの、それでも機械だけで巨人性質をもって攻撃防御が可能となっている。

 なお電源は内部電池以外に、アトラス系列からの無線受電も可能となっており、そちらがいる場合は更なる長時間にわたっての活動が可能。

 自己の破損を意識しない大きな群れが、陸海空の環境を問わず襲ってくる恐怖の軍隊である。

 機密保持のために自壊システムが搭載されており、残骸はほとんど残らない。


 巨人性質からくる防御力は強力で、軍が用いる通常兵器は殆ど無力化してしまう。

 特に重砲撃やミサイル、ドローンなど機械制御された人間の意思が届きにくい兵器ほど効きにくくなる。

 弱点としてはある程度はMRBSに耐えられる構造ともなっていても、人間サイズであるために限界値はある。


 最大の特徴としてアトラスのドミネート・ドライブを小型化したものを搭載しており、巨人と融合し制御を奪い取ることが可能。

 これによって補佐体の戦闘判断力を持ち、MRBSを無力化し、更にロジカル現象までも駆使する巨人が発生する。


 ヴィート旗下にはPSIリレーション機能を追加され、外部から伝達された“超能力”を利用してくる新型が現れた。

 当然ながら能力を流し込む主が必要になるのだが。


 ・量産クロガネ(Type-nigreos mode: A)

 新型のスティーラーズが佑介と同じ方式で巨人形態に変化したもの。

 特に巨人化の専用機種が居るというわけではなく、新型スティーラーズは全てこの形態になることが可能。

 補佐体形態のままでいるのは、小さいなら小さいなりに戦術が増えるからである。


 デザインとしてはハガネ・クロガネに似ているが、ハガネであれば央介が収まっている兜内部の発光体が存在せず、更に頭部側面の主砲がない。

 代わりに右手をチェイン・キャノンかクロー・ブレードのどちらかに変化でき、遠近を分担して戦う。

 内蔵電源で稼動しているのだが、巨人を出現させるために大きく電力を用いるために持久戦には弱い。



 ・アトラス量産型 ギガント制式コード:ギガンテス

 ギガント製の飛行機械Dブースターの無人型。透明化していない場合のカラーリングは迷彩緑。

 アトラスやサイクロプスで得られたデータから完成を見て、ついに組織名を冠する機種となった。


 アトラスをベースに量産型補佐体スティーラーズが制御するようにしたもので、人間は乗っていない。

 小型ながら大出力の動力炉搭載のためにスティーラーズの巨人性質の時間制限が長く、アトラス同様にMRBSも無効化できる。

 また搭載されているスティーラーズがドミネート・ドライブを用いることで巨人と融合することも可能。


 スティーラーズ運用のためのもので、一機につき格納形態のスティーラーズを30機ほど格納しており感知不能状態で戦場へ進入、スティーラーズを投入しては離脱という戦法を行っている。



 ・白雪のヴィート  はくせつ~

 年齢不詳。性別不明。ギガント戦闘実行隊の司令官。巨人ベルゲルミルの投影者。

 3m前後の鎧を着こんだ巨漢に見えて、機械仕掛けの鎧をまとった凍結能力のサイオニック少年。

 年恰好は央介らと大差なく、肌は色素を感じない色で、髪は白銀。

 巨人を投影せずとも、クライオ・キネシスによる時間凍結攻撃を自在に操る。

 何かと北欧神話の単語を引用する。


 蒼白の巨大な鎧の内に実体があり、その実体だが四肢全てと内臓の一部は凍傷で失っている。

 鎧は生命維持装置と活動用の義肢を兼ねたもの。


 産まれ持った強力なサイオニックで、危険な能力故に実の親からも危険視されて吹雪の中へ捨てられたと語り、その経緯もあってサイオニック至上主義。

 ギガントすら踏み台だと言ってのけ、サイオニックやPSIを扱える巨人能力者を束ねようとする野心を剥き出しにしている。


 本人も知らないサポートシステムにより幾度か窮地を抜け出しているが、その事を知覚していない。

 そのサポートによって決戦最後に離脱、しかし既に致命傷を負っていた――。


 ・巨人ベルゲルミル

 強大なクライオ・キネシスを駆使する、ヴィートの巨人。

 北欧神話に語られる巨人の名前を名乗っている。


 ヴィートはPSIによって存在全ての運動エネルギーをD領域に移相させてしまうことで、物質的な時間を凍結させてしまう力を持つ。

 結果、物理的な側面を伴った現象全てを停止させることで、絶対的な制圧と防御を同時に行う事が可能。


 ただし、Eエンハンサーの怨霊体やPSIエネルギーから成る巨人にはその効力は十全には働かない面もあり、ヴィートへの直接攻撃が有効だった。

 しかしベルゲルミルを投影し、ヴィートが巨人内部のD領域に移動してしまえば、その弱点にすら攻撃が届かない状態となる。

 すなわち攻防無敵の巨人である。


 実際、戦闘においては何者もダメージを与えることができないままだったのだが、同じ位相のPSIエネルギーとD領域において特異状態を作り出す、亜鈴の巨人エメラダによる環境制御はベルゲルミル自身の凍結との干渉を起こした。

 これにより時間凍結による防御能力が暴発、そのまま自身までを凍結させてしまうという失態に陥る。

 そこから何者かの不明な干渉により状況からは脱出しており、これについて央介はギガント側により未知のサポートシステムが仕掛けられていたものだと考えている。


 ステインレス・ハガネとの決戦の末に、Sハガネに刻呪刀の絶大な力を合わせた超常攻撃を受けて大破。

 そのままにトドメを刺されるところを再び発動した何らかの干渉を受けて、超々高速の離脱を行っている。


『凍結攻撃』:時間凍結を宿した氷柱槍や、地面で波打ち突き出す氷筍による攻撃。ヴィート状態でも用いる。

『不可視凍結領域』:時間凍結の空間を罠として周囲に配置している。過冷却に似た状態を維持する加減で、そこまでの大範囲&複数配置は出来ない。

『ヴァナルガンド』:北欧神話の大魔獣フェンリル狼の別名。ベルゲルミルの両腕に最高まで収束させたクライオ・キネシスを纏っての格闘攻撃。光子や電子の運動すら静止させるためにドス黒い氷として見える。

『ヨルムンガンド』:北欧神話の大魔獣ミドガルド大蛇の別名。ベルゲルミル内部にはヴァナルガンド状態同様の超静止凍結の骨格がある。それ自体を延長しての捕縛攻撃。流石のヴィートも消耗を起こすので多用はしない。

『SLEIPNER』:詳細不明。ベルゲルミルに潜む何者かが発動させた機能か能力。これにより大破したベルゲルミル及びヴィートを超高速離脱させた。



 ・レディ・ラフ

 ギガント戦闘実行隊の副官と名乗る仮面の女性。年齢不詳。本名不明。

 その作戦コード通りに微笑みを絶やさず、声にも常に笑声の響きが混じる。


 搭乗機の青いアトラスのステルス機能を駆使しての神出鬼没。

 上官であるはずのヴィートとは行動を別にしているのか、揃って現れるとは限らない。

 また巨人技術に通じているらしく、新規の改造を加えたスティーラーズ3機を投入。そこから3体合体巨人の外典公を作り上げて見せるなどもしてみせた。


 都市制圧事件の後に致命傷、あるいは既に死に至っていたヴィートを回収し何処かへ消える。

 果たして彼女の目的は……。


 ・青色アトラス ギガント制式コード:サイクロプス

 ギガントの高位構成員などが乗るDブースター。

 アトラスからの先行量産型に搭乗員に合わせた各々のカスタマイズが施されている。


 有人型には量産アトラスやスティーラーズの指揮機能に関わる装置が搭載されている。

 また、ヴィート機には義肢鎧と接続する戦闘支援システムも搭載されていた。これはサイクロプス1機で小規模な要塞都市の電子戦機能に匹敵する性能を誇り、それがヴィートの戦闘力を大きく引き上げている。


 系列的にドミネート・ドライブ機能も搭載されているはずだが――。



 ・スティーラーズ特殊改造型(Type-nigreos: boosted01~03)

 レディ・ラフによって独自の改造を受けたスティーラーズ。

 巨人レコーダーを接続されており、過去にデータ回収された巨人を復元でき、そこから更なる特殊機能を発揮する。

 そして選ばれたのは蹴球王、排土王、飛隼王だった……。


 ・外典公

 スティーラーズによって復元された3巨人が機械的に結合された強化巨人。

 蹴球王の火力・出力、排土王の堅牢性、飛隼王の機動性を、各巨人を主体にした形態ごとの強化に利用している。

 また結合せずとも復元巨人3体として活動することも可能で、央介はその偽装に惑わされて痛撃を受けてしまった。

 巨人隊を一度は全滅までに追い込むが、ステインレス・ハガネの暴走した力の前に撃破される。


 ……悪役&新形態の噛ませにしてしまって色々とごめんなさい。


 ・外典1式

 蹴球王を基礎とした陸戦・火力重視形態。

 飛隼王の飛翔能力を踏み込み速度、排土王の強度・重心を格闘強化に用いている。

 高威力高精度の空手格闘術に加えて、全出力をサッカーボール型エネルギー弾として蹴出するシュート・ザ・サンシャインはハガネすら消し飛ばす威力を誇る。


 ・外典2式

 飛隼王を基礎とした空戦・機動力重視形態。鳥型だった飛隼王と違い翼を背負った人型。

 華奢だった飛隼王の翼構造を排土王の強度で補い、飛行の出力は蹴球王から奪うことで飛隼王以上の速度を得ている。

 両腕には馬上槍のように伸びた尖爪が構えられており、高速飛行からのランスチャージが脅威。


 ・外典3式

 排土王を基礎とした防衛・防御力重視形態。

 腕部に蹴球王の出力を加えたことで掴みかかりの射出速度が上がり、下半身の車体部には飛隼王によるホバー機動を加算している。

 これにより弱点だった要塞都市の地形依存という面をカバーしている。

 相変わらず反撃のタイバンザン返しは痛烈。

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