37.5 ここまでの人物とメカニック紹介・上巻
激動の第3章もついに終了! これもひとえに皆さまの応援のおかげです。
戦いに倒れた央介と紅利はどうなってしまうのか? 身バレを恐れず踏み込んだあきらの処遇は? 未だに央介が抱えている秘密とは?
姿を現さず沈黙を続ける佑介、主が倒れて不気味な活動を始めたレディ・ラフ、そしてギガントの支配者Dr.エルダースとの戦いは?
全ての決着は、最後となる第4章にて。
ご期待ください!
さて今回は毎度となっております章終わりの幕間オマケコーナーでありますキャラ&巨人、ある程度のメカニック紹介。
ある程度の省略はしておりますが、エピソード追記などで流石に分量が巨大化しまして上・下の2本に分けました。
例によって例のごとく色々とぶちまけて、作者の趣味暴露にパロディ懺悔や伏せ字含む内容となっておりますので、作品空気を台無しにしたくないという方には読み飛ばしを推奨とさせていただきます。
また、その他「この辺の設定気になるんだけど」「このキャラの情報知りたいんだけど」などのご質問があれば感想などへよろしくどうぞ。後のストーリーのネタバレに掛からない範囲で情報公開したり、即興で考えたりします。
ではまた、小さなブリキ玩具劇場でお会いしましょう。
=たたかう子供達=
・多々良 央介 たたら おうすけ
主人公、小学6年生の男の子。夢幻巨人ハガネの投影者。
かなり小柄。きちんと撫でつけた髪の中で前髪一房がアンテナのように飛び出ている。
一人称は「僕」
巨人にかかわる事件で友人や学友を傷つけた失態から、表情は俯きがちで、人間関係はやや受動的だった。
しかし、神奈津川小学6年A組のクラスメイトとは無人島事件を共に切り抜けたことで大きく人間関係が切り替わり、大分前向きとなるまでに回復している。
ただ回復したとは言っても、夢が語る過去の央介――真逆と言って良いほど能動的で活発、少々配慮に欠く勢いで前に出ていくというものとはまた別の方向のようだ。
本人も反省や後悔から自分を変えてきたと意識しており、「僕」という一人称を含めた態度は、自分より大人っぽく礼儀正しいという認識だった幼馴染の辰を参考にしてのもの。
幾度か巨人事件の根幹にかかわるような過ちを犯していることを告白しようとしているが、その真実は――。
紅利とはいくつかの苦難を共に乗り越え、互いに想いを寄せ合う仲となる。
更には巨人同士での融合という未知の現象を引き起こすまでに至った。
その威力は絶大ではあったが大きなリスクを伴うもので、ヴィートとの決戦の末、勝利と引き換えに二人は意識不明の重態に陥った……。
幼馴染の夢とは、元々は子供ながらに将来ケッコンするのしないのという間柄だった。
しかし央介が引け目に抱えている以上、二人の距離が回復することは難しいだろう。
もう一人の幼馴染、辰とは長年の信頼あるライバル関係だったが、総合的には央介の方が一歩先というもの。
そして長い小学生生活の間にこれは辰も受け入れるようになっての友人関係だった。
心の力的なナニカ:不屈、必中、鉄壁、熱血、闘志、??
・佐介
央介のパートナー、人造人間。虚構領域制御補佐体第一号。
37話ぐらいで完成してからそろそろ1年。
見た目は央介そっくりで、髪形だけは右目隠れ。
一人称は「オレ」、内心では「僕」
性格は「頭は良い上でヤンチャな少年」といった様子で、引っ込み気味な央介に対し、前に出ていくように動き、毒舌も多い。
その様子と一人称の「オレ」という振舞いは昔の央介を再現したもので、かつての央介の立ち位置を補完し、いつか彼がそこに戻れるようになった時のための行動。
また思考面では夢や辰ならこう立ち振る舞っただろうという部分が含まれており、央介に欠けた部分を徹底して補っている。
脊椎や全身に含まれる有機神経を利用することで独自のPSI出力が可能で、それらは主にハガネの出力に加算されている。
更に左手首の新装備Dブレスレットを利用することで、左腕部をハガネ主砲に似た攻撃器官『レフト・バスター』へと変形させる能力を得た。
これによりアイアン・チェインなどを人間形態でも扱えるようになっており、より白兵戦での能力が高まっている。
ハガネ・ルビィ融合形態のステインレス・ハガネとは相性が悪いのだが、ベルゲルミル決戦において莫大な負荷を受けながらもSハガネを支援し続け、光子回路が焼損一歩手前まで行き、最終的に緊急自動閉鎖を起こした。
これは佐介のDドライブ光子脳が央介のPSI受信に最適化されているための結果。
仮に、それを通常利用可能とする場合には“佐介を大規模に改造し、央介以外の他人の精神とも融合できる”ような状態にまでもっていく必要があるが、上太郎は絶対にそのような改造を加えないだろう。
心の力的なナニカ:加速、集中、閃き、努力、献身、??
・夢幻巨人 ハガネ
央介が投影する『巨人』
身長は10m程度で、全体的な色は名前どおり鋼鉄の黒と銀、粗削りな金属の鎧を着こんだ巨人で、制御された巨人である夢幻巨人を示す青い発光線が全身に走っている。
戦闘スタイルは、拳術や棒術などを用いた格闘近接戦が主体で、鉄鎖を利用した絡め捕りなども得意とする。
佐介が融合した夢幻巨人形態では、頭部左側に『主砲』と呼ばれるバイクのマフラーを模した器官が生え、そこからの投射物も攻撃に加わる。
央介単独でもチェインやロッド、スピナーは生成は可能ではあるが、それらは安定性に欠けており、長距離では攻撃効果が霧散してしまったり央介の意識が逸れると消えてしまったりする。
『アイアン・ロッド』:多々良一芯流の主な武器である鉄棍『鋼芯』を模した鉄棒を発生させる。格闘に防御に万能。
『アイアン・チェイン』:主砲から銛や分銅の付いた鎖を発射する。複数本にしたり網にしたり巻き取りしたりも可能。便利なのでやたら多用。
『アイアン・ショット』:この期に及んでも名前が出ていない技。『主砲』から金属の塊を撃ち出す。組み付いて両手が塞がっている時の追加攻撃手段でもある。
『アイアン・カッター』:切断力の高い円盤ノコギリ状の刃を撃つ。撃ちっぱなしだけでなく輪内を持つことで近接斬撃武器として用いることも。
『アイアン・スプリング』:ハガネが投げ飛ばされて地面に叩き付けられかけた時の咄嗟の対応。強烈なバウンドは敵にも味方にも予測不能の挙動を生む。
『アイアン・スピナー』:一芯流の口伝などから偶発的に習得したハガネの必殺技。
鋼鉄の螺旋錐を作り出し、その回転によって集束されたPSIエネルギーにより、作用が最も大きく・範囲が最も小さくなる芯央で相手巨人の流入中枢のみを貫く。
また、ハガネの投影規模が恐ろしく小さく圧縮されて前方へ推進されて吹き飛ぶことから、回避の技としても使える。
『アイアン・ダブル・スピナー』:命中性に難のあるアイアン・スピナーに対し、アイアン・チェインでの螺旋拘束を用い、チェインをガイドレール及びフライホイールとすることで精度と速度の上昇、対象の行動阻害を同時に行う必殺技。
・珠川 紅利 たまかわ あかり
もう一人の主人公。小学6年生の女の子。紅靴妃・夢幻巨人ルビィの投影者。
3年前の事故により両足、膝下からを失っており、義足を着用した車椅子生活だったのだが、多々良夫妻によって開発された巨人義足を着用するようになって過去の彼女のアクティブらしさを取り戻しつつある。
立った姿では央介より背が高い。
また不自由な体で髪の毛に手を入れる手間から髪形はベリーショートにしていたが、それは既に彼女自身で選ぶスタイルとなった。
なお年齢の割に女性として立派な物をお持ちなのだが、それは車椅子が使いにくい環境では両腕で行動を行っていた加減で、胸筋周りが発達していたのが原因の半分。
社交的な表面に対し、卑屈で僻みっぽく、臆病。自分の利得は手放せない。その場に流されて肯定の方向で動いてしまう。それが彼女だった。
しかし、央介との出会いと巨人同士の戦い、そして自身の中に潜む紅靴妃を理解したことで、巨人義足での自立とはまた別の意味で“自立した人格”へと成長。
そしてついに紅利は自分から行動し、想いのままに央介と共に戦うようにまでなった。
夢とははっきり恋愛のライバルとなる。
実は央介は夢に振り向けない部分を抱えているため、かなりのアドバンテージ。
それでもまだ夢の古女房ムーブには追い付けない事が紅利の絶え間ない努力の原動力となっている。
心の力的なナニカ:応援、集中、信頼、気合、ド根性、??
・紅靴妃
紅利が投影した巨人。赤く燃えつづける切り離された両足と、血色の流動体でできた上半身で構成されている。
また副産物として、紅利自身に彼女が失った足の巨人体を構築する。
攻撃性開放により、周囲に接近するだけで両足への幻肢痛を与えるようになり、更に女性への脚部消失現象まで発生させる危険な巨人。
・夢幻巨人ルビィ
央介の窮地に、紅利が義足用Dドライブのリミッターを開放したことで出現した巨人。
一応、紅利の義足が出力制御補佐を行っているために分類上は夢幻巨人。
脚部の外見こそは紅靴妃なのだが、上半身はハガネをモデルとしたデザインとなった。
これは紅利が抱えた悪夢と折り合いをつけ、そしてそれよりも強い情熱を得たことによるもの。
これ単独では大した戦闘力を有していないが……。
『ホット・タッチ』:並大抵の巨人なら焼損を起こすほどの熱量でのお触り。ヴィートによる凍結を解除したり防御したりの活躍。
『ホット・テリトリー』:灼熱の領域を展開し、様々なPSI現象の侵入へ抵抗する。やはりベルゲルミル相手での特効。
・ステインレス・ハガネ
央介のハガネと紅利のルビィが融合合体を起こした形態。紅蓮の巨人。
ハガネの全身を、ルビィが包み込むような形で形成される。
形状としては一回り膨れ上がったハガネなのだが、全身が赤熱化している。
3体合体から成る強力な巨人・外典公に対して窮地に陥った央介を庇うため、紅利がルビィを出現させて乱入、そして紅利の強力な願いを受けて二つの巨人が融合したことで発生。
既存巨人とは一線を画す異常な能力と破壊力を誇り、外典公を圧倒撃破。
しかし央介と紅利の精神混乱も同時に引き起こしていた。
それでも、あきらと木花のPSI・魔法の同時支援により辛うじての停止に至る。
この状態は、完全な暴走状態であったために危険性から上太郎・大神両名から徹底した再度の発動禁止を受ける。
事実、この形態を野放しにした場合、央介と紅利の人格は融合崩壊を起こして神経不全からの死に至る危険性を持ち、あるいはそれ以上の人類全体規模の危機を引き起こす恐れまでもあった。
しかし、央介・紅利はステインレス・ハガネの危険性を理解しながらも、最終手段としてヴィートのベルゲルミル相手に発動。
更に、九式先任一尉から受け取った刻呪刀がもたらした超絶現象も加えることでベルゲルミルを大破、ヴィートに致命傷を負わせ撃退に成功した。
異常な力の原因は男女陰陽による合体からくるもので、どちらかというと魔法に近しい力だともいう。
なお以前に無人島から脱出した際の超アイアン・スピナーも似た原理のようだ。
『ステインレス・スラッシュ』:Sハガネが手足を軽く振るだけで発生する強烈な斬撃。強化された巨人、外典公ですら一撃で四肢が千切れ飛んだ。
『ステインレス・スピナー』:央介と紅利の二人の生命からなる二重螺旋。威力は極大、敵は消し飛ぶ。一方でスピナー系の弱点である状態変化に弱いという面は残っている。
『多々良一芯流奥義・比翼:火の鳥』:多々良一芯流の奥義である大地を利用した引き絞り・振り抜き技『火の鳥』を、『刻呪人造神魂刀:太刀・渦巻く朱鳥の杖』を手にした央介と紅利の二人による比翼で放ったもの。ベルゲルミルの絶対凍結防御すら貫通し、撃破に至った。
・黒野 夢 くろの むう
小学6年生の女の子。虚構領域神経波投影体2号、未確認巨人No.3、および夢幻巨人アゲハの投影者。
央介の幼馴染で、央介ラブ勢の褐色元気娘。
一人称は「むー」。
何かと蝶のデザインを好み、髪形はセミロングに蝶を模したでっかいリボン。スタイルはスレンダーに高身長。
子供っぽい喋り方と屈託のない距離感からは理解しづらいが、物事を理論立てて考えるのが得意。
補佐体テフの冷静沈着な思考力はこちらの影響あってこそ。
ただし夢本人は央介絡みだと感情的になりがち。
幼い頃の遊びで多々良流の基礎が身についている上で、軍から基本的戦闘技術も教わっている。
挙句に医者の娘で医学知識まである。ハイスペック小学生。
大分巨人とも戦い慣れてきたため、以前ほどのうっかり被害は受けなくなっている。
巨人事件で引け目ある央介から遠ざけられているのは理解した上で、まだまだ諦めはしていない。なんなら紅利との三角関係も楽しんでいる。
心の力的なナニカ:必中、集中、突撃、熱血、不屈、??
・蝶
夢のパートナー、人造人間。虚構領域制御補佐体第二号。
やはり夢とは見た目は変わらないが、リボンの色が違って常に真顔。
一人称は「当機」「当機テフ」
常時冷静で、必要ある以外では発言せず普段は自己主張もしないが、無機質で事務的にも丁寧な応対するのはむしろ個性的。
佐介も実態はこんな感じの冷静路線、逆に言えばテフも佐介のように年頃の子供のように振舞うことができる。
佐介より身体を構築する機械の比率が高い。
その上で父親といえる黒野博士の趣味から、体内にはケミカルプラントと医療診断AI、護身用の機器を多数内蔵する「動く野戦病院」。
その分、佐介のようにPSIエネルギーの発生は不可能となっている。
また、央介らのDドライブに破損欠品が出た場合のスペアDドライブを体内に秘蔵していた。
これらはユーザーが固定されていないタイプだったために、学校籠城の際に6年A組の子供らに渡り、ヴィートの軍勢に立ち向かうための新たな巨人を作り出すこととなった。
心の力的なナニカ:偵察、閃き、信頼、補給、狙撃、??
・夢幻巨人 アゲハ
夢とテフによる夢幻巨人。
コート状の可動装甲、通称「翅」を纏った姿で、一方で装甲の内側はハガネと比べてかなり華奢な姿。
戦闘スタイルは『MRBS(マグネティック・レゾナンス・ブレイク・システム)』による遠距離射撃が主体。
翅には要塞都市から供給される武装を装填できる構造となっている。
そうして装備された全ての砲身を運用してありとあらゆる角度への射撃が可能。
更にアゲハの手のひらにはハガネの主砲に相当する器官があり、そこからデリンジャー銃型の攻撃器官を生やしての刺突攻撃『バタフライ・キッス』、拘束用ワイヤーを飛行牽引する蝶型端末『バタフライ・シルク』を生成などが可能。
しかし、テフの機械比率もあってかハガネほど自由自在に道具を形成して出す、という芸当は出来ない。
なお翅は大きく展開時に蝶翅のようなシルエットにこそなるが、これで飛べたりはせずあくまでも装備している武装やアゲハ本体を守るための装甲板。
これらは発生から制御までテフが行っており、巨人状態でのテフの手足と言っても良い。
そのためテフが融合していないときの“巨人アゲハ”は、翅がない姿となる。
『バタフライ・シャイン』:磁力共鳴破壊機構、MRBSを用いた射撃。Dマテリアルなどを狙って粉砕できる。ただし共鳴周波数不明の物体は破壊できない。出力上昇・周波数調整により量産型補佐体スティーラーズ程度は破壊可能になった。
『バタフライ・シルク』:アイアン・チェイン同様の拘束技。先端で蝶が牽引する繭糸を飛ばす。ややチェインより強度は低く打撃力はないが、先端の蝶が自由飛行したり、ワイヤーを視認困難にしたり、また絹糸を張り巡らせての監視結界を作ることもできる。
『バタフライ・シルク・ウィーヴ』:翅部分の武装モジュールが空だったために、全てをシルク発生器官に変えての大並列発射。足止めに加えて相手巨人のもつ接触性の特異現象などの分析にも役立つ。
『バタフライ・キッス』:アイアン・スピナーを参考にした攻撃で、デリンジャー拳銃型攻撃器官からドリル槍を伸ばして巨人の攻撃力を一点集中、相手を貫く。意外に取り回しは軽く、連撃を繰り出すことも可能。
『補給』:翅内部にはMRBSと一緒にマイクロ波受電機構が装備される。これによって要塞都市から無尽蔵といっていい電力を受け取り、電池類を急速充電できる。
・根須 あきら ねず あきら = “サイコ”
小学6年の男の子。武力王の投影者。
強力なESPタイプのサイオニックで、央介の協力者。
割とヤンチャそうな外見をしていて、常に真っ赤な野球帽をかぶっている。
帽子の下、額には大きな十字傷がある。これは父親からの虐待でついたもの。
一方で父親から貰ったロボット玩具、ブリキオーが宝物。
テレパシーで世界の良い面も悪い面も見放題の結果、擦り切れた皮肉屋。
一方で子供っぽい部分も多く、いたずらっ子。
サイオニックである両親からの遺伝により強力なサイオニックとして産まれる。
しかし能力に対する行き違いから両親は離婚、更にはとっさの自己防衛から父親の精神を破壊してしまい、以来は操り人形となった父親との二人暮らし。
その能力は強力で、支配的テレパシーによる他者の脳内情報の“読取り”だけでなく、“誘導”、つまり神経系への侵略、精神や記憶の破壊、行動の操作までも可能。
しかし、PSIの網を視認基準で伸ばして相手のPSI・神経系へアクセスする、という能力のため、相手の居場所が分かっていない場合は能力の使いようがない。
なお彼の持つESP=超常感覚能力はテレパシーのみであるため、テレパシーを介した第三者の主観までしか知覚できないという欠点があることが判明した。
つまり、彼の読心をもってしても何か見落としている物があるのかもしれない。
対ヴィートの学校防衛戦では、ヴィートの傲岸不遜な思想を否定するために前に出、更に連絡が可能な能力を持つことから司令官を買って出た。
当然、それはクラスメイトにも自身の能力を明かすことにもなり、彼の決意のほどがうかがえる。
遥か遠くアメリカにテレパシーフレンドの恋人、アンナ(金髪碧眼美少女、現アメリカでは希少人種)がいる。
名前、テレパシスト、サイコでよろしく、赤い野球帽、元ネタがそれぞれわかりやすいね!
心の力的なナニカ:偵察、感応、先見、脱力、友情、??
・武力王
あきらが意図的に投影した巨人。
見た目は数年前の人気ロボットアニメヒーロー「ブリキオー」
しかし表に出ている部分はあきら自身のPSIエネルギーの網から出現させている人形のようなもの。
『バベルブレイクキック』:ブリキオーの垂直飛翔からの落下加速度を加算した必殺キック。
『液体化巨人呪縛』:武力王の姿を捨てて流体状態になっての拘束。
『サイコキネシス・ジブン』:あきらが持つ「きわめて微力なサイコキネシス」を、純粋なエネルギーとしてぶつける技。巨人相手には特効だが消耗も大きい。
・竜宮 辰 たつみや たつみ
小学6年相当の男の子。虚構領域神経波投影体3号、未確認巨人No.4及び夢幻巨人ミヅチの投影者。
央介と夢の幼馴染で親友。身長は高め。
割とノリは軽く、一方で丁寧。妹が一人いる。
口調が現在の央介に、思考路線が佐介に酷く似ている。
というのも、元々は“突撃火の玉”タイプだった央介と、それに付いていってしまう夢を抑える役目は彼がやっていたため。
そして彼が後述の事件で倒れて居なくなったことから、央介が辰を見本として自主自制するようになり、思考の代行は佐介が行っている形となる。
その辺の事情もあって辰が復帰以後は佐介が口出しする機会が減って静かになってもいる。
初期の巨人事件で、彼の巨人がギガントに操られて撃破されたことで、意識不明の重体に陥る。
以来、新東京島で昏睡状態にあると思われていたのだが、本人自身は肉体を動かせない一方でPSI精神体を出力して外部を感知する――ある種のESPに似た状態となっていた。
何とか復帰できないか、央介らと合流できないかと孤軍奮闘を繰り返す内に、精神体の飛行能力を獲得。その能力をもって神奈津川にまで到達し、央介らとの接触を試みる。
そして巨人事件の最中、偶発的に条件が揃って央介らとの対話に成功し、ついに三人の合流となった。
運動は苦手なわけではないが、央介と夢が体育オバケの分類なので陰に隠れがち。
ただしゲームにおいては二人が束になっても勝ち目がなく、高い反応速度と細かなテクニック、状況全体を見て必要な数字を揃えておくという手腕を備えている。安定のハイスペック小学生。
飛行能力を持つ夢幻巨人ミヅチを操り、ハガネやアゲハを支援。
またゲーム理論からくる戦術の見極めは仲間を何度も救っている。
実は夢に横恋慕気味。しかし央介と夢がお似合いだとも感じて身は引いていた。
心の力的なナニカ:集中、閃き、加速、友情、激励、??
・蜃
辰のパートナー、人造人間。虚構領域制御補佐体第三号。
やはり辰にそっくり。
まったく表に出てこないのだが、ミヅチは彼をコアとして出現していることがある。
補佐体としての起動時間が短いためにまだ独自人格が育っておらず、ほぼ辰のトレスだけで行動している。
・夢幻巨人 ミヅチ
都市要塞の医務室で眠る辰が遠隔操縦している夢幻巨人。
人型をしておらず、巨大で鋭角的な双胴型戦闘機の形態(ビック・〇イパー風)をとっている。
普通の人間の制御下にある巨人として珍しい完全飛行能力をもっており、ハガネ・アゲハの支援に飛び回る。
機体前半に2本のワイヤーアンカー状の腕があり、それを用いた巨人の牽引が可能。またこれはハガネらを甲板上に載せた際の命綱としても機能させている。
飛行能力と積載能力に意識を集中させる必要があるため武装という意味では貧弱。
その辺はMRBS装備などで補っている。
『スネーク・レーザー』:後付けで装備したMRBSの照射。ほぼ前方にしか撃てない。
『スネーク・ミサイル』:RBSの技術を利用した振動子自体をぶつけるミサイルを放つ。巨人内部のDマテリアルまで届きさえすれば破壊伝導率100%の強烈パンチ。
『スネーク・マーカー』:辰の遠隔感知力・投影力を利用した目印飛ばしの技。これ自体に破壊力はない。
『ラム・アタック』:ミヅチの尖った前方衝角でぶっ刺さる。わかりやすい。
・狭山 瑠香子 さやま るかこ
小学六年生の女の子。狭山一尉の娘。クラスメイトの悪ガキ組。クモザル類のEエンハンサー。
物を掴める長い猿尻尾、アクティブな女の子なので常にパンツルックだが、髪形は割と女の子らしい長めの二つ結び。これは母親の少しでも女の子らしく可愛くなってほしいという考えから。
一人称は「アタシ」で、完全な男勝りの性格。
自分では外せないEエンハンサー封印用のチョーカーを身に着けている。
Eエンハンサー体質の副産物として生まれ持った身体能力は高いが、技術などの鍛えは足りていなかった。更にカナヅチ。
最近はその辺に関して思う所があり、自主トレーニングを始めたらしい。
島事件以来は央介たちに強く当たるようになったが、それでも前線で戦っている者への礼儀だけは母親に叩き込まれているらしく、一線は守っていた。
祭りの夜には浴衣姿で町に繰り出し、そして軍の出店でハガネのお面を見つけ、複雑な気持ちで見つめているうちに次の客に急かされて思わず買ってしまう。
学校籠城の際はクラスメイトを守るべく、央介に封印チョーカーを外してもらった。
初めてのEエンハンサー形態を披露し、学校防衛の最大戦力として多くのスティーラーズ相手に戦ってそれらを食い止めた。
しかし対Eエンハンサー用の電撃端子攻撃を受けたことで戦闘不能にまで追い込まれる。
その後、央介からの救援を受け、彼が戦場へ取って返していった中、央介への密かな恋心をあきらに吐露する。
『格闘』:技術もなにもへったくれもないEエンハンサーとしての身体能力だけでの攻撃。Dビームロッド装備のため物理的防御は貫通する。
心の力的なナニカ:不屈、熱血、根性、気合、集中、友情
・加賀 勝一 かが かついち
小学六年生の男の子。クラスの文化組。構築王の投影者。
髪形は割と長めのを後ろで縛っている。
大工の息子で、親しい人物からは「ががっち」の愛称で呼ばれる。
本質的には温厚で、ケンカは嫌い。しかし口数が少なく、コミュニケーションが苦手。
おまけに思ったことは強く言ってしまうものだから、友達は少ない。
しかし、ここのところ光本とは良好なライバル関係になっている。
紅利とは幼稚園時代からの付き合い。
都市制圧事件では、唯一央介から依頼を受けてDドライブを手にし、巨人を出現させる。
直接戦闘面では目立った活躍こそしなかったが、彼の知識から要塞化された学校は事件の間、級友らを守り続けた。
・構築王
大きな木槌を構えた大工の巨人。
大工の七つ道具を装備しており、それぞれにロジカル現象が潜んでいたらしい。
墨壺のラインに応じての空間組み替えはその一つに過ぎない。
・Gガガッティ
学校襲撃の際、央介による選任でDドライブを渡された加賀が生み出した巨人。
名前は「ががっちが巨大化するんだからジャイアントががっち」という勢いによるもの。……ということにしておいてください。
見た目は構築王と大差ない。よっぽど理想のイメージがはっきりしているのだろう。
央介から依頼を受け、構築王の際に見られた学校組み替えを防衛に転換し、クラスメイトを守るために能力を使った。
戦闘では目立った活躍はしていないのだが、それこそが加賀として最も良い結果を出せたと言えるだろう。
『ディバイド&ボルト』:手にした鑿によって空間を切り分け、墨壺の規格に合わせて動かし、槌によって繋げ合わせて構造物を自在に組み替える。
組み替えた領域のものは巨人性質への強化と、その解除が自在に行える。障子紙一枚が鋼鉄より硬くなったり元の強度になったりするのだ。
『GGG最終融合・学園掛』:学校校舎を丸ごとGガガッティに装着して、動き回れるようにしたもの。ただしこの巨体で戦闘というよりは、安全な場所へ全員避難できるようにという考えから。倒れた央介らの元にこれで駆け付けた。
心の力的なナニカ:必中、不屈、加速、気合、直撃、熱血
・光本 剛 こうもと ごう
小学六年生の男の子。クラスの文化組。火炎王の投影者。
ガラス工房の家に生まれ、引火が危ないので髪の毛は短くしている。
独特の口の悪さと、熱しやすく冷めやすい性格。
大工の息子、加賀とは物作りのライバル関係にある。
巨人撃破の精神的外傷からおねしょをしてしまい、央介に対しては大きな反感を覚えていた。
しかし都市制圧事件では央介への恨み、加賀へのライバル意識。一方で曲がったことが嫌いな性格からDドライブを手にして新たな巨人を生み出し、戦いに挑んだ。
意気込んで前線に飛び出したものの、初めての戦闘経験での恐怖や、央介らの経験からくる圧倒的戦闘力などを垣間見た事から様々な認識を改めることになる。
ベルゲルミル自体の凍結攻撃にこそ歯が立たなかったが、時間凍結の解除に大きく活躍した。
・火炎王
超高温の炎に包まれたガラスの巨人。
この炎は熱こそ本物の炎に匹敵するのだが、あくまでも巨人であり、燃焼反応の産物ではない。
無人島でも疑似個体が出現し、その熱エネルギーはクラスメイト全員を大きく救った。
・巨人:グラス・ソルジャー
都市制圧事件の際に光本がDドライブを手にして生み出した巨人。
名前は草の戦士ではなく、ガラスの戦士から。……ということにしておいてください。
火炎王に似ているが、ガラス部が鎧として表面に現れ、幾分ヒーローらしい形態になっている。
燃え滾る炎は、光本曰く「真っ赤な孤高の魂の炎」、火力はありそうだけど攻撃を当てる前に敵に突っ込んでいきそうだ!
戦闘では火力の高さを披露。
またベルゲルミルに凍結させられていた九式先任一尉らの解凍救出に成功する。
『ガンスター・ファイアー』:でっかい火炎弾をぶっぱなす。並大抵の巨人なら一撃できるほど。
『レイディアント・ファイアーガン』:火炎弾連射からバーナーブレードのコンボ攻撃。
『ガーディアン・ファイアー』:電子的な意味でないファイアウォールを作り出す攻勢防壁。
心の力的なナニカ:熱血、不屈、気合、ド根性、闘志、必中
・有角 くらり うすみ くらり
小学六年生の女の子。クラスの女子グループ組。吸血妃の投影者。
吸血鬼という稀な体質をもち、シスター服のような肌をほとんど見せない日光避けの衣服を常時着用している。
クリスチャンとしての信仰心もあって心優しく、人を傷つけることは良くないことだとはっきり宣言している。
一方、(食欲面で)憧れの男性となった央介の活躍を見たい、血を吸ってみたいと考え、それに関して手段を選ばないなど二面性のお年頃吸血鬼。
都市制圧事件では真っ先に巨人投影に立候補。これは英雄の傍に居ればその血を吸えるという考えから。
巨人という概念を知ったのが早いのもあって自巨人を自在に操り、ついにヴィートを出し抜いて支援機器搭載アトラスを排除してみせた。
その後、返り討ちにあったかに見えてコア部分の巨人コウモリだけでちゃっかり逃げ延びても居た。
・吸血妃
修道女の姿をした吸血鬼の巨人。
有角の抱える吸血衝動から、悪夢王同様の精神深層部までのPSIエネルギーを持ってしまっている。
・キャッスル・ヴァリア
学校襲撃の際、有角がDドライブを手にして生み出した巨人。
名前は古城に棲まう吸血鬼の少女で、キャッスル・ヴァリア。……ということにしておいてください。
デザインとしては吸血妃と大差なく、性能としても吸血妃と大差ない。つまり強い
元々高い攻撃力に加え、音波探知や嗅覚探知能力を利用しての危機回避、コウモリ分裂を利用してのトリッキー戦闘までこなす。
挙句の果てに父親から教わった都市の裏コードまで悪用しはじめた。
有角の吸血鬼の憧れの姿がここにある。
『深紅の爪』:C・Vの高速&高威力の爪撃。
『吸血の牙』:巨人装甲すら食い破る牙。なお血を吸うのではなく、PSIエネルギーを吸収する。
『闇夜の翼』:分裂コウモリによる妨害や支援。これで防衛塔の緊急連絡通信機にアクセスもした。なお中枢コウモリだけでの離脱もこれに含まれる。
『紅魔のミョルニール』:もぎ取った戦車のリニアレール砲へ要塞都市からの大電力を受電し、そのまま殴りつける。巨人の物理破壊力に加えて極大漏電がもたらす電磁パルスと光熱はありとあらゆるものを灰塵と化す。
心の力的なナニカ:集中、閃き、必中、隠れ身、自爆、奇襲
・亜鈴 翠子 あれい みどりこ
小学六年生の女の子。紅利の友達。歌唱妃の投影者。
動画サービスなどで高名な歌手『歌姫少女グリーン・ベリル』として活動する少女。
親しい友人からは名前を省略されてリコちゃんと呼ばれる。
紅利とは幼稚園時代からの付き合い。
歌に対する熱意の加減か、割と苛烈な性格を潜ませている。
一方でハガネが巨人を破壊したダメージにより失声症に陥ってしまった。
流石に歌手活動を休止した一方で、手袋型携帯シンセサイザーによる合成音声により日常会話は可能としている。
学校襲撃の際、自分からDドライブを手にして巨人を生み出して戦いに挑んだ。
元々強力な巨人を持つ彼女の戦いは、ベルゲルミル相手の勝利への道筋を作る。
昔からの友人である紅利と、憎くも決意を信じられる央介に先を託して。
・歌唱妃
超大型の、オルゴール及びメリーゴーラウンド型の巨人。
巨人の歌声が響く範囲の環境を塗り替えるという最大級のロジカル現象を引き起こす。
・巨人:エメラダ
学校襲撃の際に亜鈴が生み出した巨人。
名前は彼女の新曲『神無月の人魚姫』の主題、エメラルド色の髪をした人魚姫の名前から。……ということにしておいてください。
頭翼で無腕の女性型。歌う自分には殴り合う腕は要らないというイメージからのデザイン。亜鈴には割と手が出やすい自覚がある。
なおどうしても手を使う必要が出た場合には、頭から伸びる大きな翼が手の代わりになるんだも。
歌唱妃同様に歌による自己トランスから強力なPSIを発揮し、周囲の空間環境をイメージ領域へ変換。
待ち伏せ不能の平原、遮蔽物の多い大森林、視認ゼロの闇夜の城、無重力空間などを作り出して味方に有利な状況を作り出して支援を続ける。
更に「神無月の人魚姫」によって作り出された海という環境をベルゲルミルにぶつけることで、自身ごと凍結させ最後の時間稼ぎに持ち込んだ。
『やさしい風の憧れ』:昔話の世界に迷い込む歌、周囲を平原として隠蔽効果をゼロにする。
『森の秘密 鉄の木こり』:森を取り戻すため何百年も働き続ける機械の木こりの歌、周囲を巨大な森として防御効果を高める。
『黒い風の中の魔王』:復讐のために魔王と呼ばれても戦い続けた戦士の歌、周囲を闇夜の城に変え視認性を著しく下げる。
『マクロ・スペース&ラブ・アタック』:グリーン・ベリルには珍しいありふれたアイドルソング。周囲の地形環境を無重力の宇宙にする。
『フライト-17』:両親の願いのもと、空へ飛び立つ少女の歌。周囲の地形環境を空中にする。本編の戦闘では未使用。
『神無月の人魚姫』:一人ぼっちの人魚姫エメラダがいつか両親と出会う夢を見るという歌。周囲の地形環境を水中にする。またPSIが構築する“幻想の水”は、ベルゲルミルにとって致命的な効果をもっていた。
心の力的なナニカ:集中、不屈、努力、祝福、情熱、気迫
・奈良 七希 なら ななき
小学六年生の男の子。クラスメイトの悪ガキ組。野生王の投影者。
希少な愛玩用キメラ生物、ウサギネコの獣人。央介よりは大きいが、それでも小柄。
一人称は「オイラ」
兄弟姉妹がとても多い。既に姪も居る。更に最近妹が産まれた。しかし、彼にとってはもう慣れっこなのでいちいち話題にも出さない。
典型的な子分気質で悪ガキ組のマスコット枠。あだ名は「ナナ」
身体能力は学校一で五感も優れている。ただし後者は空腹中は美味しそうな匂いしか感知できなくなる欠点がある。
学校襲撃の際には無理をして立候補した級友を庇い、臆病ながら防衛役を買って出た。
自分が立ち上がるべき時には勇気を振り絞ることができる子である。
・野生王
巨大なウサギネコの巨人。
広範囲の衣服や武装を視認
・接触不能にするロジカル現象を起こす。
・巨人:Qきょくキメラ
都市制圧事件の際に、奈良がDドライブを手にして生み出した巨獣の巨人。頭痛が痛い。
名前はウサギネコの別名が「究極キメラ」で、しかし奈良にはそんな漢字は見本を見せても書けないことから。……ということにしておいてください。
見た目は野生王と大差ないが飾り程度にコウモリの翼が生えた。でも飛べない。
また、何故か頭には黄色い巨大ヒヨコが乗っている。奈良のペットを飼いたい願望が出ているのかもしれない(肉食獣人の家庭でペットを飼うと、動物がストレスで病みがちなので推奨されていない)。
学校側の防衛で活躍するも、敵の大部隊相手に臆病心が優ってしまい巨獣部が消失。
しかし最後には再構築に成功し、野生王の能力を展開してスティーラーズを全滅まで持ち込んだ。
『ひっかき・かみつき・つっつき』:Qきょくキメラの素早く強烈な一撃。お供のヒヨコも一緒につっつく。スティーラーズ程度なら簡単に倒せる。
『絶対野生領域』:Qきょくキメラの咆哮響く範囲の敵味方武装全てが問答無用に無力化される。残るのは野生の身体能力のみ。機械兵器扱いのスティーラーズなどは奈良が巨人を解除するまで消えっぱなしになったり、PSI出力に大ダメージを受けて機能停止したり。
心の力的なナニカ:根性、加速、手加減、幸運、脱力、奇跡
= 支える大人達 =
・多々良 上太郎 たたら じょうたろう
央介の父親。男性、35歳。空間エネルギー理工学者、他にもいくつかの分野で博士号をとってるようだが。
身長は196cmの超長身、研究疲れで猫背。
研究者の白衣はだいぶ汚れているのが彼のハードワークを物語る。
ボサボサ髪の中で、前髪だけはアンテナのように立っている。
一人称は央介などへは「俺」、軍相手には「私」
実家が古武術道場で、生身や棒術を用いた格闘は達人の域。
Dマテリアルを用いた機器を開発しての戦闘支援や、戦闘中での現象分析に日々忙しくしていた。
そんな最中に発生したステインレス・ハガネの件で大きく憔悴する中で附子島少将と共に沖ノ鳥諸島海底要塞へと赴き、とある人物と情報分析を行っていた際にヴィートによる神奈津川制圧事件が発生。
附子島とで緊急帰還し、そのまま現場まで飛び込んでいきそうだった所を抑えられて、外部からヴィートのPSIエネルギーを分析。
そのエネルギーが途絶えたタイミングで現場まで突入し、持ち前の武術を用いて窮地の子供らを救った。
・多々良 雫 たたら しずく
央介の母親。女性、34歳。エネルギー素材理工学者。
身長は152cmと小柄だがトランジスターグラマー。
一人称は「私」
息子達を「おーくん」「さーくん」と短縮愛称で呼ぶ。
目元の柔らかさは央介に遺伝している。
研究室に籠る日々で身づくろいの暇もなく、風呂の手間を嫌った結果、息子からちょっとくさいと警戒されることも。
そこに妙な健康料理のにおいも加わるのである。
時々、夫に代わって顧問科学者としてHQに立つこともある。
制圧事件の最中は、要塞最下層から大深度経路での脱出を呼びかけられていたが、息子らが救助されない内は梃子でも動かない、最終手段が都市の自爆ならそれにも立ち会うと居残っていた。
・大神 ハチ おおかみ はち
都市自衛軍一佐、現在はJETTER-Gi作戦司令。男性、既婚。書類上は45歳。
身長は182cm、金茶色の毛並の耳垂れ雑種犬の獣人。
落ち着いた司令士官服の似合う人物。
自衛軍士官の規則正装として腰に日本刀を佩いているが、正しい剣技は使えない。
血の繋がらない娘1人と3女1男の父親で、孫も1人。
生真面目だが堅苦しくはならない、冷静だが酷薄ではない、油断せず不確定には十分警戒する。
AI親に育てられた人間特有の「良くできた人物」。
スラム生まれで実の親を知らず、十代になる前から闘技場の戦いで日々の糧を得ていた中で、10代も半ばの頃に旧自衛隊の高官から才能を見出されて養子となった。
妻のハナとは、その闘技場時代に高級なサービス施設で一夜の世話をされたことが出会い。
子供らからは過剰に信頼されており、それ以上に妻からは絶対的な愛情を向けられている。
ステインレス・ハガネの事件があって、監視下に置かれた央介・紅利の無思慮な発言に厳しい言葉をぶつける。
しかし直後にヴィートによる要塞都市襲撃が始まり、二人を庇ってスティーラーズ相手の防衛戦へ向かい、不明となる。
その際、紅利は自分の幼稚な発言と正しい和解ができなかったことを後悔していた。
そして回復した彼は二人に対して覚えていた危惧が現実になった後だったと知る……。
・大神 ハナ おおかみ はな
ハチの妻。書類上は48歳。
身長は172cm、血統書付の真っ白い長毛長身な愛玩犬の獣人。
和服美人だが割と身体能力は高い。
4女1男の母親。夢のホストファミリーが解消となって、もう一人ぐらい子供が欲しくなった。
ゆっくりねっとりした喋り方をするが芯は強く、事あらば恐れは知らない。
元々の仕事で仕込まれた技術の加減で、他者の欲するところをすぐに把握できる感覚を持つ。
無人権スラム街出身で、生まれつきの獣人。
男性向けサービス施設勤めの頃、仕事の中でハチと出会って心を交わすようになった。
その後、大神氏の養子となって人権を得たハチに身請けされる形で結婚。
連れ子の長女に加え、ハチとの間に4人の子供がいる。
夢のホストマザーに関しては喜んで受け入れ、新しい娘のように可愛がっていた。
というのも、子供らの名前が仁美・風香・穂理・芳子・郁人で、ひふみ~の流れから“む”の子が来てくれた事が嬉しかったことによる。
結果、“七”が欲しいという野望をも抱えたようだ。
都市制圧事件の最中、夫の忘れ物を届けに地下基地に来ていた所に、大神が身を挺して逃がした央介・紅利と遭遇。
“夫の忘れ物”である二人のDドライブを渡し、そして夫同様に二人を庇ってスティーラーズの凍結に倒れる。
その直前に語られた彼女の願いは、誰を犠牲にしてでも夫を救うというものだった。
・狭山 瑠美 さやま るみ
都市自衛軍一尉。女性、30歳。
身長は179cm、長い尻尾のある猿(クモザル類)の戦略獣人兵士・Eエンハンサー。
都市迷彩作戦服の似合う、元気で快活なママさん隊長。夫も軍人。
髪の毛は活動のために短く刈り上げている。
ベルト型の封印装置を着用。変身制御がベルトなのは世界の意思。
娘の瑠香子とは躾のためのハードコアでバイオレンスなスキンシップに興じていた。
祖母であり、雲の上の上官である九式による指導を受け、戦闘技能に磨きがかかっている。
……のだが、ヴィートは技能とかなんとかでどうにかなる相手ではなかった。
通常時の軽獣人体ではナイフ二刀流を操り、Eエンハンス解放時の重獣人体では両手両足と尾にナイフを構えた五刀流を操る。
出撃時からEエンハンスしている場合は、全身に鞘に納めたナイフをベルトに装備しまくった姿。
並大抵の戦力では相手にならないほどの戦闘力を誇る。
祖母、九式に薫陶を受けてますます技術を磨いていた。
しかし祖母ともどもヴィートの操る凍結念動力、クライオ・キネシスの直撃を受け、Eエンハンサーとしての能力を使う間もなく戦闘不能に追い込まれた。
心の力的なナニカ:不屈、必中、ド根性、熱血、気合、激励
・九式 アルエ くしき あるえ
陸上自衛軍最先任一尉、EEアグレッサー隊長。女性、年齢不詳。
身長142cm、クモザル類のE・エンハンサー。
年齢は80から90程度のはずだが、外見はまるで少女。長い黒髪。
服装はEEアグレッサー隊であることを示す黒色の軍服に、常時サングラス。
このサングラスは血のように赤い瞳の色を隠すため。
当然、ベルト型の封印装置を着用しているが、この人がEエンハンサーとして変身した事例は20年ほど発生していない。
性格は古風で質実剛健、公私別なく常に軍人規範に沿う。
また大局的な考え方を持ち、そのために自部隊や有望な若手の成長に繋がるのであればあえて引き、苦戦を演出してみせる悪癖がある。
旧自衛隊において自ら志願し基本的人権を捨てEエンハンサーへの改造を受ける。
以降は旧自衛隊の尖兵として世界中の前線で長く戦い、自衛隊最後の戦いとなった一月内戦では現体制となった回復派とも戦っていた。
その後、彼女は敗戦を受け入れ、しばらくは厳重監視の元で収監されていたが、Eエンハンサーの『1st』と呼ばれる人物から、EEの能力を正しく導く教導隊を結成するにあたって罪の意識を捨てて隊長を務めあげるようにと説得され、同時に刻呪人造神魂刀の一振りを受け取って現在に至る。
Eエンハンサーとしては世界で見ても最強格。
人間形態でも並大抵の変身Eエンハンサーより強く、戦力比は1:8とされている。
仮に変身しようものなら1:50でも渡り合うであろう。
実の名前を捨てており、現在の名前は兵器としての形式略号『9式RbRX』を名前として名乗り変えたもの。
狭山瑠美の祖母であり、狭山瑠香子の曾祖母。
夫とは死別している。娘は軍を退役済み。
年齢からすればEエンハンサーに訪れる寿命が近いはずなのだが、その気配がない。
これは稀に発生する“赤目のEエンハンサー”特有の現象だが、詳細は軍に秘匿されている。
ヴィートの強襲に立ち向かい、央介らと共に一撃を加えることに成功する。
再度のヴィート襲撃時には孫を庇い、不意打ちからの不可視凍結を受けて戦闘不能になるが、光本のグラス・ソルジャーによる解凍を受け、央介らに刻呪人造神魂刀:太刀・渦巻く朱鳥の杖を託す。
幾度かの戦いの中で、央介が“大きな流れの内の要”と見極める。
そのために自分が出張り過ぎると央介とその仲間らの経験不足を招くという判断から、何かと理由を付けて後衛に引っ込んでしまうようになった迷惑おばあちゃん。
とはいえ後衛に入ったら入ったでその領域は間違いなく安全にはなり、前衛は安心して戦えるのだが。
『天桜』:九式らEEアグレッサー隊の心臓に仕掛けられた旧自衛隊製の忌むべき自傷用爆弾。
奥歯に張り付けられたスイッチを舌で操作して起動する。これにより外部から気付かれずに怨霊体へと変異する事が可能。
ヴィート初戦で利用し生身のヴィートへ痛撃を加えた。しかし軍内部でも賛否ある装備のために供給が遅れ、都市制圧事件の際には再装備が間に合っておらず、九式らはヴィートの奇襲から凍結攻撃を受けてしまった。
『悪路八型』:九式専用のバイクの形をした“何か”。九式が操縦していない時も自律判断で走行や戦闘を行う。
それだけならAI制御とも言えなくもないのだが自己治癒までする。修復ではなく。
また九式とは意思疎通もできるらしく、彼女が呼べばどこからともなく駆け付けもする。
『太刀・渦巻く朱鳥の杖』:九式が佩いている日本刀。刻呪人造神魂刀という破滅的威力を誇る刀の一振り。その威力から抜刀するのに国からの許可を必要とする。その上で意志を持つらしい刀側が、今が抜かれるべき時としない限り鞘から抜く事もできない。
もしも九式がこの刀を抜こうものなら、敵はわずか一突きだけで跡も遺さぬ爆発四散の末路を迎えることとなる。
心の力的なナニカ:不屈、直感、気迫、戦慄、直撃、魂
・附子島 悟道 ふしじま ごどう
都市自衛軍少将。男性、57歳。神奈津川要塞都市自衛軍のトップ。
身長162cm、やや肥満の横幅がある体型。丸眼鏡。
特殊な能力や体質でない普通の人間。ただし剣の達人。
いつも張り付いたような笑顔を浮かべ、正体を見せないのらりくらりとしたしゃべり方をする。
旧自衛隊から現自衛軍への転換組とされているが、実際には一月内戦の最中に先の見えた&国を維持する気がない事が露呈した旧自衛隊をあっさり裏切って、率いていた部隊もろとも回復派に乗り換えたもの。
関わった人物は皆、口を揃えて「極めて有能だとは認めるが、好きにはなれない」という評価。
自分の率いる軍を負けさせない、そして国民・国土を守るためであれば、極端に手段を選ばない人物。
要塞都市の部下には3人の准将(古くからの補佐担当で名前だけは出た鷹山、順当に上がってきたキャリア組、自衛軍側から送られた目付け役の若手)と、5人の一佐(大神を含む通常軍指揮で時間シフトの3人、各部への交渉担当が1人、情報部1人)が居る。
その手法と思考形態は自衛軍上層部からも危険視されており、だからこそ閑職の内陸要塞都市に留め置かれていた。
しかしそれでも各所に繋げてあったパイプ、あるいは脅迫手段を用いて様々な怪しい計画を陰で走らせて常に手駒を貯蓄している。
嫌な大人の見本、法的に善良な極悪人、捕まらない戦争犯罪者など、投げつけられた陰口の数は知れない。
冴えない体型に反して、日本国内では指に数えられるほどの剣の使い手。
その剣術は相手が対一とすれば、普通の鉄刀一振りのみで重武装の戦車や航空機、機動兵器を圧倒できるほど。
(もちろんそれらが集中砲火してくればひとたまりもないことは本人も認めているが)
実際、量産型クロガネに包囲された際も難なく単独で文字通りに切り抜けている。
・黒野 玄主 くろの くろす
夢の父親、神経系を中心とする医学博士。
割とアクティブで竹を割ったような性格をしている。軍事オタク(特に衛生兵周り)でもある。
巨人開発チームにおいては巨人が神経のどこから出力され、どう影響を及ぼすかについてを担当。
また医療技術の知見から、RBSと超音波振動粉砕機の関連性にMRIを重ねることでMRBSの完成までを導いた。
娘には絵本感覚で医学書を読み聞かせて育てた。
また面白そうだからと娘に多々良一芯流を習わせもする。
・黒野 鳥華 くろの とりか
夢の母親、精神医学を修めた医師。
いつでも冷静沈着。
巨人開発チームでは精神構造上から巨人のPSIエネルギーを取り出してよい範囲を設定しているのがこの人。
飾り気に価値を見ない性格で、放っておくとミニマリストの極北な生活環境となる。
テフの母親として考えればそれらしいのかもしれない。
幼い娘に医学書を読み聞かせたのは夫と同じ。
・竜宮 青東 たつみや あおと
辰の父親、プログラム&システムエンジニア。
怖がりでアクシデントの度に頭を抱えている。というか他の同僚博士どもが肝が据わり過ぎ。
開発チームにはDマテリアルに高度な光子回路と制御が必要になることから夫婦で招き入れられた。
ただ基礎理論を上太郎が理解してしまったため、最近は手持無沙汰。
とはいえ補佐体を丸ごと組み上げる・調整するともなれば竜宮夫妻の技能が必須である。
息子にはMODで魔改造極悪化したゲームを遊ばせるエリート教育を施してきた。
・竜宮 彩虹 たつみや あやこ
辰の母親、光子回路基盤設計技師。
夫とベクトルが同じ。ふっくら癒しボディ。
おっとりやさしい母親なのだが、自室は彼女曰く「美しい」らしい回路基板がライトアップまでされた展示室になっている。
それが自室だけで済めばよかったのだが、近年は息子や娘の部屋にも侵略が始まっていた。