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フィラデルフィアの夜に針金の元に、火が迫っていました。

黒い肌の少年の近くに火は迫っており、その目には友達が映っていました。

木片に細い針金を巻き付けたり、雲のように塊にしたり、太い針金を籠状にしてその中に物を入れたりした、人型の針金の。

彼の秘密の友達の。


 火が近づいてます。

煌々と照らして。

彼と友達に迫って。

 それは捨てられていた物。それに呼び止められて、それの希望通りの形をあげた物。

それは頭に浮かんだもの。夢の中で見て、その形を表した物。

それは独りでに生まれた物。導かれるように、手が動いて、生まれてきた物。


 そして、誰にも知られてはいけない、友達。


 ベッドの下から出して、佇む。

やっぱり行けない。さよなら。忘れないで。

聞いたのは、そんな言葉。

 少年は駆け出す。

一瞬振り返りながら。





 それから少しして。

少年がいた建物は、ガスが洩れて、爆発しました。





 小さな手が、隙間に手を伸ばします。

見つからないように、彼らはみんな、隠して。

それらは焼け焦げた、不思議な針金の人形で。

 多くの子供が、一つずつ友達としたのです。


 小さい子供たちだけに伝えられる、友達。

それは奉られるように隠され、年下から年下へと渡されます。

 大人には不気味にも見える友達。

でも不思議に引きつけられ、暖かみを感じさせる。

黒い肌の少年の友達は、これからも誰かの友達だったのです。


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