閑話 デンゾール=マリー
今回は閑話です!!
訂正しました!
私の名前はデンゾール=マリー。私の家は教会です。しかも世界的に有名なデンゾール教会という教会の1人娘です。デンゾール家の人間は回復魔法に優れています。
初代のデンゾール家の人物は【聖女の加護】を持っていたと聞いていました。しかし、そこから1000年近くこの世界で【聖女の加護】は世界に出てきませんでした。
ですが、私はその【聖女の加護】を生まれるときに授かりました。家のものは大喜び、また世界中でも私は注目されました。
街の貴族、他国の教会の息子、王族の子供、私は色々な人に求婚されました。自分で言うのもあれですが、容姿には自信があります。
ですが、婚約する気はまったくありませんでした。聖女として困っている人をできるだけ助けたいと思っていたからです。
私はいつも通り教会で仕事をしていると、リンというカッコいい女性と出会いました。リンは腕を怪我していて、骨も粉々でした。どこに行っても治せないと言われており、私のところを紹介されたと。
私は死んだ人物を生き返らせる以外、ほとんどのことが可能です。さすがに四肢の欠損は相当な時間を要しますが、それでも回復は可能です。
私は少し時間はかかりましたが、リンの腕を完全に治しました。そして、治したあとに、思わぬ提案をされました。
「マリー、私と一緒に来ない?」
「え?」
「一緒に救おうよ世界を!」
「世界?」
この誘いが私の人生を変えました。この人と旅すればもっと色々な人を救えるんじゃないか、そう思い『崋山烈火』というクランを私とリンで作りました。
リンは【武神の加護】を持っており、これは人間か? という疑問を持つほど強かったです。そして、旅を続けていくうちに、世界の色々な事を知りました。飢餓、疫病、災害、奴隷制度など私の想像を遥かに超えるひどいことが世界では起きていました。
私は全力で救えるだけ人を救ってきました。しかし、それでも救えなかった人物は何人もいます。もし、私にもっと力があれば、といつも考えていました。
そして、『崋山烈火』に新しい仲間が増えました。レイとエリです。彼女らも加護を保持しており、クランはいつのまにか王国最強とまで言われるようになりました。
しかし、事件は起きました。いつも求婚してくる冒険者の男性が私のもとに来て、衝撃的な発言をしたのです。
「あの村は焼いときました! マリー様はあんな腐った場所に行くべきじゃない」と。
その男は私が治療していた疫病で苦しんでいる村を焼いたと言ってきたのです。怒りしか湧きませんでした。冒険者は自分の利益になるためになら何でもするのかと思いました。冒険者すべてが憎くなりました。
そして、ある日Eランクの少年とギルドで会いました。彼も冒険者でした。彼のような若い少年は冒険者になってはいけないと思い、最初はギルドから退けるために暴言を吐いていました。しかし、自分でも気づかないうちに、いつの間にかストレスの捌け口として少年を利用していたのです。
ある日、邪神が復活したと王国から報告が入り、現場に急行しました。封印はなんとかできましたが、最後の悪あがきとでも言うのでしょうか、邪神は魔法を放ち、エリの咄嗟の判断で転移魔法を使用しましたが、転移先で仲間がだんだんと死んでいくのがわかりました。自分も死ぬことくらいわかっていました。聖女として仲間を助けられないなんて失格だなと思いました。そして意識はだんだんと薄れていき、視界が暗闇に染まりました。
しかし、私は目が覚めました。上には見知らぬ天井、左右にはベットで治療らしきものを受けている仲間がいました。あの状況でどう治したのか? という疑問と、どんな人物が私たちを治してくれたのか? という興味が湧きました。
そして、私たちを治してくれた人物が私たちがストレスの捌け口としていたEランクの少年だと知りました。感謝もすごくありました、ですが謝罪の気持ちのほうが非常に大きかったです。仲間も同じ気持ちだと言っていました。
私たちに国宝級である『蘇生の薬草』を躊躇なく使用してくれたこと、自分にあんなにひどい扱いをしてきた人物が治ったと聞いて、大泣きする少年。
ドクンッ。
なんなんでしょうか、この胸が苦しくなる感じは。
その少年はゼン様というらしいです。それからは、彼のことばかり考えてしまいます。彼がボロボロになって帰ってきたときは、今までに感じたことがない怒りが浮かびました。彼の近くにいると安心します、でも、ドキドキもします。
ドクンッ。
また、胸が苦しくなります。
私はこの気持ちが知りたい。なら、
「私、決めました! ゼン様に『聖女の加護』を捧げます!!」
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