第1章 出会い 7話 聖女マリー
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「私、決めました! ゼン様に『聖女の加護』を捧げます!!」
「え? 『聖女の加護』ってなんですか?」
「ちょ、あんたそれだけはやっちゃダメだろ! ゼン殿にそれを使ったらどうなるかわかってるの!?」
「えぇ、わかってますよ、だからこそゼン様に差し上げたいのです!」
「マリー、それはすこし考えた方がいいわよ?」
『聖女の加護』という不思議な力を聖女マリーはゼンにあげたがっていた。しかし、それを考え直すように必死に止める『崋山烈火』のメンバーたち。何が何だかまったく理解できないゼンではあったが、すごい重要なことだということは伝わっていた。
「私は決めたんです! この人にならあげてもいいです!!」
「はぁ。なんでそんなに、ゼン殿に拘るんだ」
「そ、そうよ! 『加護』をあげるということは。そ、その........ずっと、い、いるんだよ?」
(ずっといる? どういうことだ?)
「えぇ、むしろそのつもりでしたから!」
「はぁ、こりぁダメだな」
「アホ..........」
「え? ど、どういうことですか?」
この話の内容がゼンにはまったく理解できなかったが、これがゼンの運命を左右する大きな話だということはゼンは知らなかった。
「ゼン殿はどうしたいですか?」
「え? どういうことですか?」
「まず、ゼンは『加護』について知らないんじゃない?」
「そう思う......」
「知らないですね......」
「やっぱりね!」
「じゃあ、私がゼン殿に説明しよう」
リンは無知なゼンに対して、『加護』について詳しく教えた。
『加護』というものは、8神から特別に授けられるお守りみたいなものであり、その神々の力の一部を得ることが出来ることである。それぞれ、【武神の加護】 【狩人の加護】 【聖女の加護】
【剣聖の加護】 【魔帝の加護】 【商神の加護】 【美好帝の加護】 【知神の加護】という8つの加護に分けられる。
レイは【剣聖の加護】 を保持している。エリは【魔帝の加護】、リンは【武神の加護】をそれぞれ保持している。
そして、最も重要なことは『加護の契約』である。『加護の契約』は決して加護をあげるとかそういうわけではない。契約された側の人は、契約することによって加護の力が少し手に入る。
しかし、『加護の契約』で最も重要なことは『加護の契約』は契約することによって、今以上の力が出るというメリットがある。しかし、デメリットもある。それは
「契約者とずっと一緒にいる!!??」
「そういうことだ」
「え? なんでそんな重大なことを俺になんですか?」
「ゼン様は、私を救ってくれました。私たちがあそこまでひどい扱いをしてきたのに、私たちを何の躊躇もなく助けてくれました。泣いてもくれました。ここまで優しい人を見たことがありません」
「で、でも、それは一時の感情だけなんじゃ.........」
「絶対それはありえません!! この気持ちだけは揺るがない自信があります!!」
「ゼン殿、マリーは本気だ」
マリーの顔は先ほどまでとは、まったくの別人のように真剣であった。しかし、
「すいません、それをお受けできません」
「なんで! なんでなんですか!!」
予想外の展開に『崋山烈火』のメンバーは口が閉まらない。普通の男性なら『加護の契約』をしたいと、ここまでの美少女に言われれば、間を開けることなく承諾するだろう。しかし、ゼンはそれを断ったのだ、しかも間を開けることなく。
「どうして.......?」
「ゼン殿」
「理由を言ってください! 納得できるわけありません」
「理由はお教えすることはできません。でも、1つあげるなら自分がEランクだからです」
「なんですかそれ! ランクとか意味がわかりません! 納得できると思っているんですか!?」
「落ち着けマリー」
「ゼン、理由は聞けないのかしら」
「すいません、あまり思い出したくないもので.......」
ゼンの余りにも暗い顔をする理由は何だろうと疑問を持ってしまった。しかし、それでも聖女マリーには、諦めるなんて言葉はなかった。
「本当の理由は知りません。ですが、私、聖女マリーは絶対に、ぜぇっっったいにゼン様と契約してみせます。これだけは揺るがない自信があります。だから、覚悟しといてくださいね!」
「で、ですから—————————————」
「異論は許しません!」
ゼンの口にマリーは指を当て、にっこりと微笑んだ。
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