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第1章 出会い 4話 ゼンとの再会と思いきや

「おいおい、聞いたか? 今日のパレード延期らしいぞ」


「え!? マジかよ......。めっちゃ楽しみにしてたのに」


「延期らしいぞ」


「今日拝めると思ったのになぁ」


 街では先ほどとは空気が真逆であるが、パレードの中止の話題でいっぱいである。


「『崋山烈火』のみなさんは、パレードやらなくなったんだ」


「そうのぉ、疲れとるのかのぉ」


 ゼンは王都にあるミルさんの調合屋にミルさんを送って行っている途中であった。


「まぁ、元気ならそれでいいや!」


「そうのぉ」


 そして、ゼンはミルさんを自宅(調合屋)へと送り、ポーションの研究のため王都の市場で材料を買って帰路についた。しかし、


「おい、Eランクのガキちょっと待て」


 ゼンはいつものことだと思い、無視をして帰ろうと思ったが、


 〝ドゴッ!!″


 ゼンは頬を殴られ、隣の小屋へと吹き飛ばされる。


「いいねぇ、ガン!」


 この大柄の男はガンというBランクの冒険者であり、いつもゼンをストレスの捌け口として利用している。


「痛た....」


 ゼンは鼻から血が出ており、歯も何本か折れている状態だった。


「おいおい、くたばるんじゃねーぞ?」


 そして、ガンは追い打ちをかけるようにゼンを殴り続けた。ゼンはもうどのくらい殴られたのか憶えていない。周りにいた女性がさすがにやりすぎと言って、ガンはゼンに唾を吐いてどっかに消えた。


 それから1日近く小屋で気を失っていたゼンは、目を覚まし、重い体を持ち上げ、再び帰路についた。



「ゼン様! ゼン様! いらっしゃいますか?」


「.........................」


「いないみたいだな」


「待つわよ」


「当たり前........」


 しかし、夜になっても帰宅しない。さすがに心配しだした彼女たちは捜索に出ようと考えたが、すれ違いが一番やってはいけないことだと結論をだし、待機することに決定したのだ。


 しかし、次の朝になっても帰って来ず、気づけば夕方になっていた。


「一回、家に帰りますか?」


「賛成~」


「うん.........」


 エリ、マリー、リンは一度の帰宅を提案するが、


「あんたたち、よくそんな心構えで謝ろうなんて思えるわね」


「い、いや、そういうわけでは...........」


「意味がわからない。私たちは恩人にやってはいけないことをやってしまったんだよ? それがなんで、帰ろうって話になってるわけ? 心構えがないなら帰れば? 私は残るから」


 剣姫レイは激怒した。さっきまでの心構えがない、帰るという甘い考えが出ている。自分たちのやってしまったことの過ちの大きさが認識できていない、と感じたのだろう。


「レイの言う通りだ、帰るなんて選択はないな。すまなかった」


「すみません、そんな提案をしてしまって。私はバカですね......」


「ごめん.........」


「だったら、来るまで待ちましょう」


 彼女たちの意志がさらに強まったとき、森の奥から人影が見えた。


「あ、あれ! ゼン様ですよ、きっと!!」


「謝れる、感謝も言える」


「みんなでしっかり謝るのよ」


「うん.........」


 しかし、ゼンは彼女たちのもとに着く前に、森の中で倒れてしまった。


「ゼン様!!!」


 

 


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