第3章 魔界 41話 溶けた心
仕事の都合上遅くなりまことにすいません。決してエタることはしないので応援のどよろしくお願いします。
「ふぅー、やっと帰ってこれた.....」
もはや我が家とも言えるほどの親しみのあるラボにゼンは身をよこした。ゼンの体、もとい内部の損傷は魔王の治療によって完治は出来ていないが、ある程度回復した。
既にガレオやダンは疲労が故に熟睡していた。それは、そうであろう。彼らもゼンと一緒までとはいかないが、ほぼ無眠で過ごしてきたのだ。
本来であれば、ゼンも彼らと同じく眠りにつくのが体にとったは良いのであろう。しかし、ゼンにはやるべき大事なことがもう1つ残っていた。
それを果たすべくゼンはラボから足を出した。
◇◇◇◇
「んん......眠ってしまったのだな」
ガレオは自身の大きな体を重そうに上げた。まだ疲労が取れ切れておらず、体の至る所が痛みを伴っていた。
そして、ガレオは幸せそうに寝ているダンに視線を向けていた。
「おい! ダン起きろ!!」
「ぐふっ! お、おはよう....ございます」
荒々しい起こし方にダンは最悪な形で目を覚ました。
「ゼンのやつはどうした?」
「そういえばですね」
「俺様は一度家に帰るから、ゼンが来たら報告してくれ」
「かしこまりました」
ガレオはそういい、ラボを後にした。自宅で何が起きているとも知らずにーーー。
◇◇◇◇
「ただいまぁ、ガーミル」
「...................」
自身の声しか部屋に木霊しないこの状況に慣れつつあるガレオだが、未だに寂しさを感じていた。
いつも通り愛する妻であるガーミルの体を拭くため、濡れタオルと乾いたタオルを用意して、ガーミルがいる部屋へと向かう。
そんないつもの行為、悲しくも現実であるその行為、もしかしたら起きているかもしれないという淡い期待、ガレオの心は限界を迎えていた。
再び淡い期待を胸に募らせ、ガーミルがいる扉を開けた。
「........え」
そこにはベットで寝たきりのはずのガーミルが座っていた。
「おかえりなさい、あなた」
愛する妻の涙の混ざった万弁な笑みは、ガレオの凍っていた心を一瞬にして溶かした。
「あぁ、ただいま...」
ガレオは今ある奇跡に。そして幸せを噛みしめながらガーミルを抱きしめた。
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