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第1章 出会い 3話 ゼンの正体と『崋山烈火』の決心

ブックマーク40人ありがとうございます!!これからもお願いします!!!

ゼンが自宅を空けてから3日が経った。


「おばさん、ただいま!」


「おかえりのぉ」


「何も変わったことはなかった?」


 ゼンは素材の入った荷物を片付けながら、おばさんことミルさんに何気なく言った言葉だが、ミルさんが発した言葉に思わず荷物を落としてしまう。


「い、いまなんて.......」


「あのお嬢ちゃんたちは完治して、王都に向かっていたのぉ」


「ほんと?」


「えぇ、ありがとうって言ってたのぉ」


「..........ぐすっ、よかった。よがっだ.....ひっく」


「ほらほら、治ったんだから泣かないのぉ」


 ミルさんはゼンを抱きしめて、号泣するゼンをあやした。その光景は『崋山烈火』のメンバーも見ていた。


 賢者エリの自作の魔法である【天空眼 映像化】という神級の魔法を駆使し、『崋山烈火』の全員に見せた。


 そこで『崋山烈火』の一同はゼンが誰なのかがわかった。


「わたしたちは、なんて酷いことを.......」


「最低だなわたしら」


「本当に何て酷いことをしてしまったのでしょうか.......」


「ごめんなさい........」


 そう、ゼンの正体は『崋山烈火』の一同もストレスの捌け口として使っていたEランクの少年であったのだ。その少年がゼンであると気付いたときには、自分たちのやったことは許されることではないと気付いた。


 ゼンに恨まれていてもおかしくないことをやってきたのに、『蘇生の薬草』まで使い、全員を1年がかりで助け、今現在、治ったということを聞いた途端、号泣してくれるゼン。


 『崋山烈火』の一同は全員の顔を見合い、同じ決心をする。


「一生かけて謝ろう」


「それしか償えないよ」


「許してくれなくても、一生謝罪を続けましょ」


「賛成......」


 彼女たちはゼンに全力で謝ること決心したのだ。許してもらわなくてもいい、それでも感謝と謝罪を続けたいと思ったのだ。そして、王都へと到着した彼女たちは王宮へと行くのだった。



「おいおい、聞いたか? 『崋山烈火』が帰ってきたらしいぞ!」


「マジで!? また、あの美しい女神様たちが見えるのか......」


「しかもよ、今日はそのパレードがあるらしいぞ!」


「絶対見に行こう、そして求婚しよう!」


「「「「「「「「「「「おぉぉおおおおおおおおお!!!!」」」」」」」」」」」


 街では『崋山烈火』の帰還の話題で持ち切りになっていた。誰もが今夜開催されるパレードを楽しみにしていたのだが、


「ねぇ、早く帰らせろよ」


「その通りです、早く帰宅させてください!」


「ホントに無能ね」


「うざい........」


 『崋山烈火』のメンバーはゼンに感謝と謝罪をしたい欲がMAXに達し、この待ち時間、そしてパレードが開催されることについてイライラしていたのだ。


「だ、だが、民が待ち望んでいるのだ。パレードはや———————————」


「なに? 何でやる必要があるの?」


 怒りのボルテージが充填しそうな武神リン。今にも噴火しそうだ。


「し、しかし—————————」


「頭が悪いですね。パレードをやる真意がわかりません」


「バカ...........」


 聖女マリーと賢者エリの追い打ち、そして最後に、


「ねぇ、あんたアホ? 私たちはパレードはやる気ゼロ。あんたが勝手に決める権利でもあったわけ?」


 剣姫レイの毒舌攻撃。これにはさすがの王でもノックアウト。


「わ、わかった。後日に延期をしよう」


「ふんっ、当たり前よ」


「やるじゃん、おっさん」


「当然でございますわ!」


「アホ.........」


 王宮をそそくさに出て行った『崋山烈火』のメンバーを見送った。


(帰還前よりも我がまま度のレベルがアップしている.......。これでは、ワシの体が持たん.......)


 ストレスがさらに増える恐怖に怯えながら、胃を抑えている王は自室へと戻った。


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