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第3章 魔界 31話 詰み

今回は親友になる人物との出会いです

「ここに来たのはいいけどよ.....ここで栽培するんか?」


 栽培という言葉を聞いて、自然と畑などが浮かぶのは自然のことであろう。


 『土』


 どんな作物であれ必要不可欠なもの。しかし、ゼンが来た場所には土という最重要物はなく、あるのは辺り一面を覆いつくす水であった。


「そうです。ですが、栽培するには相当気合を入れないといけません」


「うっしゃ」


 ダンはボキボキと指を鳴らし、準備万端の合図を送っていた。


「では、今から言う指示に従ってください」


 ゼンが言ったことは、仙王米を完成させるまでの手順であった。

 

 ①普通の米の種を水入れる。この際、種が底のある土などと接触しないようにする。

 

 ②水の温度を上げる。水の温度が上がることによって種は発芽をする。


 ③発芽した種を酸素にあてるため水から取り出す。


 この三段階の手順を踏めば、仙王米は1000個の内1つできる確率になる。そして、ゼンがこの広大な水辺、もとい湖に来たのは理由がある。


 一回で多くの栽培をしたほうが効率が上がるのではないのか? という考えのもと湖に来たのだ。以前はゼンが1人で行っていたため、小規模で行っていたが今回は魔法が使えるダンを一緒のため確立を増やす目的で湖に来たのだ。


「じゃあ、やるぞ」


「お願いします」


 ゼンの合図とともにダンは魔法を詠唱した。


【念力】


 浮遊魔法の応用であり、あらゆる万物を操ることが出来るという魔族特有の魔法だ。戦争時はヒトを対象として【念力】を行っているが、今回は米の種を対象である。


 【念力】はあらゆる万物を操ることが出来ると言ったが、ある条件がそこにはある。それは、重量だ。魔法の威力によって操れられる重量が異なるのだ。


 初級、中級、上級、帝級、神級と魔法の威力は違ってくるが、魔王クラスのものになってくると神級が使えると言われ、重量は関係がなくなってくる。


 しかし、ダンは初級しか扱えないため重量は決まってくる。今回は運よく米の種のため【念力】で多くの種を一回で水につけることが出来る。


 ダンが数千という単位の種を水につけた。そして、ダンが炎魔法を駆使し湖の温度を上げる











 そう、ゼンは思っていた。











「一度に2つの魔法は扱えん」


 ゼンはこの言葉を聞いたとき絶望した。ゼンの近くには賢者エリがいたため魔法が2つ同時に使えないことを忘れていたのだ。これでは、仙王米を栽培する効率が極端に下がってしまう。


 では、他の医師を使えばいいのか? そういうわけにはいかない。他の医師は今現在必死に患者の命を繋げている状況なのだ。こんなことで魔力を使い治療する際に魔力が足りなくなってしまったら意味がないのだ。


 ゼンの計画はここで詰んでしまった。『崋山烈火』と出会ってから詰んだことがなかったゼンが初めて詰んでしまった。


 今、ゼンの腕には数千という単位の命がかかっている。ゼンはそのことを誰よりも理解していた。そんな中、ゼンは行き詰ってしまったのだ。


『絶望』


 悪の二文字がゼンの顔にはっきりと出ていた。











「このガレオ様が手伝ってやろう」


「え」


 ガレオとゼンとダン。この出会いが魔界を、いや世界を変えることをゼンはまだ知る由もない。


 


 




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