第2章 緑山 26話 新たな幕開け
少女たちを助けるために一度きりのスキルを使いました~助けた少女たちは未来の勇者でした~も読んでいただけると幸いです! https://ncode.syosetu.com/n6157fu/
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「はぁ~、おいしかったな」
「さすがゼンね!」
「腕前が上がった.........」
「お粗末様です」
ゼンは夕飯の買い出しから帰り、料理を振舞った。
「ゼン様、そろそろ我が家にお帰りにならないと」
「そうですね、こちらにも迷惑になってしまいますし」
ゼンは荷物をまとめるため、席に立つがシェルの2つのスイカによってその行動は妨げられた。
「ダメです! ゼン様はここで住んでもらわないと.....私何をするか分かりませんよ?」
もはや笑顔すら作らない辺りにシェルの本気度の値が伺えた。
「で、でも自分の家ありますし」
「じゃあ、ここに家を持ってくれば問題はありませんよね?」
ゼンはシェルの言っていることが理解できなかった。しかし、マリーには理解出来ていた。
「ま、待ちなさい!」
【古代魔法 区画転移】
詠唱とともにものすごい音が里中に響いた。俺は思わず、外へと駆け抜けた。
そこには、信じがたい光景が広がっていた。
「お、俺の家!?」
「はい! これでいつまでも。これかもずっっっっっっっっっと一緒ですね♡」
「このク〇エルフ! 私とゼン様との愛の巣を.....愛の巣を.....こんなところに持ってきやがって」
マリーの怒りボルテージがMAXに達していた。マリーの計画では、ゼンと自宅に帰り猛アピールをし、婚約しそれをシェルに見せつけるという計画であったのだ。
それがたった今打ち砕かれたのだ。
シェルはマリーの計画に気づいていた。どうにかして、その計画を止めなければゼンとの夫婦計画がまた遠ざかってしまう。そう考えたシェルは、【古代魔法】をあらかじめ展開しておき、ゼンの家の座標も特定し、転移をさせたのだ。
「私の勝ちね」
「覚えてなさい」
勝ち誇るシェルに負けを悔しがるマリー。
「はぁ、いつも喧嘩ばかりだな」
リンは呆れるを通り越して諦めに走っていた。毎日喧嘩をして、その原因の種がゼンというのも毎回同じ。
この平和な光景はゼンやシェルはもちろんのこと、『崋山烈火』のメンバーにとってもかけがえのないものだ。
しかし、その平和も唐突として奪われることとなる。
「あれ? ゼン様は?」
「リン見ましたか?」
「いや、見てないけど」
「自分の家でも見に行ったんじゃないの?」
「そうですわね、久しぶりの我が家で興奮したのでしょう」
「興奮!? はぁ、はぁ....じゅるっ」
「おい、クソエルフ.....今どんな想像をしたのですか?」
「汚い.........」
このとき誰も分からなかった。ゼンは自分からいなくなったのではない。
連れ去られたのだ。
魔族によって
魔族にさらわれたゼンはどうなってしまうのか!? お楽しみに
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