表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/48

第2章 緑山 25話 喧嘩

次回は、閑話となります。明日投稿予定です。お楽しみに。少女たちを助けるために一度きりのスキルを使いました~助けた少女たちは未来の勇者でした~も読んでいただけると嬉しいです。 https://ncode.syosetu.com/n6157fu/

「では、行ってきます」


「やだやだやだ!!」


「離れなさい、ク〇エルフ。私とゼン様の愛の道に邪魔なのよ」


「ゼン様、うそだよね? 捨てないよね?」


「いや、だから.....」


「貴方はもともと捨てれる運命だったのよ! ははははははは!」


「いや、ですから.....」


「嘘だ! 私とゼン様は前世から深い仲で結ばれていました! 貴方みたいなク〇アマと私とでは格が違います」


「いや、あのね2人とも俺はただ.....」


「ええぃ、お前たち! ゼンはたかだか買い物に行くだけだろうが! いちいち喧嘩するな!」


 そう、ゼンはただ食材を買うため市場に行こうとしただけなのだ。しかし、シェルとマリーがどっちがお供するかで争い始め、じゃんけんの結果マリーが勝利した。


 ここまでは比較的穏便に済んだのだ。しかし、そのあと、ゼンと10分も離れたことがないシェルがゼンを離さなかったのだ。これに激怒したマリーがシェルと喧嘩をおっぱじめたというのが、今までのあらすじだ。


 マリーたちがエルフの里を訪問もとい襲撃してから3日が経過した。その間、シェルとマリーは喧嘩の毎日であった。シェルとゼンの間にも進展があった。シェルはゼンに対して敬語をやめ、気軽に話すようになっていた。


「じゃあ、行ってきますね」


「早く帰ってきてね? じゃなきゃ、その人ぶっ殺すから」


 指さしているのはもちろんマリーであった。笑顔であるが目が笑っていないシェルに本気であるということがしみじみと伝わってきた。


「やれるもんならやってみなさい」


「マリーさん、そんなこと言ったらだめです」


「はあい♡」



「すごい賑わいですね」


「そうですね」


「はい、マリーさん」


 そう言い、ゼンはマリーに向かって手を差し出した。


「どうしました?」


「離れてはダメですからね.....」


 顔を少し赤らめながら、ゼンはマリーも手を取った。


 放心状態であったマリーであるが、ぎゅっとゼンの手を握り返した。


「愛しています、ゼン様」


 マリーは、誰にも聞こえない声で愛を囁いた。



「はぁ.....これはゼンも大変ね」


「あぁ、まさかマリーがあそこまで凶変するとは、嫉妬とは恐ろしいものだな」


 レイとリンは今まで見たことのないマリーの姿に困惑していた。


「これもゼンの人柄.........」


「そうね」「あぁ」


 3人は理解していた。ゼンに命を救われてから、ゼンと行動しているが、ゼンは他の者とは違う心を持っていた。それは、






 自分の信念を貫くところだ。






 ゼンはどんな種族であろうと、困っていたら助ける。それが例えヒト族と敵対している種族であろうとだ。その人柄におそらくシェルとマリーは惚れたのだろう。


 しかし、このときは誰も予想していなかった。






 ゼンのこの人柄が世界の均衡を再び取り戻す大きな鍵となるということを.........


ブックマーク・感想・誤字チェックお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ