第2章 緑山 21話 告白
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「よくぞ来てくれた」
「え.....」
ゼンは固まってしまった。理由は目の前の男に原因があった。
「まずは、肩を打ち抜いてしまったことを詫びたい。すまなかった」
王は土下座をした。普通ならこの光景は異常なのかもしれない。しかし、ここにいる皆が当たり前とでも言えよう眼差しを王に向けていた。
「あ、頭を上げてください!」
ゼンは必死に王の頭を上げさせようと躍起になるが、王は一向にあげようとしない。
「ワシのやってしまった行為は取り返しのつかないことだ。謝って済む話ではないことはわかっておる、だが、謝らせてくれ」
王の本気の謝罪にゼンは圧倒された。
「困っている人を助けた、それだけのことですから気にしないでください」
ゼン自身は軽く言ったことだが、ここにいる皆はゼンの言葉に心を打たれた。
「ゼン様....」
シェルの顔はリンゴのように真っ赤に染まっていた。
「さすがだな」
「さすがですね」
戦友とも言えようリロとウヨは短い時間を共にしてきて、ゼンの人柄を理解していた。
「娘を救ってくれてありがとう.....」
「いえいえ」
王の頬には一筋の涙が伝っていた。
◇
王座での騒動から数時間、ゼンは現在シェルとともにシェルの自室に来ていた。
「お父さん大丈夫でしょうか...」
「大丈夫ですよ」
王は泣き顔が見られたくないのか一度自室に戻ると言ったきり戻らず、ゼンたちはシェルの自室に戻ってきたのだ。
「それよりもゼン様はこれからどうする予定ですか?」
「どうするって?」
「そ、それは..その...ここに残るのかということです...」
シェルは恥ずかしながらもゼンに尋ねた。
「いえ、今日にでも出る予定ですよ?」
「え!? それは本当なのですか!!??」
ゼンとあと数センチでキスをしてしまうほどの距離までシェルは詰めた。
「俺が居ても迷惑でしょうし、一緒に来ていた人たちが俺のことを探していると思うので」
シェルの顔には、今までの天使のような笑顔が消え去っており、この世の終わりとでも言えよう顔をしていた。
「だ、大丈夫ですか!?」
ゼンはそんな顔をしているシェルが心配になった。
「...........................」
「......シェルさん?」
「........................やだ」
「え?」
「そんなの絶対にやだ!!」
シェルの眼には今にも決壊寸前の涙が溜まっていた。急なことでゼンは困惑してしまっていた。
「ど、どうしたんですか?」
「もういい! もう我慢できない!!」
シェルが何かを決意したのか、少し乱暴気味に言葉を紡ぎだした。
「私はゼン様のことが好き!」
「え」
この言葉にゼンの思考は完全停止に移行した。しかし、そんなことなど関係がないとでも言いたげにシェルは言葉を続ける。
「私はエルフを道具としか思っていない人族が嫌い。人族なんて誰も同じだと思ってました。でも! ゼン様は違った」
「いや、そんなことは.....」
「ある!! まだ会ってから日にちを重ねてないけど、私はゼン様の人柄を十分理解できいるつもりです」
シェルの真剣な眼差しにゼンは黙って話を聞く。
「優しくて、困った人誰にでも手を伸ばす。そのところに私は惚れました。こう見えて、私の初恋ですよ?」
ゼンは今回の騒動で傷ついた人の治療を秘密裏に行っていたが、シェルにはお見通しだった。
「そ、そうですか」
ゼンは照れているのか頭を掻きながら、ちらちらとシェルを見ていた。
「だから...だから....」
「ん?」
「私と結婚してください!!!」
このとき、ゼンは人生で二度目の告白を受けた。
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