第2章 緑山 19話 新ヒロイン!?
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「——————————————ん、朝か...」
朝の照り付けるような光がゼンの目を刺激して意識を覚醒させた。
「ふぁーーう、眠いな....」
ゼンの体には今までの疲労が一気に襲ってきていた。
「もうひと眠りするか.....」
ゼンがもう一度寝る態勢を整えるため、寝返りを打った。すると、
‶もにゅっ″
「あんっ」
ゼンの手には反発力がすごい極上な枕が存在していた。
「ん?」
‶もみもみ″
「あんっ、あんっ!」
ゼンの頭の中が一瞬にしてスリープモードになってしまった。
「ゼン様って大胆なんですね...」
その言葉がゼンの意識を現世に戻した。
「うわぁああああああああ!!!」
ゼンは驚きベットから転げ落ちた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「あ、はい...あ、あの...どなたです....か?」
ゼンは驚きの余り言葉がタジタジになってしまっていた。
「ふふふふふ、そんなに驚かなくてもいいんですよ? わたくしはビアロ=エルデリホール=シェル。気軽にシェルとお呼びくださいませ」
「シェル?.........って、シェルさんじゃないか!!」
「ふふふふふ、そうですよ」
「まさかシェルさんだなんて.....」
ゼンは目の前にいる超絶美少女がシェルだとは思っていなかった。ゼンが治療したときは、必死の余り顔など見る暇もなく口移しをしていたのだ。
「綺麗だ.....」
ゼンは思わず口にしてしまっていた。それは仕方がないことだろう。誰もが見ても欲情してしまいそうなボディライン。鼻筋が綺麗であり、目と髪の毛は森とマッチしているグリーンである。そして、思わず奪いそうになってしまうほど光沢が出ている唇。シェルを見たものは間違いなく誰でも綺麗だと思うだろう。
「本当ですか!? うれしいです!!!」
シェルがゼンの手をぎゅっと握っていた。その行為にゼンは思わず手を引いてしまった。
「わたくしに手を握られるのがいやですか........?」
捨てられた子犬のような目でゼンを見た。
「い、いや...嫌というわけではないんですが.....」
「なら、いいですよね!」
そういうと、シェルはゼンの手を取り、指を絡ませてきた。
「シェルさん! こ、これは.....」
「いいって言いましたもんね?」
「でも、これは」
「言いましたよね?」
「はい....」
般若でも飼っているんじゃないかと疑うくらいのシェルの圧に、ゼンは思わず二つ返事をしてしまった。
「ゼン様の手♡」
シェルはゼンと恋人繋ぎをしている手を見て、女性の顔をしていた。
「でも、シェルさんはどうしてここにいるんですか?」
「わたくしの部屋ですもの」
「あっ。そうでした、すいません」
「いえいえ、謝らないでください! わたくしはただゼン様と添い寝したかっただけなので」
聞き取れなかったのか、それとも聞きたくなかったのかゼンはもう一度シェルに聞き返した。
「今何て言いました?」
「『いえいえ、謝らないでください!』ですか?」
「そのあとです」
「『わたくしはただゼン様と添い寝したかっただけなので』これですね?」
「はい、それです」
「........................」
「........................」
ゼンとシェルの間に静寂が流れた。しかし、その静寂はシェルによって打ち崩された。
「幸せでした♡」
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