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第2章 緑山 18話 正念場

遅くなりすいません! 月間ランキング5位浮上ありがとうございます! 

「貴様ら!! 何をしている!!!」


「リロさん」


「あぁ、わかってる」


 リロとウヨはお互いの意図を理解したのだろうか、お互い頷き合った。そして、


「狩人隊! この人族を捕まえろ!!」


「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」


 10人の狩人隊と言われるエルフ族の親衛隊がゼンを捕獲するために躍起となって襲い掛かる。しかし、


【古代魔法 炎盾】


 ウヨが古代魔法を発動し、狩人隊と応戦する。古代魔法は現代魔法の数百倍もの威力を誇り、賢者エリですら古代魔法は習得できなかったほど、難しいものである。


「ウヨさん.....」


 ゼンはどうしたらいいのか迷ってしまっていた。ウヨを助けるのか、それともシェルのところにこのまま行くのか。もし、ウヨが捕まってしまったらウヨが国家反逆罪として重い罪に問われるかもしれないとゼンの脳裏には浮かんでいた。


「ほら! ボッとするな! ウヨが時間を使ってくれているんだろうが!」


 リロの言葉でゼンは自分のやるべき使命が明確になった。


「はい!」


 ゼンは国家反逆罪で罪に問われるかもしれないことを覚悟で行動してくれたウヨに応えるため、何が何でもシェルに特効薬を届けることを深く心で誓った。


「頼みましたよ」




「ゼン! こっちだ」


「はい!」


 ゼンとリロはシェルの元に行くため、里の中央にある大木の屋敷へと駆け出した。


 エルフの里の家は、木の中をくり抜いてその中で生活しており、一番大きな木に王様とシェルが住んでいる。


 ウヨが足止めをしてくれているおかげでなんとか屋敷へと到着した。そして、扉を開け中へと入る。あとは、このままシェルの自室に行くだけなのだが、そんな簡単にことが進む状況ではない。既に屋敷の中には数十人のエルフたちが弓を構えて待ち伏せていた。


「人族よ、観念しておとなしく牢屋に戻れ!」


「リロよ、このまま人族を庇い続けるのならお前は国家反逆罪として罪人になるぞ! いいのか?」


 志が弱いものには、この言葉は最大の蜜かもしれない。しかし、リロは誰よりも強い志を持っている。ゼンにならシェルを任せられると、少ない時間を共にしてきて実感したのだ。


「ゼン」


 この言葉だけでゼンはリロの思考が読めた。


「任せてください!」


 ゼンはこの言葉しか言うことしかできなかった。しかし、リロにとってはこの言葉で十分であった。


「お前を信用してよかったぜ」




「三階の一番奥の部屋だよな」


 ゼンは事前にリロたちからシェルの居場所は聞いていた。ゼンの目の鼻の先には目的地であるシェルの部屋があった。しかし、


「そこを動くな! 動いたら放つ」


「くっ!」


 ゼンの後ろには豪華さが際立つ衣服を着用した、先ほどの人物がいた。


「人族の者め、その部屋に何のようだ!」


「シェルさんの病気を治すために来ました」


「なぜそれを!?」


「俺なら治せます」


「なっ!? ひ、人族の言うことなど信じられるものかっ!」


 男は弓を構え、今にも放とうとする。ゼンは回避するため急いで奥の部屋に入ろうと走り出す。


 【古代魔法 閃光矢】


‶グサッ!″


「っ!」


 光の速さで放たれた矢はゼンの肩を貫いた。ゼンには壮絶な痛みが押し寄せた。しかし、何とか持ち堪えたゼンはそのまま奥の部屋へと入った。そして、そのまま扉の鍵を閉めた。


‶ドンドンドンドン″


「人族シェルに何をする気だ! 開けろ!!」


 男はシェルが部屋にいるため、矢を放つことが出来なかった。


 そして、ゼンは部屋の半分ほどを占めているベットに横たわっている女性のところに駆けつけた。


「これは酷い........」


 ゼンはシェルを見たときにシェルの生命の危機をすぐに感じた。ゼンはすぐにバックに入れていた特効薬取り出した。


「口移しになってしまいますけど、すいません」


 ゼンは独り言でそう言い、自分の口に特効薬を注ぎ込み、シェルに口づけをした。


‶ゴクゴクゴク″


 ゼンはそっと口を離した。ゼンとシェルの間には白い糸が広がった。


「リロさん、ウヨさんやりま...し......た」


 ゼンは射抜かれた肩から止めどなく流血し、そのまま気を失った。






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毎日魔王から愛が重すぎる件について~魔王の正体は昔助けた魔族でした~も読んでいただけると幸いです

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