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第1章 出会い 1話 治療開始

ブックマーク20人ありがとうございます!! 毎日投稿頑張ります!

「これはまずい.......」


 ゼンは『崋山烈火』のメンバーを運んでいて、気づいた。メンバー全員の息がないということを。


「これじゃ助けられ—————————————!!!!!!!!」


 ゼンはあることを思い出した。それは『蘇生の薬草』だ。しかし、『蘇生の薬草』は本に書いてあったのは1人に使うと光が失われ効力が失われるらしい。


「考えろ俺!!!!」


 ゼンは思考をこの上ないまで巡らした。そして、


「!! ポーションなら......」


 しかし、あまりにも賭けにですぎている。『蘇生の薬草』なら1人は最低でも生き返させられる。しかし、ゼンは全員を助けると決心をした。


 まずは、『蘇生の薬草』を取り出して包丁で切り刻んだ。


「光は........失われてないな」


 切り刻んだ『蘇生の薬草』を煎じた。そして、ポーションにするためその中に色々な材料を入れなければならない。スライムゼリー、ホシピッピの爪、治療羊の糞を棚から取り出した。


 ホシピッピ=Aランクモンスター。体長5m以上ある巨大な鳥である。


 治療羊=Sランクモンスター。治療羊の糞は不治の病気すらも治すという噂がある。


 なぜEランクのゼンが治療羊やホシピッピの爪など持っているのか。その理由はこの山にある。ギルドの連中はほぼ知らないが、ここアスカリナ山には治療羊がいるのだ。ゼンはこの山に引っ越す前、ある薬草採取の仕事で、アスカリナ山に来ていた。


 そして、モンスターに襲われた。何とか逃げ切ったが、血が止まらなく力尽きそうになったとき、目の前に伝説の存在と言われている治療羊が現れたのである。


 そして、治療羊はゼンの傷口を舐めた。すると、傷口はみるみるうちに塞がり、元の体に戻っていた。ゼンは驚きですぐには行動できなかったが、自然と治療羊の頭を撫でてしまっていた。一瞬ピクッと驚いた治療羊だがすぐに気持ちよさそうに目を細めて、ゼンの近くに座った。


 それから、ゼンと治療羊はずっと一緒というわけではないがたまに来ては、ゼンはご飯をあげたり体を洗ってやったりしている。治療羊はいつもお礼にと糞を落としていった。最初は捨てていたが、興味本位でポーションに混ぜてみたところフルポーションの5倍の回復力があることがわかった。


 その治療羊の糞や、たまたまアスカリナ山に落ちていたホシピッピの爪を煎じた『蘇生の薬草』の中にいれ、スライムゼリーと聖水を入れた。聖水は病気の進行を止める効果があるため、『蘇生の薬草』の光が失われることも止められるかもしれないと考えたのだ。


 そこから、4時間煎じた。そして、


「完成した!!!!!!!」


 調合師の固有魔法である【鑑定】で見ると、〝蘇生のポーション″となっていた。


「すぐにあの人たちに飲まそう」


 ゼンは急いで『崋山烈火』のメンバー全員に飲ませた。飲ますと同時に『崋山烈火』のメンバー全員の体が光りだした。


「これでどうだ........」


 彼女たちの胸に自分の耳を当てると、〝ドクン、ドクン、ドクン″ 心臓の音が復活した。


 しかし、心臓の音が復活しても一向に起きない。ゼンは既にその答えを知っていた。


 ポーションというものはその場しのぎの物であり、内臓などの損傷はポーションを飲み続けないと治らない。だから、内臓が酷く損傷している彼女たちは、表面上心臓が治っても、内臓すべてはまだ治っていないため目覚めないのだ。


 ゼンはさっきのポーションの聖水と『蘇生の薬草』を抜いて、治療羊の糞で作ったポーションを作った。それを毎日飲ませた。夏の燃えるような暑い中でも彼女たちの体温を冷やすために〝冷え冷えポーション″を飲ませたり、冬の凍えるような寒さの中では、〝ポカポカポーション″を飲ませた。


 当然の如く、治療羊のポーションは毎日飲ませ続けた。ゼン自身、糞の入ったポーションを飲ませるのは気が引けるが、聖水の効能によって匂いは緩和され、ほとんど匂わなくなっていたので、それは良しとした。


 治療羊もこのことを知っているかのように3日に1回のペースでゼンの家に訪れていた。しかも、口にはホシピッピの爪をくわえながら。帰りにはお土産う〇ち。


 そして、月日は流れ、1年が経った。



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