第2章 緑山 14話 特効薬
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現在ゼン、リロ、ウヨは緑山に来ていた。
「ゼン、シェル様の病気とはいったいなんなのだ?」
「その病気はおそらく木染症です」
「「木染症??」」
ゼンはリロとウヨに木染症について教えた。木染症とは、字の通り木から感染する病気である。感染すると、体中に赤い斑点、唇が紫色、手足の痺れ、吐血をするのが特徴だ。吐血の頻度が増えれば増えるほど、病状が重いという証拠である。
昔、王都でも木染症が流行っていた。そのときは多くの犠牲者を出してしまったのにも関わらず、特効薬が出来なかった。今でも王都直属の調合師が特効薬の開発に勤しんでいるが、未だ完成していない。ある1人を除いて.............
「ゼンよ、何を集めればいい?」
「『善キノコ』『黄金リンゴ』『エゾの長根』『スライムゼリー』『ドウモーのミルク』ですね」
「なかなか難しい物揃いだな」
「特に厄介なのはエゾの長根ですね」
ゼンは木染症を治すのに必要な材料は入手することに苦難を強いるものばかりである。
『善キノコ』これはキノコの中でもポーション作りに特化しているキノコであり、他の効力を何倍にも膨れ上げさせるという効力を持っている。
『黄金リンゴ』これは名前の通り金色をしたリンゴのことである。滅多に市場に出ることはなく、入手できたとしても多くは貴族や皇族に吸い取られてしまう。見た目も美しいが、病気の進行を一時的に遅らせるという効力もまたすばらしく調合師は黄金リンゴをよく欲するのだ。
『エゾの長根』これは最も入手するのに厄介なものである。エゾという木の根のことを言っているのだが、3mを余裕で超すため掘ること自体が大変なのだが、それよりも大変なのは折ってはいけないということだ。木の根は大きい印象があるだろうが、エゾの根は人の小指の細さと変わらず、もし折ってしまったら効力が失われるのである。王都では『エゾ採取組合』というエゾの長根を採取することを専門とする職業があるぐらい採取することが困難なのである。そして、エゾの長根の‶ポーションの即効性を何千倍にも膨れ上げさせる″という効力が今回の特効薬での最も要な部分である。
『ドウモー』牛でありながら獰猛であるその姿からドウモーという名前がつけられた。ドウモーの乳を搾ることで得られるミルクは‶凝固作用″という効力がある。その凝固作用で動く木染症の菌を固めて治療をしやすくする役割を持つ。
本当はあと1つ入れなければならない素材があるのだが、この素材を言ってしまうと厄介なことになってしまうと思ったのでゼンは言わなかった。
「では、さっそく探しましょう!!」
「おう!」
「はい!」
ゼンたちはこのとき、まさかこの採取が生死を分けるほどの苦難な道だとは思ってもいなかった。
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