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第1章 出会い 9話 ギルド

ブックマーク7500人ありがとうございます!! 日間ランキング1位、週間ランキング3位、月間ランキング14位ありがとうございます!

「聖女様、今日こそクエスト行かなきゃ.......」


「そうですね! では、食事をしてから行きましょ!」


「い、いや、それだけは........」


 ゼンは既に止めようとしたが、既に遅かった。マリーに食事をさせてはいけない。理由は実に単純であった。


 ‶もぐもぐ″


 ‶もぐもぐ″


 ‶もぐもぐ″


 そう、極端に食べるのが遅いのだ。1回の咀嚼を何回しているんだ、と言いたくなるぐらいたくさん咀嚼をしている。そのせいで、朝ご飯がもはや昼ご飯の時間になってしまうのだ。


「あ、あのぉー、食べ終わりましたか?」


「はい! では、行きましょう!!」


 時計に目をやると、朝8時にスタートした食事が正午になっていたのだ。




「他のみなさんはどうします?」


「ギルドに来るみたいです!」


「わかりました」


 そのあと、朝ご飯についてや、シシドリが朝に鳴く理由など、とても他愛もない話をしていると、遠くにギルドが見えてきた。ギルドの前にはレイ、エリ、リンが立っていた。


(やっぱり風格が……空気が違うな~。でも、多いな人数!!!)


 ゼンがこう思うのも無理はない、彼女たちの周りには数十という男が群がっている。花束、金、指輪などなど、そこでお店が開けるんではないかと思うくらい、多くの種類のものが彼女たちに献上されていた。


 当然の如く、彼女たちはそれをすべて無視している。その冷たい態度に興奮するものまで出てきているほど、彼女たちの人気は絶大な物である。


「……っ!! おーーーーーーい!」


「ゼンとマリー..........」


「やっとですわ!」


 手を振りながらゼンのいるところに走ってくるリン、その後ろをエリとレイが付いてきた。


「みなさん、こんにちは」


「うっす!」


「ちわ........」


「こんにちはですわ!」


 このように、ゼンたちと『崋山烈火』のメンバーとの挨拶は彼らにとって日常なことであるのだが、周囲の者にとっては、彼女たちとの挨拶は人類の至宝とまで言える価値の高さなのである。


 そのため当然、周囲の人間から殺気のような視線をゼンは浴び続けることになっている。


「ぶるっ! 何か寒くありませんか?」


「ゼン様! まさか風邪でしょうか!?」


「いや、風邪じゃないんだけど........」


「なら、気のせいだろ」


「そうですね」


 数百の殺気に気づかない彼女の後をつけながら、そのままゼンはギルドへと入る。


「ゼン、今日は何をするんですの?」


「今日はキノコ取りです」


「「「「キノコ??」」」」


 頭の上に大きなクエスチョンマークが浮かんでいる彼女たちだが、キノコ狩りは調合師にとってすごく大事なことである。キノコは一般的には食卓の間に出される品物なのだが、ポーション作りにおいて効果に大きく貢献する。


「このクエストお願いします」


 ゼンはギルドカウンターに先ほどの用紙を持って行った。受付嬢はそそくさと作業をし、魔法袋を支給された。この袋に指定されたキノコを入れ、ギルドに提出すると、クエスト完了になる。


 今回のクエストはこれである。


 ・キノコ採取

 ・納品物 シキノコ

 ・納品個数 10個

 ・報酬金 金貨1枚


「シキノコって……滅多に手に入らないじゃん」


「むずかしい........」


「シキノコって早々見つかるものではなくない?」


「え?10分あれば十分ですよ」


「えぇ!? ゼン様すごい!!」


「でも、どうやって......」


 シキノコとは、四季、年がら年中どこかで生えると言われるが、市場ではあまり売られていない激レアのキノコのことである。味はもちろん美味しく、見た目は虹色で貴族の間で最近人気になって価値が高騰している。


 だが、年がら年中取れるがシキノコの生える場所、取れる季節はまったくもって予想ができないため、1個の値段がすごく高いのだ。しかし、ゼンはそれを10分あれば取れると言ったものだから、みんなは驚いたのだ。


「みなさんはクエスト受けないのですか?」


「いや、もう受けたじゃん」


「受けた.......」


「あ、そうなんですか。じゃあ、俺はこれで」


 ゼンはキノコ狩りに行こう翻したが、レイに腕を力強く掴まれた。


「なに言ってるの? 私たちもそれを受けるの」


「え?」


「ゼン様の受けるクエストに私たちはついていきますから!」


「世話になったしな」


「これじゃ足りないくらい........」


 あれから、彼女たちは何か緊急事態があるとき以外はゼンを手伝うと決めていた。


「いいんですか?」


「当たり前です!」


「うん........」


「もちろん!」


「当然ですわ!」


 その場にはとても暖かい雰囲気が流れ出ていた。しかし、その空気は呆気なく壊れてしまった。あいつ(・・・)が来たことによって。




 






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