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第1章 プロローグ

ご指摘いただいた部分を訂正させていただきました!

再度読んでいただくと光栄です!!

「好きです、結婚してください」


「は? ダーリン(ゼン)は私と結婚するんだけど!」


「あんたこそ何を言ってるのかしら。ゼン様は私と結ばれるために生まれてきたもの、いわば運命共同体♡」


「ゼンは私の夫、これは決定事項.........」


 俺の名前はゼン。俺は冒険者をやっているが、最弱職の調合師であるためEランク止まりだ。調合師とは、薬草や木の実など色々なものを混ぜて、ポーションと言われる飲み薬みたいなものを作る人を言う。


 本来なら、調合師は自分の店を構えて、そこで調合し資金を稼ぐのだが、俺は昔から夢であった冒険者が諦めきれず、冒険者兼調合師をやっている。


 ギルド内ではみんなからバカにされていた。ゴミのように扱われた、当然のようにこの目の前で口論している4人の女性たちにもだ。


 彼女たちはSランク冒険者で『崋山烈火』というクランを作っており、ギルド、いや王都で最強と言われている人たちだ。しかも、強さだけではなく、容姿も王都最強だ。伝説では何千、何万も求婚されたとかなんとか......。


 しかし、そんな彼女たちがなぜ俺に求婚してくるのか。それは1年前のある日に遡る。



「邪魔。どいてくれるかな」


「気持ち悪い.....」


 ゼンはギルド内にて最下位のランク、Eランクであり、みんなゼンをストレスの捌け口にしていた。暴力、罵倒色々だ。ゼンはそんな生活に慣れてしまった。


 ある日、ゼンがクエストボードでいつものようにクエストを眺めていると、4人のきれいな女性たちが現れた。その4人組もゼンのことをまるでゴミでも見るかのように見下していた。


「あれは、『崋山烈火』じゃねぇか!」


「うつくしい.....」


「俺は断然マリー様派だ」


「おいおい、レイ様だろ」


 聖女マリーは世界に1人しかいない聖女であり、回復のスペシャリスト。彼女の手にかかれば腕ですら生やせるらしい。


 剣姫レイは王都で一番優れた剣士である。彼女もまた伝説があり、1秒で100回切ることができるらしい。


「俺はエリ様だな」


「バカか、絶対リン様だろ」


 賢者エリは魔法の才能が群を抜いており、5属性【火・水・闇・光・緑】すべてを扱える唯一の人物である。


 武神リンは武闘の使い手である。この間の地震は彼女が怒り、地面を殴って起きたらしい。


 そんな恐ろしい人間のクランが『崋山烈火』なのである。ゼンはこの1年後に彼女ら全員から熱烈な求婚をされるとは微塵も思っていなかった。


 ゼンはいつものようにEランク用のクエストである、薬草採取をカウンターに持って行った。


・依頼内容 薬草10個

・報酬金 銅貨7枚

・場所 アスカリナ山


 なかなかいいクエストを見つけたとゼンは思った。しかもゼンの家の近くのクエストだ。ゼンは街ではギルドの連中にこっぴどくやられるため、暮らしは山の上に住んでいるのだ。ゼン自身、景色もよくすごく住みやすいため、遠いが気に入っている様子だ。


「邪魔どいてくれるかしら? ゴミ」


「あらあら、レイ、ゴミと言ってはいけませんよ? クズですよ?」


「あはははは、雑魚はどうしようもないね!」


「一緒の空気に居たくない.......」


「す、すみません」  


 カウンターに居たゼンは『崋山烈火』の人たちにひどい言われようだった。強いものがすべてなこの世界にゼンは少し絶望していたのだ。


 ゼンはそそくさとギルドを退去し、アスカリナ山に行った。


「お、あったあった!」


 薬草を発見した。しかしゼンが見つけたのは薬草だけではなかった。


「なんだよ、この光を放っている薬草は.......」


【鑑定】という物を見分ける調合師の固有魔法を使い、鑑定してみると、


・名称 蘇生の薬草

・売却 白金貨10000枚

・入手方法 不明

・効力 1人の命を蘇らせることが出来る


「おいおい!!! やばすぎだろこれ!!!!」


 ゼンの目の前には国宝級のアイテムが生えていたのだ。普通ならありえないが、何千年に1度生えるか生えないかの可能性で生えると本には載っている。


「どうしようこれ......。売る? いやいや、もったいない」


「とりあえず、家に持って帰ってそれからどうするか考えよう!!」


 ゼンはとりあえず家に持って帰ることを選択した。


 そして、ゼンはギルドのカウンターで薬草を渡してるときによからぬことが耳に入る。


「崋山烈火のメンバーたちが邪神を封印したらしいぜ!」


「やっぱり、あの方たちは素晴らしすぎるよ」


「でも、ここからがやばいんだよ」


「なにがよ」


「崋山烈火の全員が行方不明らしいんだ」


「えぇええええええ!!!!!」


 女性は今年一番大きな声を出したんじゃないかというくらい大きな声を出していた。その声にギルドにいる人たちも驚く、ゼンも当たり前だが含まれる。


(崋山烈火のみんなが行方不明? 何かあったに違いないな......)


 ゼンはそんなことを思いながらそそくさとギルドを出て、自宅の帰路についた。そして、自宅の近くに来た時に事件は起きた。


「女性たちが倒れている!!!」


 ゼンは4人の女性の元へと急行した。


(なんだこの血の量は........。この人をまず俺の自宅まで運ばないと)


 そして、女性を自宅に運ぶため上体を起こしたときに事件は起きた。


「おい..........嘘だろ..............」


 その女性たちの正体は『崋山烈火』のメンバーたちだったのだ。

 

 



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