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僕の命はキミだけの物  作者: ユメのユメ
9/19

復讐?or服従?『アリスト王国編』

コンコン

「入っても大丈夫かしら。」

扉の向こう側から生徒会長の声が聞こえた。

「はい。」

僕は一声返事をすると生徒会長はゆっくり入ってきた。

生徒会長はこちらに歩いてくると、寝ているカリスの隣に腰を下ろし僕の方を、見た。

「目が覚めたようね。身体の傷は問題なかったんだけど、意識が戻らなくて心配してたけど、よかったわ。」

「子供でごめんなさい。」

「へっ?!」

会長はびっくりしたのか変な声をあげた。

「今、こうして見ると本当に子供だわって思いましたよね?」

「私の心が読めるのかしら...?」

「はい。僕達は見た人の全てがわかります。一度見れば離れていてもわかります。」

「僕達って事はルナさんとかカリスちゃんとかもです?」

「僕達は僕達です。」

僕は左手を前にやると抱き抱えられるようにゼロが現れた。

「?!?!」

「僕達は二人で一人なんです。」

そういうとゼロは甘えるように両手を首に回してきたので僕はそっとゼロを抱きしめた。

「何個か今聞いてもいいかしら?」

「はい。」

「あなた達は私の敵なのかしら?味方なのかしら?」

「僕達は敵ではないよ。でも味方でもないかな。」

「そお...この前のことが夢だったのかと確認したかったんだけど、やっぱり現実なのね...」

生徒会長は溜め息をつきながら顔をしかめた。

「僕は嘘はつかないので安心して下さい。じゃなかったら心が読める事も黙ってますよ?」

「それは分かってるんだけど...」

「ゼロ兄様...??ゼロ兄さまあああ」

「カリスおはよ。泣いたら駄目だって言わなかった?」

「だって...ぐすっ...死んじゃったかと思ったんだもん...」

「僕は大丈夫。心配させてごめんね。」

僕はカリスの頭を撫でてあげるが、余計に泣かれてしまった。

(ルナ。カリスの事お願い。)

ルナはカリスを抱っこすると転移魔法で部屋からいなくなった。

「さてと。色々お話があるんだったね?」

「そうね。自己紹介がまだだったかしら?私の名前はマナ。今は15歳だけど、歳の割に魔法は優秀よ。今いる国はニリール王国。王女様と小さい時からの知り合いで匿ってもらってるわ。1番信用できる人よ。キミの名前は?」

「僕はゼロ。この子もゼロ。さっきも言ったけど僕達は二人で一人なんだ。僕は7歳。マナが魔王って呼んでた子はルナ。そしてもう一人の女の子はカリス。カリスは10歳だから仲良くしてあげてほしい。」

「ゼロだって7歳じゃない。」

「僕もゼロもルナも人間じゃない。カリスはまだ人間。」

「どういうことかしら?」

「いつか話すよ。今はまだ。。。話したくない。」

「分かったわ。一つ約束して?私はゼロの味方になる。だから...私が傍にいるときは人殺しなんて絶対させないから!!どんなことがあっても私がなんとかするから!これだけは約束して??約束できるならついてきてほしい。」

「ゼロ」

ゼロは首に手を回したままキスをすると僕の中に入ったのを確認し僕は立ちあがる。

「僕は嘘はつかない。マナが傍にいるときは人殺しなんてしないよ。約束する。」



扉から出るとステンドグラス張りのでかい窓がたくさん並んでいた。

僕はマナについて行くと一つの書斎がある部屋に入る。

そして一つの本棚に手をかざすとマナの指輪が光り本が全て飛び出てくると同時に自動で並べ替えられまた本棚に戻る。

カチャカチャと音が鳴ると本棚が上に上がり下に降りる一つの階段が現れた。

「さあいきま....しょ?!?」

「はい。」

「いつ着替えたの?!?!」

「この部屋に入る時ですが...」

「珍しいマジックアイテムもあるものね」

「普通に魔法ですが...」

「隠したいならいーわ。いきましょ」

僕は普通に魔法でウサギの着ぐるみに着替えた訳だが勘違いされてしまった。

階段を降りた突き当たりに一つのドアがあった。

「精霊魔法か...」

僕は思わず口に出してしまった。

ドアに『精霊魔法かかってます♪』という掛札がかかっていたからだ。

精霊魔法は僕も持っていなかったのでちょうどよかった。

「もう。あの子ったら。」

「待って。」

僕はドアを開けようとするマナを止めた。

「どうしたの?」

「いや、僕に先に行かせてもらえないかな?僕は試されているのかもしれない。」

僕は何もないはずの左上に顔を向けてわざとらしく大きめな声をあげた。

僕は左手を前に出し言葉を口にした。

「白き光鱗 千の刃にならずは...」

「え?!待って待って待って!!!なんで私にしか使えない魔法を?!?!それよりも今その契約魔法使ったらこの街なくなっちゃう!!!」

僕はマナの方に向き人差し指を口に当てる。

「聖光の灯火よ 汝の導 塵と化せ 「聖雷の光砲(サンライズ)」」

「やめてええええ!!!」

僕の左手からちょろちょろと水がでてその水がドアに当たる。

マナはなぜか目をつむって耳を両手でふさいでしゃがんでいた。

ドアがゆっくり開くとそこには4人の女の子と一人の男の子が立っていた。

「こんにちあ」

僕はぺこりと挨拶をすると一人の女の子が僕に近寄ってきた。

「可愛い可愛いウサギさんこんにちは♪私びっくりして本気出しちゃったわ。クスクスっ。いつから気付いてたのかしら?」

その女の子はマナの方に歩いていくと未だにしゃがんでいたマナをくすぐりだした。

「ぁはははああ...あへ?!」

「僕は部屋を出た後から気付いてましたよ。それにドアの目の前にあんな子いたらいたずらしたくなっちゃって。」

マナは見えてなさそうで黙ってたが、部屋をでた瞬間から僕を監視するように火の精霊がとんでいたのと、ドアの目の前に木の精霊が立っていたのだった。

「あれ??あれあれ??なんで?!どうして?!」

マナはまだ混乱していたが、その様子を見て笑っていた女の子は警戒心が全くなくなり無邪気に笑っていた。

僕は木の精霊を左手に抱きしめ火の精霊を右肩に乗せその場所に座った。

その様子を見ていた女の子は口を丸くし信じられないって顔をして驚いていた。

精霊が見えるのは僕達だけらしい。

「話には聞いてたけど...うん。あれだね??キミを見たら全部信じざるを得ないよ♪それよりウサギさん抱っこしても構わないかしら?」

この女の子は目をキラキラさせていて、今にも僕につかみかかりそうな雰囲気だったがそれを止めたのはもう一人の女の子だった。

その女の子は僕の目の前にくると膝をつき頭を下げた。

「貴方のような人が現れるのをずっと待っていました。」

「.....キミもこちら側なんだね...」

僕は立ち上がりその女の子に背を向けマナの方に歩き出した。

「クルミ?!ゼロを知ってるの??」

「..........」

「そんな事より僕は何をするの?」

「あ...ごめんなさい。話をする前に紹介するね。」

「紹介なんていらないよ。」

僕は一人の女の子の前に歩き出した。

「君はミントだね。精霊使いは初めてみたよ。精霊魔法もすごいね。でも君は精霊を2体しか扱えないみたいだ。」

「すごい♪大正解♪♪初めて??キミも精霊使いだよね?!私は後4体の精霊と契約できればいいんだけど、居場所が掴めなくて...」

「4体?」

「ええ。私が契約出来てるのは火の精霊と木の精霊だけで、残りの水の精霊、風の精霊、土の精霊、雷の精霊とは契約出来てないの。」

「そうなんだ。ミントは色々間違ってるね。」

「間違ってる??」

「うん。」

「何が間違ってるの??」

僕は水の精霊を呼び出した。

「これはさっき木の精霊に水をあげた水の精霊だよ。木の精霊は喜んでたね。」

「はうあ?!水の精霊ちゃん初めてみたああ!」

僕は次々と精霊を呼び出した。

「ふぅあ?!土の精霊に雷の精霊?!風の精霊まで?!」

僕はまだまだ呼び出していた。

「えっ?!えっ?!えっ?!?何これ?!えー?!」

「こっちが光の精霊、こっちが炎の精霊、あっちが闇の精霊、あの子は影の精霊。この子は熱の精霊。そしてこの子は雨の精霊」

僕はとりあえず20体くらい精霊を呼び出した。

「まだまだいるけど、精霊は6体だけじゃないよ。しばらく仲良くるといーよ!」

僕の声は既に届いておらず、精霊達とはしゃいでいた。

そして僕はもう一人の女の子に近づいていった。

「君はクレアだね。召喚魔法以外はまだ、使えないみたいだね。フェニックスに頼りきりはよくないよ。」

「フェニックスはもう召喚できないわ...呼んでも応えてくれないの...」

「ああ...」

僕は左手を上にあげると何もない空間から炎が生まれ、みるみる内に不死鳥フェニックスは復活した。

クレアは何も言わずにただただ涙を流しながらフェニックスを見つめていた。

「召喚魔法は色々覚えた方がいい。」

僕はユニコーンと鳳凰を召喚した。

「鳳凰はフェニックスと相性がいい。召喚魔法は色々覚えたのが間違いない。それにこれだけが召喚魔法じゃない。」

僕はその場に7本の武器を召喚した。

「貴方...一体何者なの?!」

「僕は今はウサギマルだよ」

僕は召喚した1本の武器聖槍ロンギヌスを肩に担ぎ一人の女の子の前に歩き出した。

「君はクルミだね。大事な物なんだろ?僕はクルミの能力は使えない。僕は見たけど、それの特性を活かしてない。それの特性は僕は知ってるから身につけるんだ。」

「有難きご配慮感謝します。」

「できれば普通にしてほしいかな。僕はそういうのは...き ら い なんだ。」

「はい。」

「そして君がエレナだね。君は自分で出来てるって思ってるみたいだけど根本的なとこが違っているんだ。エレナはまずそこからだね」

エレナは何も言えなかった。確かに私は魔法の才能があると自覚していただけに言い返したかった。

今までのやり取りを目にして言える訳がなかった。

「そして...」

僕は男の子の方を一瞬見るが、無視してマナに近づく。

「おい!!!」

「後はマナだね。マナにはまずこれを。」

僕はペンダントをマナに渡す。

「これ...壊れたはずなのに...どうして?!」

「ミントから貰った大事なお守りなんでしょ?大事にしないと。」

「あ...ありがと...ゼロ...?ゼロは...いや...なんでもない。」

「僕はゼロ...ただのゼロだよ?約束はちゃんと守るから安心して?」

私は少し...少しだけ、泣いてしまった。

「ぅん...」

「おい!俺を無視すんじゃねー!!!」

「さってとお。君たちは僕に力をつけてほしいんだったね。

僕はなんでも知っているし、まだ出来ない事も。なんでも僕は出来る」

「聞いてんのかウサギ野郎!!第一なんでみんな普通に接してるんだよ!!こいつは俺達を殺そうとした奴だぞ??なんで信用してんだよ!!」

「僕の教えてあげれることはなんでも教えるし力になる。それと引き替えにカリスと仲良くしてあげてほしい。それが僕のお願いだ。」

「しかとしてんじゃねーぞこの野郎!!」

男はウサギの胸ぐらを掴み拳を右上にあげた。

「ちょっとロレン!!」

ミントはロレンの肩を掴もうとするが僕はそれを止める。

「キミは僕には見えないんだ。見えないって事はいらない子なんだ。僕はキミに興味ない。逃がしてあげるよ。キミは弱いから仕方のないことなんだ。」

「誰が弱いだってえ?!ああ??」

「だってキミはあの場で一度死んだじゃないか。」

「ああ?おれあ死んでなんかいねー!!あんな幻でなんか死なねー!!!それになあ。魔法さえ使えりゃ俺は誰にも負けたりなんかしねーんだよ!!」

「魔法...ねぇ。」

「ぶっ殺してやる」

その言葉にクルミがロンギヌスの槍を握るが動きが止まった。

僕はウサギの着ぐるみから元の僕に戻って笑った。

笑い声が響く程笑っていた。




「そんなに死にたいなら僕はそれでも構わない。」

ゼロの行動が予想しない方向に表上は動いていた。

そんな中ロレンの殺意がゼロに向けられる。

ゼロはどうするのか...

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