復讐という名の冒険『アリスト王国編』
学院長ウルフの記憶が全生徒達の頭の中に流れ込む。
なんの意図があるのだろうか。
エレナ(そんな...先生達も...)
クレア(私達もいずれ...)
「みんなどうかな-?これが現実だよ?」
頭の中に流れ出した映像は地下施設の事だった。
エレナ(あれ...?動ける?)
「もう気付いてると思うけどみんなは動けるし、喋れるよ?」
「これが事実って証拠でもあるのかしら?」
「会長...」
最初に言葉を発したのは生徒会長と呼ばれる人だった。
「別に信じる信じないは自由さ。僕はそんなことどうでもいい。これからゲームをしよう。」
「貴方の言うことなんて信じないわ。それにゲームなんて付き合う気もさらさらないわ。」
「やりたくないならやらなくてもいいよ?ただ君たちはやりたくなくてもやる羽目になるけどね。」
「はっ。誰がこんな事付き合うかよ。早く俺達をこっから出せや。」
ロレンはウサギ達に近付くとウサギの胸ぐらを掴んだ。
「ロレン!やめなさい!」
「あ?」
ロレンは生徒会長の方に振り向くと同時に背中に寒気が走った。
ロレンはとっさに掴んでいた胸ぐらを離すがロレンの右肩から胴体にかけて切断されたのだ。
ロレンに物凄い痛みが走る。そんな状態で生きている事すら疑問に思わせないほどの痛みであった。
「僕は別に君たちに危害を加えるつもりはないよ?ただ君たちが僕に危害を加えるつもりならいつでも遊んであげようじゃないか。」
ウサギはロレンの頭を小突くとロレンは無傷のままウサギの目の前にひざまついていた。
「俺は...切られたんじゃ...?痛く..ないだと?!」
「あのロレンが...」
「さてさて...ルールの説明をするよ?そこに倒れてるおじさん達は悪い人達だ。悪い人達は死んじゃって当たり前なんだ。そこで君たちに悪い人達を殺してもらう。悪い人達を殺し」
「ふざけないで頂戴!誰が人殺しをするもんですか!貴方の言うことを信じるとでも思ってるの?」
「「そーだそーだ」」
「もお...うるさいなあ」
ウサギが手をあげると騒がしくなった場がまた静かになる。
(くっ...また喋れないわ。)
「ん。静かになったね!うんうん。それでね君たちに悪い人達を殺してもらうよ!制限時間は30分だ。もし殺せなかったら残念だけどみんな死んじゃうから気をつけてねえ。じゃあスタート!」
兎の合図と共に魔時計が現れカウントダウンが始まった。
「会長...どうしましょう?」
「とりあえずみんなパニックになってる。クレアとエレナはみんなを落ちつかせて頂戴。私は少し考えがあるの。」
「分かりました。気をつけて下さいね。」
そういうとクレアとエレナは生徒達の方に走り出した。
「ちょっとウサギマルだったかしら?先生達とお話してもいーかしら?」
「ん?ああ、起こすのを忘れてたね。確かに公平にゲームはできないか。」
兎が手をあげると寝ていた人達が眠りから覚ます。
「む...ここはどこだ..俺は確か...」
「学院長ご無事ですか?」
「身体が痺れて動かん...みんなは無事か?」
「はい。全生徒は無事です。しかし...魔法が使えません...」
(ルナ...手は出さないでね)
兎はルナの服と一部認識阻害魔法を解除する。
「妾を起こした人間よ。まだ生きておったか。」
ルナは翼を少し広げ学院長の前に一瞬で移動した。
「キサマっ。な、な、なぜここにいるんだ?!消えたんじゃなかったのか?」
学院長の顔が真っ青になる。
「学院長この人はどなたなんです?会った事がある口調ですけど?」
学院長(まずいまずいまずい。なんでこいつがここにいる?どうするどうするどうする?どうやって切り抜ける?)
「学院長?」
「こ、こいつは」
「妾は魔王ルナ。魔界の覇者にして頂点に君臨するものよ」
「まっまっ魔王だってえ!」
「うわーん。おかあさーん。助けてよおお」
「うわああああ」
「ふっ闇の組織がついに俺の命を狙いにきたか...フフフッ。よくぞ俺がここにいるのがわかったな。封印された俺の左上がうな」
「お前馬鹿な事言ってないで早くこっちこい!離れるんだ!」
生徒達の間で悲鳴や泣き声一部変な声もするがパニックに包まれる。
「貴方たちは何が目的なの?!」
生徒会長の大声に先程までの騒がしさが嘘みたいに静かになる。
「んー?僕達の目的?僕達はね復讐したいだけなんだ。」
ウサギは一周くるりとまわると、カリスの認識阻害魔法も解かれる。
「なっ。失敗作が何故ここに?!」
学院長の声に生徒会長はピクリと眉を動かした。
生徒会長(そういう事なのね。)
「私達は魔王と組むつもりもゲームするつもりも遊ぶつもりも全くないわ!!それにね。どうせ皆殺すんでしょ?」
「そんな事僕はしないよ?僕は嘘はつかない。」
「俺の生徒達よ。あいつらのいうこと等一切聞いてはならん!!」
「うるさいわよ。学院長...いえ...殺人鬼ウルフ」
生徒会長は学院長をにらみつけると学院長は口をワナワナさせた。
「どうして俺の名前を...?」
「やっぱりウルフだったのね。偽勇者にして学院長のアイズさん」
「貴様。魔王にたぶらかせられたか?!」
「最初は信じていなかったけど全て行動で理解したわ。私達全員貴方の真実を見させてもらっただけよ?それにね、私は魔王の味方になるつもりもない。」
生徒会長は口を閉ざすと胸に手を突っ込んだ。
そして僕とルナとカリスの周りに黒い魔法陣が浮かび上がると魔法陣同時が繋がり黒い立方体の中に閉じ込められる。
「魔法が使えないって油断したわね。これで終わりよ」
しかし黒い立方体が粉々に砕けちり生徒会長の胸の中にあったペンダントも同時に砕けちった。
「なっなにがおこ」
砕けちった立方体の中から小さな男の子が出てきたと思うと凶悪な笑みを浮かべて会長の頭の上に手を置く。
「いーや。今のはよかった。よかったけど遅い。そして死ね」
目の前から会長が消えさった。
「「会長ーーー」」
生徒会長が消えた場所には何も残されていなかった。
生徒会長は学院長ウルフの正体が先程の映像により真実だったことを悟る。
だがゼロ達とは相容れぬ存在と表明し、隠し球で攻撃するが返り討ちにあってしまう。
この後どうなってしまうのか?
まだまだ続きます。