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僕の命はキミだけの物  作者: ユメのユメ
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復讐の始まり『アリスト王国編』

「        」


あぁ......またこれか...


そこには小さな女の子...前にも見たその子がいた。



「        」


その子は今にも泣きそうな顔で何かを言っている。


「ごめん...僕には聞こえないんだ...」


その子は困ったような顔をしてしゃがんだ。


「僕の声は届いているのかな?」



女の子は立ち上がり頷いた。何度も。



「そっか...キミは......僕の敵?」


女の子は顔をしかめた。


「      」



「僕の味方?」



その子はまた顔をしかめた。



「       」


また泣きそうな顔で僕を見つめてくる。



「んー......復讐したいとか?」


「         」


「んー......助けてほしいとか?」



女の子の顔がパァーっと明るくなりコクコクと頷いた。



「そうか......」



「         」



女の子は両手を広げ笑顔で僕を抱きしめ消えていった。





「んー...ん?ゼロ...?」



僕は起き上がると目の前にはゼロがいた。


「ん...」


目の前にはゼロがいた。右手に神剣を握るゼロが。


「ゼロ?おいで?」


だがゼロは動かない。


「ん...ごめん...死んで?」


「え?何を言ってるの?」


ゼロは僕に向かって走り出してきた。


「そんなこと言わなくても...謝らなくても...ゼロが願うなら僕は...」


両手を広げた僕の心臓にゼロの神剣が刺さる。


「ん...ありがとう...」



僕の視界がガラスが砕けたみたいに崩れていく。


崩れた後の景色には綺麗な森が見えた。


「これがタルタロス...?」


僕は辺りを見回すとそこにはゼロとロレンが倒れていた。



僕はゼロを抱き抱え「キャンセラー」。ゼロにかかっていた魔法を解いた。



「ん.........ゼロ...?」


ゼロはゆっくり目を開け僕を見ると涙目になってきた。


「おかえり。」


僕は笑顔で返事をすると抱き抱えられたゼロは両手を僕の首にまわし一言「ん...」話すとそのまま黙ってくっついてしまった。



「さてさて......ロレンは......このままでいっか。」


僕は仰向けになっているロレンを見てニヤリとした。


「ん...いいの...?」


「あぁ...ロレンなら大丈夫だろう...それよりも...」


僕は森の先にある黒い十字架に目をつけた。


タルタロスの事はよく分からない。

分かった事と言えば、夢のような空間で殺されないと目覚められない事ぐらいだろうか。

普通なら自分が殺されるなんて事は選ばないだろう。

誰かを殺して...悪夢の連鎖が始まる。

一度殺せば二度と覚める事のない世界...

僕が目覚められたのはそれがゼロだったからだ。

殺していたらどうなった?答えは簡単だ。

感情のもたない殺戮マシーンになっていただろう。

僕が目覚めた周りには誰もいなかった...この世界に来たばかりだからか...?

この世界には誰かが何かをしている。その答えはあそこにある。と僕は読んでいた。その時だった。


「ふぐぉお」


情けない声の方を見るとロレンが大きくなったトールハンマーに潰されていた。


「クスクス...」


「ほらね?ロレンは大丈夫だった。あははは」


「あれ...ゼロの...兄貴?!俺は確か...」


「あはははは。何か悪い夢でも見たのかい?」


「ゼロの兄貴が俺と戦えと言って...ハンマーを握った瞬間苦しくなって...気づいたらこうなってた......」



「あはははは。ロレンはやっぱり面白いよ。僕と戦う(あそぶ)かい?」


僕はゼロを降ろし左手を寝ているロレンに突き出した。


「いや...勘弁してほしいっす......てかゼロの兄貴その子は?」


「あれ?ロレンは前に会わなかったかい?」


「いや......初めてっす。てかめちゃめちゃ可愛いじゃないっすか!!もしかしてゼロの兄貴の妹っすか?!」


ロレンは起き上がるとゼロの顔を間近で見つめ始めた。


「ん...ロレン...」


ゼロが指を足元に向けたのでロレンの視線がそちらに向くとロレンの足元が崩れ始めた。


「うあああおっふ。」


ちょっとした落とし穴がいきなり現れロレンはまんまとはまり変な声をあげた。


「あはははは。今のはロレンが悪いよ。あはは。」

「ん...」


「すまねえっす。いでで。」


ロレンは落とし穴から這い出るとゼロがクスクス笑っていて同じく笑い始めた。



「ゼロ!!!」


僕はとっさにゼロの腕を引っ張り抱きしめた。


タアン


ゼロが立っていた場所には小さな穴があいていた。


「これは......?」

「なんだこれ?」

「......」


小さな鉛玉のようなものがそこにはあった。


「ロレン......僕は一瞬の殺気で気づいたが...ロレンは気づいたかい...?」

「ゼロの兄貴...すいません。気付けなかったっす。」

「実はね。認識阻害かけていたんだ......なのに気付かれた。意味が分かるかい?」

「はい。俺がゼロの兄貴を守るっす。」

「いや......何かがいる。強い何かが。楽しもうよ!!僕達を殺すつもりらしいからね。」

「ゼロの兄貴......俺がやるっす。」

「とりあえず進もうか。」


僕は色々なパターンを考えているうちにニヤニヤが止まらなくなってしまった。

あの攻撃速度、破壊力、正確差...欲しい。あれは必要だ。あはははは。


(ゼロ......ありがと...)

(ゼロ...僕は強くなれるかもしれない。)

(ん...)

僕達は黒い十字架に向かって歩き出した。













あれは何...何なの...


その者は移動しながら考えていた。



後12年...後12年で帰れるのに.........なんで。なんでなの。


いや...まだ間に合うはず。



ゼロ達が居る場所から4㎞程離れた場所にいるその者は、自分の身長より2倍近く長い武器を肩に担ぎ移動をしていた。



「私の世界に帰るために......侵入者は許さない。」


その者は自分に言い聞かせるように何度もその言葉を口にした。

ゼロ達はタルタロスの中で目覚める事が出来た。


だがそこに得体の知れない者が動き出す。


なぜゼロはゼロの中にいないのか。


タルタロスとは何なのか。


ゼロ達は答えを出すために歩き出した。



次話はカリス視点になります。

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