復讐?or服従?『アリスト王国編』
ゼロはみんなの為に動くみたいです。
「すんませんっしたあああ」
ロレンは頭を床に叩きつけながら土下座をしている。
何これ?どういう状況?
僕はロレンの部屋に転移した。
さて...なんて声をかけるかなあと悩んでいたらこれだ。
「何を謝ってるの?」
「俺...粋がってました。ほんとすいませんでしたあ。」
ロレンはずっと頭を床に叩きつけていた為おでこから血がだらだら流れていた。
「僕と腹を割って話そうか。無論心読める事を忘れないでね。」
「ありがとうございます!!」
無論心など読んでない。
腹を割って話すということはそういう事だ。
これは男同士にしかわからないが。
「んでロレン。」
「はいっ。兄貴!」
「......兄貴じゃない。僕はゼロだ。」
「はいっ!!ゼロの兄貴!!!」
「......まあいいや...ロレンは自分の力を過信しすぎたね?」
「はい...俺は恥ずかしながら世界一最強の魔法使いだと思ってました。今まで誰にも負けた事がなかったんです...」
「弱いやつにいばって楽しいかい?」
「えっと...俺が一番強いってアピールしたくて...素直になれませんでした...」
「僕には分からないなあ...なんでアピールしたかったの?」
「えっと...恥ずかしい話なんですが......エレナいますよね?」
「うん。」
「かっこいいとこを見せたかったんです!!ただ俺が素直になれなくて...喧嘩ばっかりで......でも俺...あいつの事が大好きなんです!!」
「大好き...ね...じゃあロレンはエレナの事を守れるのかい?」
「死んでも守ります!!」
「死んだらどうやって守るの?」
「それは......」
「ロレン弱いじゃん。そんなんで守るの?」
「俺は確かに弱かったです。ゼロの兄貴に俺の弱さを実感させられてから...決意したんです。強くなると。だからゼロの兄貴の弟子にしてほしいっす。」
「弟子とかそういうのつまらないからごめんね。」
「お願いします!!」
ロレンはまた頭を床に叩きつけだした。
「もしだよ?エレナを殺そうとするやつがいたらどうする?」
「俺がそいつを殺します」
「その相手が僕だとしても?」
僕は威圧しながらニヤリと笑った。
「.........その時は俺が時間を稼いでエレナを逃がします。俺はそのためなら死んでもいい。」
僕は正直びっくりした。
僕は僕を殺すという言葉を期待していたからだ。
「あっはっはっ。ロレン!ロレン!!僕がロレンを強くしてあげるよ!あっはっはっ」
「ゼロの兄貴......一生ゼロの兄貴についていきやす!!」
「......エレナについてけよ!」
「ゼロの兄貴の右腕にさせてください。兄貴の右手がない代わりに俺が右腕になりやす!!」
「......エレナの事どのくらい好きなの?」
「世界が無くなってもずっと俺の傍にいて欲しい......心からそう思えるほど愛してます!!」
その言葉と同時にロレンの部屋がバタバタと足音がなり、部屋のドアが勝手に開かれた。
「幽霊っすかね?」
「なんかあった?」
「俺の気のせいでした」
僕はロレンの気持ちを知っていた。
だから認識阻害魔法をエレナにかけて一緒にきたのだ。
エレナならロレンを動かせると思っていたから......
1から10まで予想外の結果になったけど...まあいいや。
なんでエレナ部屋から飛び出したんだろう?
「ロレン移動しよっか。」
「はい!ゼロの兄貴!」
僕はロレンと転移魔法で転移した。
「この場所にくると...俺恥ずかしいっす。死にたくなるっす。」
次元の狭間に転移していた。
「ここはうってつけの場所なんだ。刻の干渉もないからね。」
「ゼロの兄貴流石っす!!」
「ロレン!ロレンは弱い!!魔法は誰だって使えるけど、ロレンにセンスない!!」
「ぐはっ...俺...魔法だけは自信ありました...」
「ロレンは武器を使ったほうがいい!魔法は補助として使うんだ。」
「武器っていっても...木刀くらいしか...」
「僕が用意する。ただし、一つしか使わせない。むしろ武器が持ち主を決めるんだ。だから認めてもらえるようにひたすらそいつと話せ!!」
僕は12本の武器を用意した。
「こいつは【魔剣ダーインスレイブ】
こいつは目の前の存在を全て叩き切れる。
空間でさえもな。
ただ鞘から抜いたら殺すまで収まらない。」
「すげえ...」
「これは【魔剣ティルヴィング】
こいつもなんでも切れる。そして狙った獲物は逃さない。
誰かの命を救う場面でしか鞘から抜けない。」
「なんでそんなすごい武器が魔剣なんですか?」
「獲物を殺した瞬間から誰かの標的になるからさ。その剣を奪いに。」
「なるっす」
それから僕はひたすら説明した。
「こいつは【魔剣カラドボルグ】
こいつは雷を支配する。
ただこいつは利き腕がこいつを握る時以外使えなくなる。
そしてこれは【魔槍グングニル】
こいつも狙った獲物を逃さない。
獲物を灼熱で焼き付くし貫いた後は持ち主の手元に戻ってくる。
ただ灼熱が故に制御できないとその周囲全てを焼き付くす。
てか...説明しなくても使えばわかるよね。うん。
こいつは【魔槍ゲイボルグ】
これは【魔槍ルーン】
これが魔系ね。
そしてこっち側は聖系ね。
これは【聖剣アスカロン】
こっちは【聖剣デュランダル】
こいつが【聖剣フラガラッハ】
これが【聖槍ロンギヌス】
こっちは【聖槍トライデント】
こいつは【聖槍ブリューナク】
どうかな?
全部僕の相棒だよ。」
「ゼロの兄貴すごいっす。
でも魔剣とか聖剣とかって違いがわからないっす。」
「語り合ってみればわかるさ。
終わったらこのボタン押してね!」
「はいっ!!」
「あっ。そうだそうだ。ロレンには扱えないと思うけどこいつらとも話せたら話してあげて!!」
僕は二本の武器を刺した。
そして僕は次元の狭間を後にしクルミとカリスをここに呼ぶ為に転移した。
「クルミ!修行しよっ!ってあつっ!」
僕は軽いのりで転移したのだがものすごく熱くなぜか服がびしょびしょだ。
目の前にはクルミが立っていた。
しかも裸で...タオルを巻いていたのが幸いだった。
そして僕とクルミは目を見つめ合う。
「......」
「......」
たかが数秒だが時間にしてみると1時間くらいの体感ではあった。
「......一緒入る...?」
「......」
あ。
タオル落ちた......
読んで下さりありがとうございます。
読んで頂けるだけで嬉しいので、もっと楽しめるように頑張ります。