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出会い、真実へ。

続きです。

 瞼の裏の眩い光も薄れ、俺は目を開ける決心をする。腕にある、引っ張られた感覚を残したまま瞼を開くと、目の前には年老いた男性が立っている。成人男性一人を引っ張ることのできる力は、その華奢な体の何処から出ているのだろうか。疑問がわく。だが、不可解な点はまだある。


なぜ、このような小道の奥に住んでいるのか? 


なぜ、俺を家の中に引っ張り込んだのか?


なぜ、家の真ん中に椅子が置いてあるのか?


 そう、この家の真ん中には椅子が置いてあるのだ。冷たさを感じさせるメタリックなボディ。そこから様々なコードが出ており、まるでB級映画に出てくるような椅子だ。


「入口に立ってないで、椅子に座ったらどうだい?」


 老人の言葉に一瞬体が強張るが、すすめられた椅子は真ん中に置かれているそれではなく、極々一般的なものであった。勧めに従いおれは椅子に座る。出されたコーヒーを手に持ち、改めて家の中を見回してみる。


この家の中には三種類の物が置かれていることに気付いた。


まずは、アンティーク。この家の見た目通りの古めかしい物がある。


つぎに、近未来的なもの。SF映画などで見たことあるようなものから、見た目からは使い方や用途が分からないものまである。


最後に、あの椅子だ。もしあの椅子に座れと言われても、俺は絶対に座りたくない。


 無意識に出されたコーヒーを啜りながら目線を老人に移す。まじまじと老人の顔を見ると、自分の父親に似ている気がする。俺に見つめられている老人が口を開いた。


「やあ、初めまして。そのコーヒーおいしいかな? 君の好みの豆を使っているのだが」


 改めて意識すると、このコーヒーは確かに俺の好みの味だ。例のコーヒーショップのオリジナルブレンド。どうして初対面の老人は知っているのだ? この老人は怪しすぎる。俺は口を堅く結んだ。俺が何も話さないことを悟ったのか、困ったような顔をしながら話を続け始めた。


「いやぁ~、僕は君を待っていたんだよ。というのも、君にお願いがあってね~。僕はある失敗をしてしまってね、君の手を借りたいんだよ」


 俺を待っていた? 俺に頼みごとがある? この老人は俺を別の誰かと間違っているのではないのか? 色々質問があるので、渋々俺は重い口を開く。


「俺を待っていたとはどういうことですか? もしかして、俺を別の誰かと勘違いしていませんか。そもそも、あなたは誰なんですか」


 俺は思ったことを続けざまに言ってしまったので、老人はどこから話そうか、なんて呟いている。俺としては早く帰って小説の続きを書きたいのだが。


「そうだねぇ~。まずは、君は今、小説を書いているだろう? そのアイディアが浮かばないから散歩を始めた。うん、僕が探しているのは君で間違いないね。次に僕は君を待っていた。理由はさっきも言ったよね。そう、君にお願いがあるんだ。お願い、というと僕の利益のため、という感じがするね~。でもこれは君のためでもあるんだよ。いや、君というか、我々みんなのためかな」 


 複雑な事情なのか、老人自身も一言一言確認しながら俺に説明をする。


「そして、君が一番疑問に思っているであろうこと。そう、僕の正体、それは……君さ」


誤字脱字とかあったら言ってください。

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